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法制審議会 家族法制部会第3回議事録7質疑~武田委員・菅原委員・戒能委員・原田委員・池田委員

まだまだ質疑が終わらない~ 議事録読んでます

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さて、議事録質疑応答はいかに盛り上がっているでしょうか?!

○武田委員 

親子の面会交流を実現する全国ネットワーク,武田です。今日は参考人の先生方,非常によい話を聞かせていただきまして,本当にありがとうございます。まさに今回,法制審の諮問理由にもなった国民意識の多様化,いろいろな方が増えているというのを身をもって本当に体感,実感したというのがまずは感想でございます。先生方皆さんに御質問申し上げたいのですが,私の方からはしばはしさんと泉市長にだけお伺いしたいと思います。
 しばはしさんに関しては,プレゼンスライドの15ページ,合意形成に向けてというところです。要は,その協議,いきなり条件面の話合いではなくて,きちんと葛藤を下げましょうと,きちんと話し合えるようになりましょうと,一定,恐らく最低限の信頼関係を結んだら取決めもうまくいくよね,こういうメソロドジーを御紹介いただいたと,そんなふうに理解をしております。まさに共感するところではあるのですが,しばはしさんがこうやって共同養育ということで支援されてきた皆さん,結果,もし把握されていれば,養育費の支払い率ってどのぐらいになっていますか。これが質問の1点目です。
 2点目,この15ページの1番から3番の支援に関して,今日,小泉先生からも親教育の話がございました。要は,ここの1,2,3のステップで,しばはしさんの御経験の中で結構です,どのぐらい時間を掛ける,いわゆる教育的なプログラムだけで立ち上がっていく方々,理解される方々が多いのか,それともやはり個別の寄り添えるしばはしさんたちのような支援者がいて,それで寄り添えるようになるものなのかという観点,これが2点目です。
 最後,こういう方々というのは,少し手を差し伸べればどんどん増えると思いますか,これが3点目です。
 泉市長,今日は本当にありがとうございます。2014年からの取組,本当に感服いたします。いろいろお聞きしたいことはあるのですが,法的なこと,これからこの場で議論が進んでいくと思います。泉市長には,いろいろな法整備,今日たくさんの課題を頂いたと思っています。その中で,今後も,基礎自治体がと,ここは我々の役目だというところがございましたら,少し書いていただいていますが,そこに関してのコメントを頂戴できれば幸いでございます。
 私からの質問は以上です。
○大村部会長 ありがとうございます。まず,しばはし参考人に3問ありましたけれども,そちらからお願いいたします。


○しばはし参考人 

御質問ありがとうございます。まず,養育費の支払い率でいきますと,我々のところに相談に来られる方というのは,別居親の立場の方,既に養育費を支払われている方がほとんどですので,支払い率がそれによってアップしたというようなことは,具体的に支払うようになった,ならないみたいなのを聞いたわけではないですが,元々払われている方が多いというところになってきます。
 そして,この合意形成に向けての1から3番,どのぐらい時間を掛けているのかというところでいきますと,実際,4から6が動いている状態で並行してカウンセリングというか,行っていることも多々あります。ですが,そうですね,初期に,例えば調停を始める前ですとかですと,割とこの1,2,3が早く済んだりするのですけれども,並行して結構悪化してしまっている状態で,やはり相手側の気持ちを理解したい,みたいに来られたりする場合は,結構時間が掛かってきたりとかするケースもあります。
 そして,3番目,親ガイダンス的なものでいいのか,きちんと歩み寄る個々の対応が必要なのかというところなのですけれども,一般的な講座だったりなんかすると,もちろん大事な知識ではあるのですが,これは大事なことだよねと,ただ,うちは無理というところで終わってしまうのです。できる家庭はやればいい,けれどもうちはモラハラだから無理ですとか,妻がこうだ,病気だから無理だとかということになってしまうので,最終的には気持ちの面を分解したところで寄り添えるような講座的なものがあるのが一つですが,やはり本当に御家庭によって,その方の性格や生育環境などでも変わってきますので,最終的には個別に,調停って正に個別ではないですか,そこで丁寧な個別のカウンセリング対応というのがあることが,対立構造を深めずに,最終的に子どもが望む,親同士が争わない形というのが実現できると考えております。
○大村部会長 ありがとうございます。
 それでは,続いて泉参考人にお願いいたします。

○泉参考人

 国と自治体の役割的に言いますと,国での法律,制度化が本来であります。明石市がやっている公的立替えなども,本来は国がやるべきであります。面会交流支援も,本来は司法がやるべきであります。そういう意味において,国がしっかりと役割を果たしていただきたいのは大前提です。ただ,市民に近いのは自治体,特に市町村の役割は大きいと思います。できることは数多くありますが,すぐにできることが三つあります。
 まず一つは,既に国が作っているパンフレットなどをしっかりと提供することです。今はできていません。なぜかというと,法務省が所管しているのは市町村の戸籍係だったりします。そこに置いていたって余り意味がありません。必要なのは,相談対応する部局です。これは厚生労働省の管轄です。幸い両方で連携されておられるようですから,厚労省と法務省で御相談されて,自治体ごとに担当者の一覧表を作っていただいて,誰が責任を持ってそのパンフレットを市民に渡すかということをお決めいただきたい。そうするだけで結構,公務員は真面目ですから,担当になれば,やると思います。だから,このことはすぐできると思います。二つ目は,相談です。市役所職員で不十分であれば,NPOの方とかFPICとか弁護士会などに委託する形で,これらのテーマについて,月1回からでもいいですから,しっかり相談を始める,これはすぐできると思います。最後に三つ目,ネットワークを作ることです。やはり行政だけではできませんので,関係機関とのネットワーク作りをしっかりスタートする。この三つ,情報提供,そして相談スタート,最後にネットワーク作り,この三つは,国が音頭を取っていただければ全国の自治体で始まると思います。
○大村部会長 ありがとうございました。
 菅原委員,そして戒能委員という順番で伺いたいと思います。

○菅原委員

 ありがとうございます。泉様にお伺いしたいのですけれども,今日はお話ありがとうございました。既にたくさんお答えいただいているのですが,1点だけお差し支えなければ教えていただきたいのですが,明石市の場合,弁護士資格を持っていらっしゃる方を5人でしょうか,正規職員で雇用されていると伺い大変感銘を受けたのですけれども,そのほかに心理職などの専門の正規職員としてどのような職種の方がいらっしゃるのかということが1点と,離婚のことを扱う専門のセクションがあるのか,それとも何かほかの業務と兼担でやられているのか教えてください。
○大村部会長 ありがとうございます。弁護士資格をお持ちの方は12名と先ほど御説明があったかと思いますが。

○泉参考人

 今現在,12名の弁護士資格の職員がおります。ただ,明石市は弁護士だけではなく,心理職,福祉職含めてどんどん採用していっています。私からすると何でも屋さんは要らない,最低何かの専門性を持った人間を採用したいと思っています。ポイントは専門職を専門性だけで使いません。一般行政職の仕事もできる専門職です。給料が1割増し,2割増しでも,2人分働くと市民に望ましいことですから,専門職を正規職員プラスアルファの給料で雇うというのがポイントだと思います。
○菅原委員 ありがとうございます。
○大村部会長 ありがとうございます。



○戒能委員 

今日,お話しいただきましてありがとうございました。泉市長にお伺いしてよろしいでしょうか。今日のレジュメの2ページ目の下に,面会交流のコーディネートという事業が書かれてありまして,もう2016年から始めておられるということなのですが,その中に,最後に付添いなどを行うと,付添い支援ということだと思いますが,3点お伺いしてよろしいでしょうか。
 1点目は,付添い支援の中身といいましょうか,どういう支援をしていらっしゃるかということが1点目。それから,先ほどの質問にも出てきたのですが,どうしても付添い支援をしている中で避けられないリスクといいましょうか,危険な状態というのが生じ得る。先ほどは,住所が分かってしまったとか,どこかで面会していると,そこから終わった後,追跡をして住所を突き止めて,そしてストーカーのようなことをしてしまうとか,そういうことも考えられるのですが,その辺はいかがなのでしょうかということと,そういう場合にどういう対応をなさるのか,その対応をなさる上で,行政ならではのメリットといいましょうか,行政だからできるような支援,逆に行政だからの限界,どういうふうにお感じになっていらっしゃるか,お聞かせいただければと思います。
○大村部会長 ありがとうございます。それでは,お願いいたします。

○泉参考人

 ありがとうございます。後で御覧いただいたらいいのですが,「こども養育支援ネットワークの奇跡」という冊子の60ページ辺りに詳細に記載しております。端的に言いますと,明石市の場合は面会交流を三者合意を前提にしています。同居親と別居親の両方,そしてお子さんの希望と,この三つを前提にしていますので,三つのうち一つ欠けたら,すみません,少し対応できませんので裁判所の方で御相談ください,としています。また,取決めに関与するわけではなく,支援し,取り決めたことについての履行をお手伝いしております。
 そうはいってもリスクはあります。具体的には,片方の親がそのままいなくなってしまったケースもあります。夜には何とか確認できましたけれども,リスクをゼロにすることはできません。なので,できる限り丁寧に事前に状況確認をし,リスクに備えていくこと,リスクがあってもすぐに対応する体制をとることが大事であって,リスクがあるからしないではなく,リスクに備える,リスクに対して,そのリスクを軽減していくという発想で明石市は対応しております。
 それから,明石市ならではの良さという部分と限界ですが,やはり一番良いところは,市役所は市民にとって身近で,安心があるので,来やすいです。そういう意味で寄り添うのは向いています。ただ,市役所,行政は司法機関ではありませんので,決定をすることはできません。飽くまでもお手伝いにとどまりますので,市役所の良さは寄り添うこと,ただ,限界があり,法律や制度化という部分は本来国の仕事であり,特に司法の役割が大きいと思えてなりません。日本の場合,司法が余りにも遠慮がちすぎます。さすがに司法が遠慮をしていたのでは子どもは浮かばれませんので,やはり裁判所や司法関係者がより積極的にこのテーマに関わっていただくことを強く望む立場です。
○大村部会長 ありがとうございます。
 原田委員からもう一度手が挙がっていますが,原田委員,池田委員の順で,短くお願いいたします。



○原田委員 

すみません,不躾けな質問で,少しためらいがあるのですけれども,しばはしさんと小泉さんですかね,大体1件当たり利用者負担がどのくらいなのかということを,今後制度のことを考えるについても必要かと思うので,教えていただければと思います。
○大村部会長 ありがとうございます。それでは順番にしばはし参考人,小泉参考人,お願いいたします。

○しばはし参考人

 御質問ありがとうございます。個別の相談でいきますと,初回が90分1万2,000円(税別)になっております。それ以外はサポートによって変わってきますので,まずは御相談の費用というところのベースでお伝えさせていただきます。

○小泉参考人

 申込みの段階で,初期費用として,申立人,相手方,それぞれ1万円に消費税が掛かります。期日費用といいまして,調停期日1回につきまして,同じくそれぞれ1万円に消費税が掛かります。何回調停を開くかということによって総合の費用が掛かってくるわけですけれども,例えば面会交流や養育費を全部決める方というのは,少なくとも3回は調停を重ねる方が多いですので,そうすると総体的に掛かる費用としてはお1人4万4,000円ということになります。
○大村部会長 ありがとうございました。



○池田委員 

時間のない中,申し訳ありません。弁護士の池田でございます。1点だけ,泉さんにお尋ねします。先ほどの戒能委員の質問の御回答の中で,面会交流支援について三者合意を前提としているということで,子どもの希望というのを前提としているというお話を伺いました。子どもさんからの希望というのはどんな形で把握されますか。子どもさんと実際にお会いになるのか,あるいは同居親を通じて確認されるのか,教えていただければと思います。

○泉参考人 

子どもに確認します。もちろん年齢によってなかなか限界もありますけれども,基本的には子どもです。子どもは,一緒に暮らしていようがいまいが親のものではありません。子どもの意思は子どもに確認します。それには大変専門性が要りますので,この分野の正に私たちの社会の第一人者の方に,明石市が依頼し東京から来ていただいて対応いただいております。やはりこのテーマを考えるときに重要なのは,経験豊富な専門性が要ることです。ただ,数が足りませんので,早急に専門性のある人を育てていくことが必要だと思います。
○大村部会長 ありがとうございます。
 非常に貴重なお話を頂きましたので,委員,幹事の中からはまだ御質問があろうかと思いますけれども,大分時間を過ぎておりまして,次の参考人の方にもお待ちを頂いておりますので,質疑応答はこれぐらいにさせていただきたいと存じます。
 参考人の皆様におかれましては,大変お忙しい中をお越しいただきましてありがとうございます。当部会の今後の調査審議の中で御意見は参考にさせていただきたいと存じます。改めてお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。
 それでは,ここで10分休憩をいたします。

熱い議論が繰り広げられている!!読むだけでも伝わってくるものがある!

とりあえず


10分休憩!


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