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【眠れない。外に出られない】適応障害で辛い人に伝えたいこと

大丈夫。そういう経験をしたあなたは強い。

まずはそう言わせて欲しい。

今では普通に働けている僕にも眠れない夜があった。外出できない朝があった。なにも食べられない日があった。

もう二度と経験はしたくない。
でも、あの経験が僕を強くした。

そうはっきり言える。

だから、今まさ適応障害で辛い経験をしてくれている人に向けて、ほんの少しでも前を向ける記事を書いていく。

夜も朝も怖かった

適応障害になった後の自分は、まるで別人のようだった。

まず、夜眠れない。

22時には眠くなって、朝6時前には目が覚める。
そんな小学生のような生活を送っていた自分が、24時越えが当たり前になった。

むしろ夜が深くなるほど目は冴えていって、「寝なきゃ……。寝なきゃ……。」と思うほど脳が覚醒していくのを感じた。

もしかしたら仲間がいるかもしれない。

そう思って、東京の夜をひたすら歩いたこともある。

でも自分の視界に入るのは煌々と光るスカイツリー、ローソンの看板、車の光だけで、26時過ぎの東京には無機質しかなかった。

「こんな辛い経験をしているのはお前だけ。」

街全体にそう言われているようで、眠れない夜がますます嫌いになった。

夜が明けて、朝を迎えるのも怖かった。

ベランダから下を見れば、スーツを着たサラリーマンやOLが会社へ向かっている。

彼らからすれば、いつもと変わらない”当たり前”の朝なのだろう。

でもそんな当たり前なことすらできない自分が嫌で仕方なかった。

「お前、働きもしないで何してるの?」

日中に散歩に出ても、どこかからそう言われているような気がして、そのうち外出も怖くなった。

気持ちの良いくらい快晴の日ほど心が沈んでいく感覚は、後にも先にもこのときしかない。

眠れない夜と外に出られない朝。

そんな日々が1ヶ月くらい続いたと思う。

このときは何をしても楽しめず、何をしても気持ちが晴れず、辛い日々をじっと耐え忍ぶしか手段がなかった。

しかし、次第に心に余白が生まれるようになった。

具体的に何かをしたわけじゃない。
心が辛さに慣れたか、辛さを感じるのに飽きたのか。

徐々に、「これからどうするか?」と未来に目を向けられるようになり、転職活動を始めることができた。

あの朝と夜が今の自分を強くしている

今の僕はといえば、住み慣れた地元でそれなりに楽しく働いている。

転職した直後あるあるの社内のお客様待遇も終わりつつあり、任される仕事もだんだんと増えてきた。
そこにやりがいも感じている。

もちろん、やりがいや楽しさだけじゃない。
注意されたり、心無い言葉にへこんだりすることもある。

でも、だ。

あの夜と朝に比べれば全然大したことない。

そう、はっきり言える。

夜は眠れるし、朝は周りの人と同じように電車に揺られて出勤している。

幸せの基準は下がった

たとえば、朝ご飯を当たり前のように食べられること。

たとえば、仕事上の関係だけれど毎日誰かしらと話せること。

たとえば、「今日も良い1日だった」と思いながら眠りにつくこと。

そんな当たり前のことが、当たり前にできることに、幸せを感じるようになった。

それは当たり前ができなくなる”悲しさ”を知っているからだと思う。

辛さの基準は上がった

たとえば、仕事のちょっとしたミスで自分が嫌になること。

たとえば、ちょっとしたミスが意外と大事で先輩方に注意されること。

たとえば、心ない言葉が胸に突き刺さって針がなかなか抜けないこと。

もちろん辛い。できれば体験したくない。

でもこの程度の辛さならまだ大丈夫と、自信を持って言えるようになった。

それは本当に辛いものがなにかを、あのときの東京が教えてくれたからだと思う。

その経験があなたを強くする

「適応障害を経験したほうが良いのか?」と聞かれれば、
「経験しないに越したことはない」と絶対に答える。

でも、「適応障害に意味があったか?」と聞かれれば、
「意味のある経験だった」と胸を張って答えられる。

それは先にも書いたとおり、幸せの基準は下がり、辛さの基準は上がったからだ。

適応障害になった。
その事実を変えることはできないし、あの辛さはもう経験したくない。

きっとこれを読んでいるあなたは、「止まない雨はない」とか、「明けない夜はない」とか、そんな前向きな言葉を言われても響かないだろう。

あの辛さは理屈じゃない。

その気持ちはよくわかる。痛いほどわかる。

でも、僕がそうだったように。

その経験にはきっと意味がある。
そしてそれを乗り越えた先では、きっとあなたの人としての深みは一段も二段も増している。

僕はそう信じてる。

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