虹色の糸-3

365にちメートルの糸


気がついたら1年が過ぎていた

去年の2月9日に初めてnoteに投稿してから1年が経ちました。

その日は、長男の合格発表日。
時計の針は午前1時を指しています。そろそろ寝なくては、と歯を磨きながらふと思ったのです。

noteに投稿しよう

それまで、noteは見る専で投稿する予定はなし。だってnoteの街はキラキラしていて、見るだけでも楽しくて、足を踏み入れるには少し勇気がいる場所。

合格発表を前に興奮してたのかもしれません。

今なら投稿できるかも
今日投稿しなかったらずっと見る側だ

初めて押した投稿ボタンの感触。
薄暗いリビングで打ったキーボードの音。
生々しく覚えてます。

書きながら、次の投稿タイトルは「さくらさく」にしよう、なんて思ってました。一つ目の記事も書けてないのに気が早いですね。
同級生が小学生最後の冬休みを満喫してる中、Xmasも正月も返上して勉強した最後のがんばり。試験が終わったあとのやり切ったという長男の笑顔。だから、きっと…という期待が強かったのでしょう。


2時間ほどで書き上げて深呼吸をしながら公開ボタンを押しました。
合格祈願でお賽銭を投げ入れる心境です。ガランガランと鈴の音が鳴ります。

下書きに入っている「さくらさく」の投稿ボタンが押せますように、と願いながら。

初めての投稿にいつスキがついたかは分かりません。まだスマホにnoteアプリは入れてなかったし、合格発表から家に帰ったあともPCを開く気になれなかった。1か月ぶりのゲームを長男が楽しんでいる後ろ姿を見ながら、お昼の日差しが差し込むダイニングでビールを飲みながらボ~っとしていました。

夜、その日何本開けたか分からないビールを飲みながら、一人リビングでnoteを開いたんだと思います。時間は良く覚えてません。前の日と同じ深夜だったと思います。noteを開いたらベルの上に赤い数字がついてました。

嬉しかったと思います。
それも良く覚えてません。昼間からお酒飲みすぎました。でも、嬉しかったから翌週の土曜日にもう一度投稿したんだと思います。


この1年間で投稿ボタンを62回押しました。そのうち土曜日に投稿したのは52回。しばらくチクっとしてたんですね。緑のボタンを押すたびに。見当違いな罪悪感。
「僕が夜更かししてnoteを書いてなかったら結果は違ってたのかな…」
バチがあたったみたいな書き方したらnoteさんに怒られちゃいますね。

普通、note1周年の投稿は、もっとワ~~とか、ありがと~~みたいにテンション高めに書きますよね。最初は僕もそのつもりでした。

でも、一年前の記憶の糸をたぐると長男のことばかり思い出すんです。

掲示板をじっと見て動かなかった後ろ姿
お昼の菓子パンを選んでいるときの赤い鼻
通っていた塾の手前の赤信号を見上げた横顔

鮮明に覚えています。


記憶の糸って何色だろう?


年によって変わるのでしょうね。
情熱的な赤い色の時もあれば、どす暗い灰色の時もある。

この一年はとても鮮やかな色でした。
noteやTwitterで出会った人や写真や文章が、豊かな色の繊維となって記憶の糸を鮮やかに紡いでくれた一年です。糸の先端はちょっぴり悲しい色だけど、結んでミサンガにしたら結び目に隠れるでしょう。ふり返れば、とても素敵な365にちだったから、そのミサンガは壁に飾っておきましょう。切れてしまったらもったいないもの。

noteの投稿が辛いと感じたら、そのミサンガを見ながら文章を書きます。続けていけば、来年の今頃、壁のミサンガは2つになっているはずです。

ところどころ悲しい色が混ざるかもしれないけど、今年に負けないくらい鮮やかで、手放しがたいミサンガになることを目指して

今日、63回目のボタンを押します

書くことでしか紡げないことが、ある気がするのです。




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