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法制審家族法制部会第9回議事録2~棚村委員・赤石委員・原田委員

議事録読み準備進めてまーす 10回目の分まで

よく読んでいただいているリアクションがあるとうれしく

そろそろ共同親権らしいので張り切っていく

セミナーの準備も進めている

判例研究もしながら

いざ、第9回議事録の2日目 
棚村委員提供の資料の解説からのよう

○棚村委員 

棚村です。前回,赤石委員の方からも御質問というか,頂いていましたので,簡単にこの調査について御説明をさせていただきたいと思います。本来であれば,「未成年期に父母の離婚を経験した子どもの養育に関する全国実態調査とその分析」という,この本そのものを何らかの形で皆さんが見ていただくと分かりやすかったかなと考えております。
 この調査については昨年の2020年8月に,法律学をやっている私たちは,どちらかというとこういう実態調査ということでも,自分たちの法律関係のグループでやることが多かったのですけれども,今回は労働経済学という立場から,東京大学教授の山口教授,それから,心理学という立場から,大正大学の青木教授,それから,福井大学の友田先生,小児神経医学,脳科学というようなところでもいろいろ研究をされている先生方と行わせていただきました。この4人で,20代,30代の比較的若い方で男女1,000名ずつ,お父さん,お母さんの離婚とか別居の経験をされた,子どもの目から見てどんな様子だったかとか,どんな影響があったのだろうかということを,必要な支援も含めて調査してはどうかということで,共同研究という形で調査研究をさせてもらいました。
 本調査研究の意義としては,子どもが小さいときに話を聴き取るというのはなかなか難しいことなので,ある程度の年齢になったときに聴いたものが先行研究として,大学生を中心とした形のものが一定程度あったわけです。しかし,今回,ウェブ調査,モニター調査ということで,先生方とも話し合って,全国の人口とか地域の分布に従ってデータを集めましょうとか,8月から御相談をさせていただいて,11月ぐらいまで質問項目を精査しながら,どういう内容をどんなふうに聴いていったらいいかというのを検討してきました。その間には調査会社のプロの方たちの御意見を聴いたり,いろいろな検討をさせていただきました。
 最終的には,私は単純集計の結果を中心として書きまして,赤石委員からの御質問で,実はこれは交流のあるグループと交流のないグループ,面会交流で分けましょうと,対照群に分けて,どういう影響が出るかというのも見ようというのは先生方の御意見もあり,私もそうだと思いました。そこで,いろいろな形で当事者の属性も調べましたし,ここにあるような項目で調べさせてもらいました。それで,事前に,1点,私もお詫びもしなければいけないのですけれども,「家庭の法と裁判」の方には3月ぐらいにダイジェストみたいなことで,取りあえず結果が出たところをお知らせしようという趣旨で書きました。それから,先生方にお配りしたところで,一番最後の終わりにというところの真ん中辺りで,皆さんには少し衝撃だったと思うのですが,養育費も4割は支払われず,7割で交流がない結果も出てきたと書かれています。この辺り,もしかすると赤石委員も気になっていたと思うのですが,交流のないケースとあるケースを調べて,面会交流というのは,実はSNSとか手紙,メール,電話とか,間接的なものもかなりあって,これは除きましょうというのがこの調査での皆さんの御意向だったのです。交流というのはやはり直接会った場合に限るのだというようなことで,お断りをして調査をしました。なおかつ,私は調査に実際にタッチしていたので,旅行とかお泊まりというのは極めて少なかったのです。特に,欧米と比べると,そういうような形で直接,しかもまとまった時間いるというのが日本で少ないということがはっきりしたので,ここでは実は旅行とか宿泊での交流というのを加えておくべきでした。交流ありのグループの中でもこのぐらいだったのだということを書いているつもりが,その前のものを全部細かく読んでいただけると内容は分かるのだと思うのですが,この点だけはミスリーディングな可能性もあるので,旅行や宿泊での交流は7割でなかったとお伝えしておきます。あとの結論とか分析の結果は,ほかの先生方もそうなのですけれども,いろいろと興味深いものがありました。例えば,面会交流と養育費の関係なのですけれども,私が10年前にやった調査のときも,相関関係というのですか,因果関係はやはり難しいのですが,相関関係というのは見られて,今回の結果でも,養育費が払われていると面会交流もかなり大幅に高い割合で実施されていたというのが分かったわけです。
 ただ,これがなぜなのだろうかという話になると,各先生方で,例えば,離婚や別居前の段階での親子の関係がどうだったかとか,それから,親子のコミュニケーションとか接し方がどうだったかということも実は影響があるのだろうとは思っています。クロス集計でいろいろなものを出して見ると,この割合がなぜ出てきたのだろうかとか,どういうふうに解釈すればいいのだろうかというのは,それぞれの分野とか立場で少し変わってくるのかなと思っています。ですから,これは飽くまでも,私の場合だと,単純集計の結果を法律家の目から見て,これまで明らかでなかったとか,こんなことが少し傾向として見られたとかということ感想のようにまとめさせていただきました。私が,特に意識したのは,司法統計とか,あるいは厚労省の調査の結果との差異があるのか,子どもたちの側からはどんなふうに感じられたかということで,少し記載をさせてもらいました。
 それで,これから,山口先生もそうですし,例えば,これは大石先生なんかもおっしゃっている,協議離婚でもそうですけれども,エビデンスベースで議論しようとか,立法事実は一体何なのだというときに,こういうような調査研究を含めてですけれども,実態が一体どうなのかということについても議論が必要なのだろうと思います。そのきっかけになるという意味で,こういうような調査を共同研究としてさせていただいたということです。
 1点だけ少し加えますと,法務省の方で商事法務を通じてほぼ同じような時期に調査がされました。それについては最初から全部加わってやったというよりは,一番最後の方で,どちらかというと,調査の結果が出てきて,この私たち4名がやった調査研究と,どういう違った結果とか特色とかがあるのか,それから,法務省がこういうような形で後の方でやったものがどれくらい実態を反映しているのだろうかということについてのお話はさせていただきました。ただし,主として今回関わっていたのは資料としてお配りした調査なものですから,少し御説明が長くなりましたけれども,させていただいたということです。よろしくお願いします。

あの統計資料集、とりあえず私も買いました

○大村部会長 ありがとうございました。前回赤石委員の方から御質問がありましたが,それを次回送りということにさせていただきましたので,本日お答えを頂いたという次第です。赤石委員,何かありますか。

○赤石委員 

 棚村委員,ありがとうございました。少しお聞きしたいのですけれども,1,000人ずつの交流あり群と交流なし群の調査ということは数的にはかなり大きくて,今までの先行研究よりも,やはりそういう意味では信用度は高いのかもしれないと思うので,お聞きするのですけれども,この標本というかこの調査の偏りというのは,例えば収入状況ですとか,いろいろなほかの20代,30代の子どもたちの状況とかそういうので,どのくらいこの標本に偏りがあるのかとかいうことはお調べになっているのかということが1点です。
 それから,相関関係とかおっしゃってくださったのですが,せっかく交流あり群,交流なし群でいろいろな比較ができるような調査でございますので,今後何か更にデータが出てくる可能性があるのかとか,お子さんが小さいときに別れた方と大きくなって別れた方ではかなり受け止めが違うだろうと思うので,年齢とのクロス集計ですとか,あるいは暴力ありと認識していた子どもと,そこを認識していなかった子どもとの面会交流や親との関係についてのクロス集計ですとか,こういった何か今後,クロスの必要性を認識して発表の可能性があるのかどうか,せっかくのこの2,000人の調査についてどのようにお考えになっていらっしゃるのかなと思いました。

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○大村部会長 ありがとうございます。棚村委員,今御質問があった,この後の調査などについて少しだけお答えいただいて,先に進ませていただきたいと思います。

○棚村委員

 分かりました。
 非常に貴重なデータだということは認識しております。ただ,統計とかいろいろな専門的な分野の方々の力を借りたり,あるいは,先ほど言いました家族社会学とか,いろいろな学際的なアプローチでこの結果をクロス集計していくとかなり興味深い結果が出てくるのではないかと思っていますけれども,残念ながら,山口先生も青木先生も,友田先生もそうだと思うのですけれども,現時点での結果ということで一応公表させていただいたということです。今,赤石委員会の御質問のような標本の偏りとか,小さいときに分かれた子と,ある程度の年齢で分かれた子の受け止め方の違いなど,今後の課題ということで皆さん,私も含めて,いろいろな御意見や御指摘を受けたうえで,どういうふうに活用できるかということについても研究課題ということで示させていただくというように考えております。こういうことなので,これからどう研究を進めていくかというところまでは正直言って,まだ決まっていません。赤石委員がおっしゃるように,いろいろな形で,せっかく取ったデータについてクロス集計をして細かくやるべきということ,そうすればいろいろな興味深い実態が浮かび上がってくるのではないだろうかということは同感であります。ただ,今後の予定ということについては,この研究をやるだけでかなり大変だったので,そういう意味では,今後の予定は立っていないということで,申し訳ありません。不勉強で申し訳ないのですが,私からの御説明は以上です。
○大村部会長 ありがとうございました。

じっくり研究してよー

○原田委員 

このまとめは,今日出されている友田先生と棚村先生だけではなく,山口先生と青木先生という方も独自の立場でまとめをされているので,そのまとめの仕方が,どうしてこんな結果が出るのかなというと,後ろにある統計の結果を見ないと分からないというところがありまして,少し今,棚村先生に伺ったら,加除出版から著作権の関係もあるので,データを全部提供するというのは難しいのではないかというお話がありまして,もし可能であれば,例えば買って皆さんに配布するとか,そういうことはできないのでしょうか。

○大村部会長 事務当局の方で,少し御検討していただけますでしょうか。
○北村幹事 著作物で出版されているものですし,購入してお配りするにも費用が掛かりまして,その予算を計上してございませんので,そこは御理解いただいて,既にいろいろな書店等でも購入できるものでございますので,もし必要があれば各自で御参照いただければと思います。よろしくお願いします。

○原田委員 そうすると,ここにこう書いてあるけれどもこうだというのを皆さんが確認するためには,御自分でそれを確かめないといけないということになるわけですね。

○北村幹事 一冊丸ごとお配りして,しかも法制審の資料としてそれを公開するというのは控えさせていただきたいと思います。

○原田委員 はい,分かりました。
○大村部会長 ありがとうございます。貴重な資料を今回出していただいておりますけれども,この先で具体的な議論に際してこの資料を参照して御発言等をいただくようなことになるときには,必要に応じて別の部分を,棚村先生から提供していただく等の対応をお考えいただくこともあろうかと思いますけれども,今日のところは今のような説明をいただいたということで引き取らせていただきたいと思います。

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