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【アドラー教科書】(5) 21世紀のアドラー心理学の教科書の構成

2024年5月14日(火)

火曜日は『アドラー心理学の教科書』の記事を連載しています。

ここまで、アドラー心理学の入門書の構成をいくつか示しながら、その特徴を紹介してきました。それを踏まえて、21世紀のアドラー心理学の教科書を書くとしたら、どんな構成が考えられるでしょうか。以下に私のアイデアを提示してみました。

  • 1) イントロ:よく生きるための科学

  • 第1部:ライフスタイル(自己覚知)

    • 2) ライフスタイルの形成、所属、劣等感

    • 3) ライフスタイル類型、家族布置

    • 4) 早期回想によるライフスタイルの推定

    • 5) ライフスタイルの実践

  • 第2部:感情と信念

    • 6) 感情と仮想的目標

    • 7) 信念と価値判断

    • 8) 私的感覚から共通感覚へ

    • 9) 共同体感覚

  • 第3部:ライフタスク(社会的覚知)

    • 10) ライフタスクとは

    • 11) 仕事とキャリア

    • 12) 交友と愛のタスク

    • 13) 教育と育児

  • 14) まとめ:勇気から行動へ

全体を3部構成として、それぞれ、ライフスタイル(自己覚知)、感情と信念、ライフタスク(社会的覚知)を扱います。自己覚知と社会覚知は、Collaborative for Academic, Social, and Emotional Learning(CASEL)(2013)が提案する社会情動スキル(Social and Emotional Learning, SEL)の5つのコア・コンピテンスに対応しています。5つのコンピテンスとは、⾃⼰覚知、⾃⼰制御、社会的覚知、関係形成スキル、責任ある意思決定です。

つまり、この構成はアドラー心理学を土台とした社会情動スキルのテキストともいえます。

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