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(154) イアン・パーカー『ラディカル質的心理学―アクションリサーチ入門』:(3) インタビューとナラティヴ

2021年9月19日(日)

イアン・パーカー『ラディカル質的心理学―アクションリサーチ入門』を紹介しています。前回の記事では、アクションリサーチの方法としてエスノグラフィを取り上げました。今回は、インタビューとナラティヴについて取り上げます(言説分析と精神分析については省略します)。この本の紹介は今回で最終回となります。

・インタビュー

インタビューから本当に役立つ構造を発見するためには、カオスからことを始めなくてはなりません。インタビュイー個人にのみ関心を向けるのではなく、その語りが何らかの文脈に沿って、あるいは、文脈に抗して語られたものとして捉え直すことです。言い換えれば、インタビューとは、研究者(インタビュワー)の関心事と、共同研究者(インタビュイー)の関心事の矛盾を解き明かすプロセスです。

インタビュー実践の鍵となるのは次の5つの概念です。

(1) 準拠枠:インタビューを設定するまでの段取りや経緯自体が1つの準拠枠として作用します。インタビューの前に相手としばらく一緒に時間を過ごして、インタビューの背景となる人生の諸相やテーマになりそうなことを記録しておくことです。

(2) テーマ:インタビューの受け手もまたなんらかの期待を持っている共同研究者です。ですので、インタビューのテーマや課題は事前に交渉しておくべきですし、実際のインタビュー場面でテーマがどう変わっていくかについて注意を払います。

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