4-お勧めの本

【本】R. レイヤード、D. M. クラーク『心理療法がひらく未来-エビデンスにもとづく幸福改革』:心理療法を通じて幸せな社会を実現するための指針を提示する。

木曜日はお勧めの本を紹介しています。今回はこの本を取り上げます。

R. レイヤード、D. M. クラーク『心理療法がひらく未来-エビデンスにもとづく幸福改革』(ちとせプレス, 2017)

■要約

身体の疾患は目に見えるが、うつ病や不安障害といった精神疾患は他人の目に見えない。西ヨーロッパ諸国での疾病負荷の38%は精神疾患によるものだ。このように大きな部分を占める精神疾患だが、「隠すべき」というスティグマ(偏見)によって、多くの場合治療されていない。イギリス政府に心理療法アクセス改善政策プログラムをスタートさせた著者らが、精神疾患と心理療法(多くは認知行動療法)に関するエビデンスをまとめ、幸せな社会を実現するための指針を提示する。

■ポイント

イギリスでの有病率は、うつ病が8%、不安障害が8%である。不安障害には、社交不安、パニック障害、強迫性障害、PTSDなどが含まれる。これらの50%は、認知行動療法(CBT)によって回復できる。イギリス政府が心理療法アクセス改善政策プログラムを採用したのも、CBTの治療エビデンスによるところが大きい。

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