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新人看護師の休職①

学生時代、うつ病の診断で通院していた期間があった。
社会人となり不安や緊張からか、焦燥感がひどく眠れない日が続き、4月半ば心療内科を受診。前服用していた薬を処方してもらっていた。

5/26(金)
朝起きたときから少しおかしかった。頭が全く働いていない感覚。ずっと失神する前のような感覚。
「死にたい」
職場へ向かうため車に乗ると涙が止まらなかった。頓服薬を飲んでいても。
職場についても止まらなかった。着替え終わる頃、なんとか抑えられるようになった。
病棟へ上がり、「今日やばいかも」と思った。カルテの文字が頭に入ってこない。いつもより早く病棟に上がったにも関わらず、必要最低限すら情報を取りきることができなかった。
昼頃、術後バイタル・記事入力中、涙が出てきて止められなかった。思わずペア先輩に声をかけトイレへ逃げた。涙は止まらない。呼吸は荒れて指と顔面が痺れる過呼吸。「患者さんの前に立つのが怖い」そう思った。
その場でなんとか持ち直し、夕方頃。
「お前なんて生きている価値ない」
「お前に看護師は無理だ」
「消えろよ」 「邪魔」
「居るだけで迷惑な無能」
「○ねばいいのに」
そんな声がどこからともなく聞こえてくる気がした。聞こえていないと分かっているのに...
先輩の前で涙が止まらなくなった。思わず「すみません。今日ちょっと変で、」と言い訳をしてしまった。
記録不備、退院準備不備、点滴準備不備、定期薬の確認ミス...... 過去一の指導量。コーチングに上手く答えられず、脳内はいろんな感情が一気に渦巻いてパニック。
涙は止められないし、声もうまく出せない。

最後に言われた。
「人に興味ないの?」 「そんな看護されたらどう?怖いね。」
図星。謝るしかできなかった。

20時半頃帰宅し、玄関で泣き崩れ、そのまま眠っていた。

5/27(土)
起きたら玄関。床で寝たせいか溜まった疲れのせいかとても怠く、スマホで時間をみるのがやっとだった。
時間は13時。
涙が止まらない。昨日の昼食から水分も食事も取っていないのに。
いろんな方向から監視されている気がする。
自分を否定する声が聞こえる気がする。
怖い。ただただ怖い。全部が怖い。
生きていることが気持ち悪い。消えたい。○にたい。○してほしい。
ずっとずっとぐちゃぐちゃな感情。
音は全部気分が悪いけど、声が聞こえなくなればと思ってYouTubeをつけっぱなしにした。
眠前薬+眠剤+頓服薬で日付が変わる頃に眠気が来た。

5/28(日)
朝目が覚めて、昼過ぎまで動けなかった。つけっぱなしのYouTubeを聞き流し、体は鉛のように動かずベッドから見える時計の秒針を眺めて過ごした。
昼過ぎ起き上がることができた。
食欲はないのにお腹は鳴っていて、うどんを押し込んだ。
動けない。声が聞こえる。監視されている。
夜、金曜の振り返り、指導を受けた点を最低限(普通の人の最低限にも満たない)まとめ、薬を飲んで、被害妄想と焦燥感に耐えながら眠った。

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