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看護薬理学

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【医療・介護関係者向け】看護学校での薬理学授業の参考資料として作成したものです。 実際に医療現場で活用するには、もう一歩、各薬剤について踏み込む必要がありますが、あくまでも、導入…
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#交感神経

6-4 自律神経系に作用する薬の副作用機序

自律神経系に作用する薬の副作用機序を見ていく。 作用すべき臓器以外で作用することが、副作用につながる β 受容体作動薬以下の薬理作用を目的として使った場合 気管支:β2 受容体を刺激して、気管支平滑筋を弛緩させることで、気管支を拡張させ、呼吸を楽にさせるため、喘息・COPD に対して使用される。 他の臓器での作用が、目的外の作用(副作用)につながる可能性がある 心臓:心臓を刺激するため、動悸・頻脈・不整脈が起こる可能性がある 消化管:消化管運動を抑制し、胃部不快感な

6-3 自律神経系に作用する薬

ここでは、薬効別にどのような薬理作用を発揮するのかを見ていきます。どんな治療薬として使われるのか、を主眼に見ていきます。 前回とは、区切り方を分けただけなので、内容は重複しています。(ので、飛ばしても大丈夫です。理解しやすい方で) 交感神経作動薬=アドレナリン作動薬 心臓:β1 受容体を刺激し、心臓の働きを強くする。強心薬などとして使われる。 気管支:β2 受容体を刺激し、気管支平滑筋を弛緩させ、気管支を広げる。喘息や COPD など、閉塞性肺疾患に使われる。 膀胱:

6-2 自律神経系による臓器の調節

臓器ごとに、自律神経系でどのように調節されているのかを見ていきましょう 心臓交感神経の受容体として、心臓には β1 受容体が存在する。交感神経が β1 受容体を刺激すると、心臓の動きが促進される。 心臓に作用する薬では、交感神経系に関する薬が中心である。 ・交感神経を刺激する薬  =アドレナリン作動薬  ・・・β作動薬 心収縮力を増強させ、心拍数を増加させるため、 徐脈や心停止に対して、心臓を動かすために使う (例)アドレナリン・・・心停止に対して、救急で使う薬 ・交

6-1 末梢神経系

神経系神経細胞が集合した組織を神経系といい、中枢神経系と末梢神経系に大別できる。 ・中枢神経系:脳と脊髄からなる ・末梢神経系:末梢の各機関と中枢神経系を結ぶ役割を果たしている 末梢神経系は、自律神経と体性神経に分けられる。 自律神経は、無意識的に働き、呼吸・循環・体温・消化など、生命活動の維持に関わっている。 さらに、自律神経は、主にアクセルの役割を果たす交感神経と、 主にブレーキの役割を果たす副交感神経からなる。 体性神経は、感覚神経と運動神経からなる。 感覚神経