アドラー用ヘッダ

「勇気づけ」ってなんなんですか?

(月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています)

勇気づけ(Encouragement)はアドラー心理学のキーワードのひとつです。褒めたり叱ったりすることをやめて、勇気づけをするといいですよ、という主張をします。簡単に言えば、

「賞罰」によって他者をコントロールするのではなく、「勇気づけ」によって協力関係を作りましょう。

ということです。

このようにいうと、「いや、私は褒められるとすごくやる気が出るんです」とか「真剣に叱られて目が覚めたことがあります。その人に感謝しています」と反論する人が出てきます。つまり、褒めたり叱ったりしても勇気づけは可能だという反論です。

この反論に対して、私はこう答えます。

「いや、褒めてもいいですよ。相手が勇気づけられるのであればね。それから、相手が勇気づけられるのであれば、盛大に叱ってもいいですよ」

そうすると、反論した人はキョトンとしたあと、混乱します。「いったい勇気づけってなんなんですか」と。

また、こんなふうに聞いてくる人もいます。「勇気づけはすごくいいと思います。自分の子供や他の人たちを勇気づけするには、どのように言えばいいのでしょうか」。つまり、勇気づけとは「どのように言葉がけをすればいいか」という問題であると考えている人がいます。

このような質問に対して、私はこう答えます。

「勇気づけとはどのような言葉をかけるかという問題ではありません。黙って微笑むだけで、勇気づけできる場合もあります。反対に、どんなに美しい言葉を重ねても、勇気づけできないどころか、反抗されてしまうことがあります」

このようにいうと、相手は「じゃあ、いったい勇気づけするためには、どう言えばいいんですか」と詰め寄ってくることになります。

なかなか難しいですね。

こんなようなわけで、しばらく前から私は勇気づけの「操作的定義」を作り、それにしたがって説明するようにしています。

続きは次週。

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