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【アドラーオンライン】11 自尊心を守るために自己防衛する

月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています。しばらくアドラーオンラインの内容で書いています。ビデオと質疑応答で学ぶ「アドラーオンライン(note版)」もお試しください。現在ここで連載しているアドラー心理学の記事もまとめて読むことができます。

前回は、自尊心は3つの方法で作られることを言いました。1つ目は、他者との比較です。2つ目は、他者から評価されることです。1つ目と2つ目の方法の共通点は、いずれも他者が関わっていることです。これをまとめて「随伴的な自尊心」と呼びます。他者との関わりに「随伴して」維持される自尊心だからです。これらに対して、3つ目の方法は「自分らしくあるかどうか」という自己評価によるものです。これを「本来の自尊心」と呼びます。これが随伴的な自尊心と違っていることは、他者を基準にしないで、自分が作り上げた自己理想を基準としている点です。

人は社会の中に生きている限り、比較や競争にさらされます。そして比較や競争によって作られた随伴的な自尊心は、たえず脅かされることになります。自尊心が脅かされることは、辛い感覚ですので、それを守ろうとします。その方法はたくさんあります。「上から目線」や「マウンティング」などの態度はそのひとつでしょう。自分が下に見られたくないから、先に上から目線をとったり、マウンティング行動をとるのです。まさに私たちは「着飾った類人猿」です。相手との上下関係をはっきりさせないと落ち着かないようです。

自尊心を守り、ひいては自分を守ろうとすることを「自己防衛 Safegurading」と呼びます。自己防衛の典型的な行動には以下のようなものがあります。

・行動や挑戦を避ける (Avoid)
・不安になったり、躊躇したりする (Hesitate)

行動することや挑戦を避ければ、失敗することもなくなります。したがって自己を守れます。不安になったり、躊躇したり、緊張するのも、失敗したときの原因をそこに持っていくことができます。結果として自己を守ることができるのです。「私が失敗しても何の問題もない」と心から思っていれば、不安も、躊躇も、緊張も不要です。

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