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私の演劇の記憶

今日は毛色を変えてお芝居の話。

私はクラシックだけでなく他の芸術も大好きなんです。
クラシックの最初は宇野功芳指揮のベト7でしたが、芝居の最初は美輪明宏の「黒蜥蜴」。

美輪さんの代表作なのは知ってて、気になって観に行きました。
17歳のとき。今はなくなった渋谷の青山劇場です。

このときの明智小五郎は名高達郎!

渋かった!😂

この公演以降は高嶋政宏になりました。
高嶋さんは美輪さんへのリスペクトが強すぎて、対等な雰囲気ではなくなってしまいましたね。
美輪さんお気に入りの木村彰吾さんもまったく私の好みではありませんでした。

以降、美輪さんのレパートリーはすべて観ました。再演も観たので複数回観た演目もあります。
音楽会もトークショーも行って、本もいろいろ読みました。
美輪チルドレンです😅

美輪さんはマルチ芸術家なので、当時は主演・演出・脚本・美術・振付・音響・照明、何でもやってました。
美輪さんの舞台は美輪明宏の美意識の結晶だったのです。

クラシック音楽もよく使ってました。
「黒蜥蜴」では、黒蜥蜴のアジトが迫り上がってくるシーンでオルフの「カルミナ・ブラーナ」。鳥肌立ちました。

三島由紀夫の「近代能楽集」では武満徹の「ノヴェンバー・ステップス」、「双頭の鷲」(だったかな?)ではドヴォルザークの「スラブ舞曲第8番」、「椿姫」(だったかな?)ではハチャトゥリアンの「仮面舞踏会」。
どれもピタリとハマってました(「毛皮のマリー」でモー娘。の「LOVEマシーン」を選曲したのは別の方でした。びっくり😅)

さて、美輪明宏と同時期にハマっていたのが蜷川幸雄。
最初に観たのは藤原竜也のデビュー作「身毒丸」。
こちらもメディアで話題になってました。イギリス公演の凱旋で、シアターコクーンで上演されました。

当時、白石加代子さんも知らなかったので、ほんとに演劇の世界に足を踏み入れたばかりでした。
蜷川幸雄と平幹二朗の和解の舞台「王女メディア」は仕事で行けませんでした。

当時私は新聞配達をして暮らしていました。
17歳でしたが手取りで月20万くらいもらっていて、賄い付きの寮で暮らしていたので、「遊ぶ金」はたくさんあったのです😁

蜷川さんの舞台は十数本観たかなぁ。
ベニサン・ピットの「待つ」シリーズも2回観ました。

印象に残ってるのは、シェイクスピアなら吉田鋼太郎の「タイタス・アンドロニカス」。
血なまぐさい復讐劇ですが、シェイクスピアはマイナーな作品も面白いんだなと思いました。
平幹二朗の「リア王」はさすがの貫禄でしたし、「ロミオとジュリエット」の藤原竜也と鈴木杏のキスシーンは双眼鏡で見ていて震えました。

チェーホフもよかったです。筒井康隆が作家役で出たスタジオコクーンでの「かもめ」。
高橋洋のトレープレフ、宮本裕子のニーナのコンビが最高でした。
そのあと観た栗山民也版の藤原竜也&美波よりよかったですね。

秋元松代の「元禄港歌」も感動ものだった。平幹二朗と富司純子です。

代表作の「NINAGAWAマクベス」は川口で観ました。
北大路欣也と栗原小巻。有名な妹尾河童の仏壇セットです。
仏壇の扉を開けたらマクベスの舞台が始まるのです。天才の発想ですね。

このあとは唐沢寿明と大竹しのぶで新演出の「マクベス」になり、その後市村正親で「NINAGAWAマクベス」が復活しましたが、私は市村さんどうも苦手なので、北大路さんで観れてよかったです。

蜷川さんは「海辺のカフカ」あたりから観なくなってしまいました。平幹二朗との「リア王」が多分最後です。
晩年の蜷川さんを観なかったのは勿体なかったです。

「リア王」は新国立劇場の柿落としで、山﨑努でも観ました。
『俳優のノート』に書かれてますが、このとき共演者とのやりとりで嫌な思いをしたらしく、以降は舞台はやめて映画やドラマでの活躍となりました。

他に好きな俳優でいえば、仲代達矢は無名塾の「いのちぼうにふろう物語」。
亡くなった奥様の隆巴さんの脚本です(原作は山本周五郎)。

民藝の看板女優・奈良岡朋子とやった「ドライビング・ミス・デイジー」もよかった。
映画ではジェシカ・タンディとモーガン・フリーマンでしたね。

江守徹の「シラノ・ド・ベルジュラック」は脳梗塞から復帰された後とは思えない名調子の台詞回し。
江守さんは朗読もいいです。中島敦の朗読CDなんか世界文化遺産レベルです笑

平幹二朗の「シラノ」もよかった。終演後、ロビーに演出の鵜山仁さんがいたので「平さんと握手したい」と直訴して、ロビーに出てきた平さんと握手させてもらえました。

平さんって背高いんですよね。180cmくらい? びっくりしました笑

「シラノ」を翻案した島田正吾の「白野弁十郎」も観たし、大滝秀治の民藝「審判」(木下順二)も観ました。
伝説の名優たちを生で観れてよかったです。

山本學はさだまさし原作の「解夏」(明治座)で観ました。
宮本信子、石田ゆり子との共演で、3人とも大好きなので贅沢な舞台でした。

高畑充希のライフワーク「奇跡の人」は木南晴夏のサリバン先生で。
銀河劇場で号泣してしまい、涙を拭ったハンカチを落としてしまったら親切な方が受付に届けてくれてました笑

やがて小演劇系も観るように。

その架け橋は野田秀樹さんでしたかね。「ザ・キャラクター」「THE BEE」「南へ」「逆鱗」とかを観たのかな?
野田さんってすごく面白いのですが、不思議と内容を思い出せないのですよね。
美輪明宏の人生からアイデアを得た「MIWA」を観逃したのは痛恨でした。

モダンスイマーズ、イキウメ、ペンギンプルペイルパイルズ、庭劇団ペニノ、唐組とか、人気の劇団を順番に観ていきました。

小劇場で一番衝撃的だったのはポツドールの「おしまいのとき」です。

篠原ゆきこさん、今「相棒」にレギュラー出演されてますが、凄い舞台女優なんですよ!笑

人間の暗部を抉るような三浦大輔の世界に痺れました。
ザ・スズナリです。スズナリに行くと自分も演劇ファンになったのかなって思いますね笑

タイニイ・アリスとか、小演劇の聖地もあちこち行きました。
ちなみに土屋亮一のシベリア少女鉄道です。

少女と言えば、福原充則の「墓場・女子高生」の安藤聖はかわいくて魅力的でしたね。

野外劇も観ました。
岸田戯曲賞を取った飴屋法水の「ブルーシート」は小学校の校庭で。

宮藤官九郎脚本のねずみの三銃士「万獣こわい」は恐ろしい話でした。
実際にあった北九州連続監禁殺人事件をベースにしています。

当時、夏帆さんの大ファンだったので観に行きました。怖〜いお話で痺れました。

世田谷パブリックシアターの「春琴」(サイモン・マクバーニー演出)は深津絵里の主演。
外国人演出家もいいですね。デヴィット・ルヴォーは多分観れてないです。

三宅健がゲイ役をやった「ラブリーベイベー」を観に東京グローブ座に行ったら女性ばかりで完全アウェーでしたが、観に行ってよかったです。
三宅くんのゲイ演技は自然体で素晴らしいです。ドラマでもゲイを演じてますね。

黒柳徹子の「マスタークラス」はマリア・カラス役。
キュリー夫人役の芝居も観ました。

こうして振り返ると結構な数観てますね笑

最近だと以前から気になってたマームとジプシーを観ましたが、私にはつまらなかったです。
劇団の代名詞である反復演出がその芝居においてうまくいってると思えなかったのです。

演劇はドラマや映画と違ってアングルが固定されないから台詞を受けている人の芝居も堪能できるし、何より場の緊張感は格別です。

演劇に「敷居の高さ」を感じてる方はぜひ気軽に足を運んでほしいなと思います。

この記事は記憶を頼りにして書いてほとんど調べてないので、もしかしたら記憶違いもあるかもしれません。
いつもはミスがないように調べますが、今回は「演劇の記憶」ということで、記憶違いも含めて楽しんでいただけたら嬉しいです。

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