4-お勧めの本

【本】ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史(上)』→文脈を飛び移るジェットコースターの感覚

木曜日はお勧めの本を紹介しています。

ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史(上)』(河出書房新社, 2016)

■要約

人類は、7万年前に虚構の言語を獲得したことによって認知革命を起こし、伝説や神話などの架空のことについて語る能力を得た。虚構のおかげで集団でそれを信じ、そのことによって集団で協力する力を得た。1万年前に農業革命が起こる前の長い時代は、狩猟採集民として暮らしていた。人類の社会的・心理的特徴は、狩猟採集民の時代に形成された。小麦、稲、ジャガイモなどの農耕は定住化を促し、人類が逆に家畜化されたともいえる。農業革命以降、神話と虚構のおかげで特定の規則を守ることを習慣づけられた人類は、人工的な本能を身につけ、知らない人同士が効果的に協力できるようになった。これを文化という。

■感想

この本が面白く、すみずみまで読んでしまうのは、長大な時間軸を飛び回って自分とこの世界を見直すことができるからだろう。まさに「文脈を飛び移る」感覚がジェットコースターに乗っているような興奮を引き起こす。

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