0-日心特集

【日本心理学会大会特集】心と態度の自己訓練としてのマインドフルネス瞑想。

日本心理学会第81回大会が、9月20〜22日に久留米市で開かれました。そこでのシンポジウムを聞いて仕入れた話題について私の考えを交えて、特集でお届けします。次のような話題を順番に取り上げていきます。
 (1) 職場のストレスをどうするか
 (2) ポジティブ感情の働き【省略】
 (3) 生涯学 脳は老化しない
 (4) 感情労働と感情制御研究
 (5) 心の訓練としてのマインドフルネス瞑想
 (6) 個性記述的パーソナリティ研究法としてのKellyのレプテスト(RCRT)

今回は「(5) 心の訓練としてのマインドフルネス瞑想」という話題を取り上げます。

Googleなどのアメリカの企業がマインドフルネス瞑想を社員のプログラムとして取り入れつつあります。マインドフルネス瞑想は、また、摂食障害、矯正教育、いじめ予防、ターミナルケアなどの領域でも実践的に使われています。

マインドフルネス瞑想とは、自分の心のモードを自分の意思で変えることです。自分が持つ様々な記憶や思考のそれぞれを、判断することなく、意図的に注意をコントロールする行為です。そのことによって心のモードを、「受容 acceptance」「解放 openness」「関心 curiosity」に変えていくことです。

自分の考えや感情は、「心の習慣」となって、自分の注意を常に引きつけようとしています。マインドフルネス瞑想をすることによって、その注意を、たとえば自分の呼吸に集中的に振り向けようとするのです。しかし、それでもなお、ふとした瞬間に心の習慣である考えや感情に注意が向いてしまいます。その時に、そのことに気づき、そこからまた呼吸への注意に戻ってくる。

このようにして注意のコントロールが自在にできるようになることをトレーニングするのがマインドフルネス瞑想です。これは言い換えれば「心の筋力を鍛える」ということです。

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