3-コラム用

強度×時間×頻度の介入モデル。

水曜日はフリーテーマで書いています。今回は「強度×時間×頻度の介入モデル」について書きます。

私たちが何かを練習したり、トレーニングしたり、勉強したりすることは、その行動の強度と頻度と時間によって特徴づけることができます。たとえば、散歩は「低強度・短時間」の運動ですが、「低強度・長時間」であればウォーキングになり、逆に「高強度・短時間」であればダッシュになり、「高強度・長時間」であればマラソンという形態になります。さらに、これに頻度の次元が加わります。毎日やるのか、週一回なのか、月一回なのか、年一回なのかということです。

これを図に描いてみると次のようになります。これを「強度×時間×頻度の介入モデル」と名付けておきます。

介入というのは、相手に対してなんらかの働きかけを行うことです。もちろん自分で決めて自分で実行してもいいのですが、この場合も、自分自身に対する「介入」として扱うことができます。介入の種類はさまざまです。運動技能のトレーニングや、勉強という形の認知技能の訓練、態度を変容させることなど広範囲に及びます。

そうすると、ある特定の種類のトレーニングを行うときに、どのような強度・時間・頻度で行うのが最も効果的かという研究課題が設定できます。これはトレーニングを受ける人と、トレーニングを実施介入する側のさまざまなコストや条件によって決まってくるでしょう。たとえば、ウォーキングは毎日はできないけれど、週2回ならできる、などの条件です。また、大学の授業時間を延ばして総回数を減らしたり、週2回にして実施期間を短くしたりするのは、最適なトレーニング形態を探すための試みであると考えられます。

このように考えると、トレーニングはもっと多様な形態があってもよいでしょう。それを試していくことによって、トレーニングの内容にあった最適な方法が見出されていくでしょう。また、低強度・短時間のトレーニングを毎日行い、それに月一回の高強度・長時間のトレーニングを組み合わせるなど、複数のトレーニング形態の組み合わせも可能性に満ちています。

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