自公政権崩壊の先を考える

自民党政権の終わりが近いことは、ほぼ識者の共通認識になりつつある。その後を考えるべき時だ。



ある人が、ソビエト崩壊時のロシアのようなことは困るから、ソフトランディンして欲しいと言った。しかしソフトランディングしてはならないと私は考えている。なぜならソフトランディンとは、今の日本の場合「米国支配下の体制を維持する」という事だからだ。そして米国支配を除かない限り、政権交代は何も生まないという事こそ、我々が民主党政権から学んだ教訓では無かったか。



あのとき、まさにアメリカ支配に関わる問題が問われた。普天間だ。鳩山首相は民主党が政権を取れば普天間移転を「少なくとも県外」に出来ると言ったが、出来なかった。最重要公約が潰れたことで民主党の支持は一気に下がり、鳩山首相は鳩ぽっぽどころか宇宙人とまで酷評されたが、我々があのとき気がつかなければならなかった一番重要なことは、民主党がダメなことでは無く、「米国支配下ではいくら国内政権が交代しても何も進まない」という事だったはずだ。そこから目を背けて民主党を叩いたのは、今から見れば愚かであった。



では米国支配を如何に脱することが出来るか。それは少なくともソフトランディングでは無い。何故なら日本には強大な米軍が駐留し、かつ自衛隊をも指揮下に収めているのだから、紳士的にアメリカが日本支配を止めるという可能性は無い。犠牲の血が流れるのを、それも大量の人々、数万、数十万という人々が殺されることを覚悟せねばならぬ。そのことこそ、我々は鳩山氏の失敗から学ぶべきであった。



米国通を自称する鳩山首相が訪米していくら紳士的に普天間基地を撤収してくれないか、沖縄県外に移ってくれないかと頼んでも、アメリカはゼロ回答をしたのだ。アメリカが紳士的に日本支配を諦めないという事が明らかな以上、アメリカ支配を脱するには紳士的では無い方法、暴力、武力を持って、多大な人々が死ぬという犠牲を払ってことを為す他に無い。その一人は私かもしれないし、あなたかもしれない。我々は米軍に殺されるだけで無く、米軍指揮下の自衛隊に殺されるかもしれない。日本人同士が殺し合うことになるだろう。だがそれはいやだと言うのであれば、今自民党が瓦解しても、また民主党の二の舞になるだけだ。あの轍を踏みたくなければ、犠牲を払うしか無いのだ。夥しい犠牲を払ってでもアメリカ支配下から脱しなければ、日本の未来など無い。具体策の前に、我々は「米国支配の体制から脱する」という覚悟を固めなければならない。

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