「若者が政治に関心を持った結果」


都知事選で小池は予想通り手堅く当選した。問題は次点になった石丸伸二だ。石丸を支持したのは、若年の無党派層だった。これまで政権に反対する人々はいつもいつも、「若者が政治に関心を持たないからだ」と主張してきた。しかしその若者が政治に関心を持って投票すると、こういう人物に支持が集まるということが明確になった。

明らかに石丸は、社会で不利な立場に置かれている、しかし不満をどこにぶつけたら良いかがわかっていない若年層をターゲットにした。。こういう層を一発で惹きつける発言を連呼した。当然それらはそうした「ターゲット」以外の人々からは嫌悪されたが、そんなことは石丸にとって問題ではなかった。石丸はこれまで「政治に関心を持たない」とされている若者たちをどうやったら惹きつけることができるか、そこだけに照準を絞ったのだ。

世論調査でれいわ支持と答えた人の3割が石丸に投票する意向を示していた。つまり、石丸伸ニと山本太郎とは、熱狂させる対象が被る。石丸がターゲットにした、社会的に不利な立場におり、それに不満を感じてはいるがどうしたら良いかわからないという若年層は、石丸伸二のYouTubeにも山本太郎の演説にも熱狂する。無論両者の政策、主張は全く異なるのだが、これらの人々が求めるものは具体的な政策ではなく「なんとなく俺たちを熱狂させてくれるもの」だ。そして二人とも、そういう能力に長けている。

「日本の政治が変わらないのは若者が政治に参加しないからだ」と主張し続けていた爺婆には、良い薬になっただろう。

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