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2021年12月の記事一覧

趣味判断の第四様式『様態』まとめ

二二 趣味判断において考えられる必然性は普遍的同意の必然性である、これは一種の主観的必然性であるがしかし共通感という前庭のもとでは客観的必然性と見なされる 我々は、或る種の判断によって何か或るものを美と断定し、この種の判断においては、ほかの人達が我々と異なる意見をもつことを許さない、それにも拘らず我々の判断は概念に基づくのではなくて、まったく我々の感情に基づいて行われるのである。そこで我々はこの感情を、個人的感情としてではなく共通的感情〔共通感〕として、かかる判断の根底に置く

趣味判断の第三様式『関係』まとめ

一七 美の理想について 美学的判断の規定根拠は、判断する主観の感情であって、客観の概念ではない。  それだから我々は、趣味の所産の或るものを範例(他者の模範を模倣することによって趣味が習得せられ得るという意味ではなく、独自の能力としての趣味)と見なすのである。  してみるとこういうことが判る、即ちー最高の模範即ち趣味の原型は、各人が自分自身のうちでみずから産出せねばならないようは理念にほかならない、そして彼は他のすべての人の趣味をすら、この理念に従って判定せねばならない、とい

趣味判断の第一様式『性質』まとめ(70〜83頁)

一 趣味判断は美学的判断である 何か或るものが美であるか否かを判断する場合には、その物を認識するために表象を悟性によって客観に関係させることをしないで(※おそらくカントは量概念のことを言っている)構想力によって表象を主観における快・不快の感情に関係させるのである。それだから趣味判断(趣味とは、美を判断する能力である)は認識判断でも論理的判断でもなく、美学的判断(判断の規定根拠が主観的なものでしかあり得ないということ)である。  ※カントは、趣味判断の第一様式として『性質』から

趣味判断の第二様式『分量』まとめ(84-99頁)

六 美とは概念を用いずに普遍的適意の対象として表象されるところのものである 何びとといえども或る対象に関する彼の適意が『一切の関心にかかわりのない』ものであることを意識する限り、彼の適意には同時にすべての人に対する適意の根拠〔普遍性〕が含まれていなければならないという判定に達せざるを得ないからである。  ※あくまでも量的にということか? 七 上述の標徴によって美を快適および善と比較する 快適なものに関しては、各人が各様の趣味をもっているという原則が当てはまる。それだから彼が