趣味判断の第四様式『様態』まとめ

二二 趣味判断において考えられる必然性は普遍的同意の必然性である、これは一種の主観的必然性であるがしかし共通感という前庭のもとでは客観的必然性と見なされる

 我々は、或る種の判断によって何か或るものを美と断定し、この種の判断においては、ほかの人達が我々と異なる意見をもつことを許さない、それにも拘らず我々の判断は概念に基づくのではなくて、まったく我々の感情に基づいて行われるのである。そこで我々はこの感情を、個人的感情としてではなく共通的感情〔共通感〕として、かかる判断の根底に置くのである。
 この共通感はこう言明する、ーおよそすべての人の判断は、我々の判断に合致する『べし』である、と。
 この原理は単なる観念的規範にほかならないが、しかし主観的ー普遍的原理(すべての人にとって必然的な理念)と見なされるのである。

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