8月23日 ポテトチップスにギラギラ【今日のものがたり】
本日はお菓子同好会の活動日。私は水琴(みこと)とふたりで本日の議題お菓子を調達にやってきたところだ。
「水琴ってあんまり、ポテトチップス食べないよね」
「あ、気づいてた?」
「うん。でも嫌いじゃないんだよね?」
水琴がかごに入れているのはポテトチップス。塩・コンソメ・ビネガー・チーズ……と、いろんな味のチップスを選んでいる。
「大好きだよ。でも、ちょっと大問題が勃発してね」
「ポテトチップスで大問題?」
「そう。小学生の頃って、ポテトチップス一袋分を一人では食べきれなかったのに、高校生になったある日、軽い気持ちで食べ始めて気づいたら残り数枚になってたことがあって愕然としたんだよね」
「それが大問題……」
「運動していないわけじゃないけど、さすがに一人で一袋は……って、そういうわけでちょっとセーブしています」
「なるほど……それで、水琴が食べてるところをあまり見なかったわけか」
「でもでも、お菓子同好会の活動日はそれから解放されるからすっごくうれしいんだ。今日だけは食べ尽くせるっていう」
「水琴、目がめっちゃキラキラじゃなくてギラギラしてる……」
「おっと、本性が見えてしまったか」
食べ過ぎは良くないけど(それはポテトチップスに限らず……)、たまには、なんにも考えず楽しく食べたいものね。そのためにも、お菓子同好会はお菓子部に昇格してもいいと思う
んだけどなぁ。
そこへ、同好会メンバーからメールが届いた。何かあったのかと、二人で確認する。
文面に携帯電話を持つ手が震えだす。
「……ちょ、ホントに?!」
「工場直送便がちょうど届いたなんて……!!」
「……ねぇ水琴、このポテトチップスがあるなら、ほかは何もいらないんじゃ……」
水琴と私は顔を見合わせる。無言でうなずきあう。
たぶん、私の目もギラギラに変わっていると思う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?