見出し画像

偉大なる日本人指揮者の系譜6(や)

いつもの悪い癖でシリーズものを書いておきながら放り出していた😅

昔の記事にいいねくださった方がいたので、続きを書きます。今回で終わりです。

矢崎彦太郎

フランス音楽に精通

シティフィルの首席客演指揮者時代に「フランス音楽の彩と翳」というシリーズをされていた。
そのときは聴くことができず、ようやく今年アマオケの最高峰ともいえる新交響楽団で聴くことができた。
プログラムはメンデルスゾーンの交響曲第3番「スコットランド」、プーランクの組曲「牝鹿」、ビゼーの「アルルの女」第1組曲・第2組曲より、である。

前半の「スコットランド」が素晴らしかった。一生忘れないだろう名演だった。
後半は人数が増えて全体のレベルが下がったように感じたので、前半は選抜メンバーかと思ったのだがそうではないらしい。
冒頭からフルトヴェングラー並みの濃厚な感情表現。デモーニッシュというのか。ドイツのオケ?と思うほど、どっしりと中身の詰まった音がした。
矢崎さんの指揮はとても明瞭ではあるが、要求水準は高いんだろうなと感じた。
プロオケでも聴いてみたい指揮者である。

山田和樹

日本のエース

小澤征爾を除けば、来年度からバーミンガム市交響楽団の首席指揮者兼アーティスティックアドバイザーを務める山田和樹が現在日本人指揮者の最高峰ではないだろうか(佐渡裕も大野和士も一流オケとは言いがたい)。

これから聴く機会が増えると思うが、実演に接したのはおそらく1回だけ。
正指揮者を務める日本フィルとのエルガーの交響曲第1番。
調べたら前半は柴田南雄の「コンソート・オブ・オーケストラ」とR.シュトラウスの「4つの最後の歌」だった(すっかり忘れていた)。
エルガーの第1番は好きな曲なので山田和樹の真価がわかると思って行ったのだが、特別印象に残っていない。
いつもはP席で聴くが、このときは1階後方の屋根がある場所だったので、音を遠く感じたのかもしれない。
ちなみに藤岡幸夫/シティ・フィルでこの曲を聴いたときは、オペラシティではハコが小さすぎたのか音が飽和状態になり、最後の方なんかカオスになっていた。

山田和樹は読響でも首席客演指揮者を務めているので、海外での活動を優先するために日本フィルのポストは辞めたらなんていう口の悪いファンもいる。
いろいろ義理堅い人なのかなぁと思う。親交のある原田慶太楼、鈴木優人に加えて藤岡幸夫らと作曲家に委嘱するプロジェクトを立ち上げたこともある。
日本の昔の作曲家も積極的に取り上げている。
聴き慣れた名曲を指揮して終わりではなく、クラシック音楽文化の未来を長く見据えている人だと思う。

最後に

こうやって振り返って書いてみると、まだ聴けてない指揮者が大勢いる。

秋山和慶、小泉和裕ですら聴けてないもんなぁ😅

他に気になっている未聴指揮者を五十音順に挙げると…

阿部加奈子、円光寺雅彦、太田弦、長田雅人、児玉宏、齋藤友香理、坂入健司郎、反田恭平(指揮者として)、角田鋼亮、外山雄三、新田ユリ、原田慶太楼、原田幸一郎、久石譲、本名徹次、松本宗利音、三ツ橋敬子、八嶋恵利奈、山下一史、湯浅卓雄、など。

八嶋恵利奈と阿部加奈子は海外で売れっ子みたいなので、ぜひ聴いてみたい。

石丸寛、山田一雄は世代的に厳しかった。
若杉弘は聴けるチャンスがあったのに逃してしまった(彼が芸術監督として手がけた新国立劇場の「ヴォツェック」を買ったが、公演直前に急逝してしまった)。

新しいもの好き、未経験もの好きなので、今後もいろんなアーティストを聴いていきたいものです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?