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2月21日 新聞創刊者に愛……を……【今日のものがたり】

「これが、気になるのかい?」
 魔法学教師ウォルターは肩に乗っている使い魔であるベルグに話しかける。

『カラス カラノ オクリモノ キャンディガタイチゴアジ ヲ ツクリシオンジンニ アイヲ オツタエシタク……モリノナカノドリーヨリ』

「なるほど……。君が置いてきたのはこの、いちご型のキャンディというわけか」
 ウォルターは新聞の記事を指でなぞりながら薄くほほえむ。彼の使い魔であるカラスのベルグはとても優秀で、主のウォルターにこれまで何度も特別な情報を届けていた。それは「もの」であることも多かった。

 しかし先日、ベルグは拾ったものを持ち帰らずどこかに置いてくるという珍しい行為をした。人にはわからないが、ウォルターにはベルグの言葉がわかる。置いてくるほかなかったという代物。いや、今後、ウォルターにとって宝物となるかもしれぬ逸品だ。

 ずっと気になっていた。その「もの」自体と、それを作ったであろう人間が。その手がかりが今日、つかめた。日々読んでいる新聞の「サガシモノ」という欄で。

 興味深いのはウォルター以外にもこの「もの」を探している者がいるということだ。しかも、命の恩人で、愛を伝えたいとまで言っている。
 久しく感じていなかった熱き思いが身内を走る。力がみなぎる。笑わずにいられない。

「新聞というのは本当に有り難い媒体だ。作り出した者に愛を……いや、私の力を貸してやってもいいぐらいにな」

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