手加減しないことの意味。
火曜日は「教えること/研究すること」のトピックで書いています。
前回はテニスコーチの「構造化された教え方」について書きました。今回は「手加減しないことの意味」について書きたいと思います。
そのコーチはよく言います。「初級段階を終えたみなさんは、中級なので次の段階に入っていくべきです」と。
初級の段階では、教え方の鉄則があります。それはスモールステップと即時フィードバックです。これは何を教えるのでも変わらないルールです。初級段階では、できるだけハードルを下げて、つまづきをなくすこと。そして、練習をたくさんさせて、フィードバックすることによって、良い行動の頻度を上げていくことです。
こうして初級段階では、基本的な行動パターンを確実に身につけることが目標となります。たくさん練習をして即時フィードバックすることによって、スキルを身につけ、ほぼ自動的に体が動くようにするのです。自動的にというのは考えなくても、その行動ができるということです。
いちいち考えなくても自動的に動くようになっている人は、あらゆる点で効率が良くなります。これはテニスに限りません。こちらが何か話を始めたら、すぐに集中し、ノートを取る態勢になっている人は、その行動が自動化されているからこそ美しく効率的なのです。
さて、初級段階を終えたとき、何か教え方を変えるべきでしょうか。
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