教える技術ヘッダ

2年間にわたって取り組んできた自分の研究を10分間で伝えることで期待できる3つのこと。

2017年1月17日

(火曜日は「教えること/研究すること」のトピックで書いています)

卒業論文や修士論文を仕上げる季節となりました。私のゼミでも全員が首尾よく論文を仕上げることができました。

このあとは研究発表会で自分の研究をプレゼンする仕事が残っています。これが大切なのですね。

2年間にわたって取り組んできた自分の研究を10分間で伝えること。そのことで期待できることは、次の3つです。

1. 自分が取り組んできたアイデアが整理できる。
2. そのことによってこれから取り組むべき新しいアイデアを思いつく。
3. 同じ領域で研究成果をあげようとする仲間を見つけることができる。

簡単に説明します。

1. 10分間で自分がやってきたことをまとめるためには何が最も大きなアイデアだったのかということを絞らなくてはなりません。「あれもやりました。これもやりました。いろんなことがわかりました」という発表は意味がありません。

聴衆が知りたいことは「何が革新的なアイデアであり、それがどのように検証されたのかということ」それだけなのです。それを絞りましょう。それがあなたの長い期間にわたる研究を「振り返る」ことになるのです。

2. そのようにして自分の研究を振り返ると、そこから新しいアイデアを見つけることになるでしょう。重要なアイデアは、次々とアイデアを生み出すものです。

もし「もうこのアイデアは展開できないし、応用もできない」と感じたのであれば、それに見切りをつけて次のアイデアを見つけに行きましょう。それがわかっただけでも収穫です。

3. 自分の研究を発表すると、「私もそのことに興味を持っているんです」と言ってくる人が必ず現れます。同じ領域で研究する人を大切にしましょう。そういった人たちはライバルというよりは研究仲間なのです。

研究は1人ではできません。自分が耕すべき領域を見つけたら同志を募ってみんなで耕すべきです。そうやって人類は進歩してきたのです。そうした人たちと仲間になりましょう。研究上の情報交換を活発に行って、協力し合いましょう。そうやって自分自身も成長していき、同時に自分が大切にしている研究領域全体が進歩していくのです。

以上のことは学会発表や研究会の発表でも同じことです。いつでもこうしたことを念頭に置いて発表すれば、たくさんの収穫があることでしょう。

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