システミックなつなぎ目の見えない授業。
火曜日は「教えること/学ぶこと」のトピックで書いています。ここしばらくは「授業」について書いています。
前回は「デモンストレーション授業を受ける立場になって初めて気がつくことがある」と題して、自分が学ぶ立場になって初めて実感できることがあること、そしてそれが自分の授業のやり方を変えていく原動力になることを主張しました。
そうしたデモ授業には、いくつか工夫が埋め込んであります。たとえば、ケラーの「ARCS動機づけモデル」や、パイクの「90/20/8の法則」や、私の「マイクロフォーマット」というような原理です。
「統計学入門」のデモ授業の最初では、データを取って分析し、意思決定をすることが社会の中で重要になっていることからスタートします。受講生が、コーラ会社の社長になったとして、新しい味のコーラを売り出すかどうかを決断しなくてはならないという設定にします。そこで、目隠しテストをして従来品と開発品の飲み比べをしてもらい、データが手に入った。それは「従来品支持が4人、開発品支持が6人」だった。「さてどうする?」というストーリーです。
ここでは、ARCSの中のAttention「新奇な話題で注意をひく」という工夫や、「もしあなたが社長なら」という文脈でRelevance「自分にとっての関連性」を高めています。問題を提示したあとは、4〜6人のグループで話し合って最終的な判断を出してもらうという活動を入れることによって「マイクロフォーマット」の形式を取り入れています。
このようにいくつかの工夫を埋め込んだ形でデモ授業を実演します。そしてそれを体験してもらったあとで、そのデモ授業を受講して気がついたことを、参加者に指摘してもらいます。それをホワイトボード上にメモしたのが次の写真です。
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