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母の思い出

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大好きだった母の思い出です。誰かに読んでもらわなくてもいのです。私の心の安定と記憶として書いています
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2020年11月の記事一覧

高齢の女性を「おばあちゃん」と呼んではいけない、「奥さん」である

私や弟に子供がいないため、母はついに孫に「おばあちゃん」と呼ばれるということなく亡くなりました。 実生活で呼ばれなかったためか、お店や外出先で「おばあちゃん」と声をかけられても母は自分のことだと思っていなかったようです。 いちど母がスーパーの駐車場でゆっくりバックしてきた車にぶつかったことがあります。 大事には至りませんでしたが、転んで頭を打ちました。 倒れて意識が遠のきそうになったところに、車の人が慌てて飛んできて「おばあちゃん大丈夫ですか?!」と言ったそうです。

解放されるということ【母の思い出4】

*これは誰に読んでもらわなくてもいいのです。私の心の整理のために書いています 先日亡くなった母の思い出です。 母は自由になれるのに、「ならない人」でした。 最後まで父と婚家に縛られていました。 結婚した父のことをそれほど好きだったわけではないと思います。 同業者(教師)として尊敬はしていたと思いますが。 その人の良い面しか見えない職場結婚の落とし穴というヤツです。 (お父さんゴメン!悪いけど事実だよ〜) まして嫁ぎ先の家は嫌いだったかと・・・ 姑、小姑にはさ

見ただけでどういう人かわかる【母の思い出3】

*これは誰に読んでもらわなくてもいいのです。私の心の整理のために書いています 先日亡くなった母の思い出です。 実家でも自宅サロンをやっています。 いらっしゃるお客さまがちょうど台所の窓から見えるんです。 すると母は表情と歩き方から 「何歳くらいの人だね」 「こんな感じの人だね」と予想するんです。 それが不思議と当たっていました。 「なんでわかるの?」と聞くと、 「今まで多くの人を見て観察してきたからね。だいたいわかるのよ」と言います。 母は小学校の先生でした。

香りの記憶【母の思い出2】

*これは誰に読んでもらわなくてもいいのです。私の心の整理のために書いています 先日亡くなった母の思い出です。 母が最後に私にくれたモノは香水でした。 クローゼットの奥から出してきて、「これあげるわ」と言ったんです。 「あ、この香りは‥」 子供の頃の記憶にある母の匂いでした。 「大人になってからは嗅いだことがないな〜」と思ったらずっと使っていなかったのでした。 数十年前そのままの箱に入ったボトルにはわずかに香水が残っていました。 まだ祖母が家の実権をにぎっていて

いくつになっても可愛らしい人【母の思い出1】

*これは誰に読んでもらわなくてもいいのです。私の心の整理のために書いています 先日亡くなった母の思い出です。 娘の私から見ても、88歳になっても可愛らしい人でした。 楽しくてお茶目な人でした。 みんなが言いますが、話していると安心する人でした。 若い頃は陽気で明るく、しょっちゅう歌なんて歌う快活な女子だったそうです。 それが何の縁か、真面目一本でジョークも通じない父と結婚して、江戸時代みたいな古い考え方の家に入ってからはガマンの人になりました。 嫁姑の確執もあっ