花鳥風月 We are MUSICUS! 2023'09.16 松本ALECX

花鳥風月の『アンコールジンジャーエール』で終演。
vo.KazuyaのMC通り、この曲がアンコール代わり。
先日の新宿でのライヴもそうだったらしい。
「是清はアンコールをやらない」がkazuyaの解釈らしい。
物足りない感はない。
むしろ過不足はない。
パーフェクトと言っていい。
こんなに魅入ったライヴもそうない。
箱に通い始めた頃のガキにでも戻ったように立ち尽くし魅入っていた。
機材トラブルも何のその…何事もないかのように演奏される楽曲。
誰もプレイをやめず、トラぶった時によくあるMCでつないで仕切り直しというのも全くない。
弦の切れたギターは別のと取り換えればいい。
調整なしでかき鳴らされる激しい音もまた一興。
だが、ライヴ序盤に取り外していたイヤモニはどうか?
そのまま歌い続けるってどうなのか。
観客がちょっとザワついた瞬間だった。

サポートメンバーは花鳥風月の全曲を作った出口遼をバンマスとした凄腕たち。
新しいシングルの3曲を序盤に据えたセットリスト。
インディーズ時代の1stアルバムよりジャズテイストの増した難曲だ。
この時点で錯覚が起きていた。
ステージ上のメンバーに2次元の花鳥風月の姿が重なって見えていた。
2.5次元の舞台などと違いコスプレもせず髪型も寄せてないというのに何と言う事だ。
【まやかし】が顕現している。
空気の振動たる音による【まやかし】が花鳥風月というのなら、自分のようなロック好きなオタには願ってもない。

この日のライヴはゲームに登場する花鳥風月を再現するべく狙って作られたステージだ。
脳筋ながら実は繊細そうなkazuya(想像です)が、花鳥風月の花井是清になるべく役者のように役作りに没頭したであろう歌にMC(想像です)。
まやかしの上のまやかしに成立したライヴ。
だからと言って観客までまやかしに乗る必要はなく、少なくとも僕はそうだった。
幾らクラウドファンディングに参加しようと、時世の流れとは言えどれだけ待ち焦がれたライヴであれ、つまらなければそれまでの筈だった。
Bamboo社長の存在がそれを許さない(万全を尽くしてくれてファンとして感謝するしかない)が、失礼ながら失敗してくれてもよかった。
花鳥風月が存在しないことの証明になるから。
けれど、kazuyaは是清になってしまった。
ステージ上には鳥居さんの姿もあり、内心「死ぬんじゃねーよ、あんたには女もいるじゃねーか」と舌打ちした。

最高のライヴ。
パーフェクトなバンド。
花井是清率いる花鳥風月は、曰くまやかしだが確かに存在した。
既にバンドメンバーの半数が異世界に旅立ってしまったが、今もゲームの中に存在している。
そのゲームの名は、MUSICUS!














この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?