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「青いお皿はまだありますか?」 「青は…売り切れたかな…?でも他のはまだあるから良かったら見て行ってくださいね。」 と言っても私はお店番なんだけれど、と言いながら、その人は食器を並べてくれました。 カップを手に取ると、軽いなぁと思いました。家で使っているものは、少し重くて、うっかりナマケモノは時々、こぼします。 土を捏ねて焼くやつだよね、写真、窯だよね、どっしりしてるのかと思ったら違うんだなぁ…。 両手で持つとちょうどそのカタチに合うので居心地が良いな
青いお皿って、ちょっと珍しいね。 そんな声が聞こえて、ナマケモノは、そういわれてみたら、と思い浮かべてみました。 白か黒か、フチにお花とか葉っぱとか、そういう模様も浮かびます。 レストランならあるかもしれないけど。 最近は、ニライカナイのことを思い出しても、涙は出ません、ドキドキしたり、焦ってぐるぐるした気持ちも、大変少なくなりました。 青い食器の話をしていた人たちは、大きな公園の方から来たようでした。そうして周りを見てみるとこれから向かう人や、もう帰る人
ねえ ねえ、キミ。 キミ、道に迷ってるの? それとも旅の途中でここにいるの? だってさ、キミ、そらのたねだろう?ぼんやりしていると、消えちゃうよ、見失うよ。 なにそれ、って聞かれても…。 んー。いま、わからない、ってことは、今まだ、途中なんじゃないかな、ってことしか僕にもわからない。 人間は力を持ってて強くて、まぁ、ちょっと乱暴な部分もあるからさ、人間の近くに居るにもちょっとコツがいるよね。脆い部分もあるから、その部分を隠したり誤魔化したりもして、なん
シルバーの旅路 皆様、ご機嫌いかがですか? カレンです。 先日は、ひっそりとお送り致しましたが、実はわたくし、いえ、わたくし達、お喋りするのが好きなんです。私たちがいるアトリエ愛芽には、意外と、お話がしたい!とワァワァ言うものたちがたくさんいます。 アトリエから出ていなくてもこのアトリエを通過点として出入りする人々や、様々な生き物、そして、たまに…パソコン…あの機器を用いている時に、そおっと聴いていると初めてのお話や懐かしく思うお話なんかも聴けるんです!あらぁ!ま
スペクトラム〖spectrum〗 (名)スル 分光すること。「咲き拡がる白泡は、日光に淡く七彩を━する/青春風葉」 大辞林 第三版 虹の色が7色あるよ、というのは聞いた事があったり見た事もあるかもしれません。また光はどうして色が付いて見えるのか、なども理科や天文学、文学、化学の授業中に習う事かもしれません。 ここで言う「自閉スペクトラムを持っている」とは「そういう特徴的なものを様々な分量で持っている」と言っておきます。 光の説明のように、明るい印象を受けたり、与え
仲睦まじく、雰囲気の優しい鳥がいた。キラキラした尾羽を持つ鳥…。 絵画の中の鳥、その絵画から目が離せなくなりました。優しい雰囲気は好き。でも何故でしょう、絵画から受ける印象は優しさというよりは…。 「愛、とか? なんとなく言葉だけで、目の前で風船がパーンッと弾けたみたいに真っ白になってしまう…。 僕には無い…そのことが、情けないような、未熟さのようで、少し、悔しい。」 以前のナマケモノなら、こんなふうに、自分のことを言わなかったかもしれません。でもナマケモノは今
雨の音を聞いた日、あれからしばらくして、ナマケモノは手紙を書きました。 ニライカナイのオーナーと、文具を色々揃えてくれた梟さんに。 自分の気持ちや出来事を思い出して、いざ文章にすると、書く前に考える時間がたくさん必要でした。 だから、何枚も書き直して、ようやく2枚にまとめて、やっと先程郵便屋さんに出しに行きました。 色々な野菜が育っている畑の傍にある木陰で休んでいると、もくもく雲が育つように土が盛り上がってきました。 「おや、ここまで来たな。引き返すか…向きを
お休みをすることになったナマケモノは、しばらくは食事をしても、お掃除をしても、なんだかモヤモヤした気持ちでした。 あんまりモヤモヤするのでいろんな事をやり過ぎました。他人のアドバイスを素直に受け入れるナマケモノは、アレはコレは、とやったら良い事はとにかく試します。 そしてやっぱり疲れてしまい、どうして自分は上手く出来ないんだろう、と自分を責めてしまうのです。 これではまだなんにも変化も進展もない、手紙が書けない…。 それもナマケモノの悩みでした。 天気が悪くな
ナマケモノは基本的にマジメなので、とりあえずお手紙を書く準備をしようと出掛けました。 小さな文房具屋さんなのだけど、学校なんかに必要そうな物はなんでも揃います。水筒なんかもあります。 そういうお店があるよ、とお客様から聞いていたのを思い出したのでそこへ向かいました。 ちりんカランとドアを開けると、その、教えてくれたお客様の梟さんが居ました。 「おやぁ、いらっしゃいませ。今日は何をお探しですか?」 「梟さん?! 僕、梟さんは和菓子屋さんかと思ってました!」 梟さ
「どうしよう、疲れちゃった…。でも僕が頑張ったことは、喜んでくれてるし、またよろしく、なんて言われたら嬉しい。でも…なんだか、疲れちゃった。」 泣き出したナマケモノに、ニライカナイのオーナーは温かいチャイを渡して言いました。 疲れるなんてみんなあること。でも泣くほどなら、休むことが最優先。涙が出てしまうほど、身体も心も疲れてカラカラなものなんだよ? 「休んだら…また始めるのは大変だって聞いたことがあるの。それは怖いことだよ…続けるか、やめるか、二択しかないの?」