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 私が1987年頃、最初に使った会計ソフトはNEC PC9800用のザ・パソコン会計(PCA会計)でした。

 実家の経理の手伝いをしていた頃、ミロク経理(MJSの前身)の500万円くらいする会計オフコンがありました。その後ミロク経理が倒産しNECの98でPCA会計を使い始めたところその使いやすさに驚愕しました。値段はオフコンの数十分の1なのにはるかに使いやすい、そこから私はパソコン会計フリークになりました。

 twitterでたまに過去の会計ソフトの歴史に触れると面白いという声がありましたので、日本における市販会計ソフトの歴史を時系列で整理してみたいと思いました。


MS DOSとMacの時代

 会計ソフトの黎明期でNECPC98シリーズ全盛の時代、この当時のソフトは今から思うととても良くできていました。日本語変換もATOKがあったため入力もスムーズでした。またMac用の会計ソフトもいくつか存在しました。調べてみて勘定奉行の登場が意外と遅かったのに驚きました。記憶の中では、PCA、大番頭、勘定奉行が3トップでした。

1983 大番頭 PCA会計

1987 弥生会計 小番頭(小規模企業用では弥生とライバル)

1990 マーベルコンピュータ Mac財務管理

1993 勘定奉行

Windows 時代

 Windows95が登場し、会計ソフトもWindowsにシフトします。弥生会計が大番頭を吸収して弥生会計PROとなり、これが現在まで続く弥生会計の源流となります。いまでも古さを感じさせない操作性には開発者の天才性を感じます。

1995 会計王 

1997 クイックブックス日本版

1999 弥生会計と大番頭統合 弥生PRO windows版

ネットバブルと第1次クラウド会計ブーム

 2000年頃にネットバブルが起き資金調達がしやすくなり、インターネット回線の常時接続が始まったことから第1次クラウド会計ブームが起きます。雨後の筍のようにクラウド会計(当時は会計ASP)が生まれましたが、ジャストアイデアで始まったものが多くほとんどがすぐに消えてゆきました。
 生き残り全国の商工会などで使われていたネットde会計もその後MFに吸収されました。私もこのころネットベンチャー企業で会計ASPを作ろうとしていました。現在、SmileWoksという名前になった、ClearWoksが唯一の生き残りではないかと思います。

2000 ネットde会計 ClearWoksなど多数


成熟期と第2次クラウド会計ブーム

 弥生シリーズを開発したエンジニア達が独立してビズソフトという会社をつくりツカエル会計というソフトをリリースしました。つまりこの頃で弥生シリーズの実質的な進化はストップしています。

 また、北海道の大手会計事務所が中古車フランチャイズのシステムを改良して作った発展会計とJDLからスピンオフした人がつくったA-SaaSというクラウド会計ソフトが登場。これらはノウハウを持つ企業が作ったため堅牢で優秀なシステムです。私は発展会計を15年間使い続けています。
 ただし、この2つはなかなか普及できないアキレス腱を持っています。発展会計はIDを高額のリース契約しないといけないので利用するためのハードルが高い。しかし他のクラウド会計の会社がなかなか利益を出せないことを考えると経営判断としては正しかったのかもしれません。
 A-SaaSは、税務ソフト、給与計算ソフトがパッケージになっているコンセプトは素晴らしいのですが、会計ソフトにJDL方式の古くさいUIを採用してしまったため拒否反応を示す人が多いと思います。私もすぐに会員になったのですが現在では使っていません。非常に残念です。

2002 ツカエル会計

2003 弥生株式会社発足

2004 発展会計

2010 A-SaaS

第3次クラウド会計ブーム

 皆さんも、ご存知のソフトが登場し、現在はfreeeとMFがしのぎを削っています。統計的には弥生会計オンラインのシェアが大きいのですが、あまり使っている人を聞かないので不思議です。
 最近、ツカエル会計のオンライン版が登場しました。流石に弥生会計を開発したメンバーが作っているので、ブラウザーを感じさせないほど高速に動作します。ほぼ弥生会計のUIを再現しています。ただし、金融機関連携部分が他社製のため競合に比べ対応金融機関が少ないことがウイークポイントになっています。

2013 freee MF

2015 弥生会計オンライン

2020ツカエル会計オンライン

 ということで、2020年現在まだ決定版といえる会計ソフトがなく、色々なソフトを併用せざるを得ないのが現状です。

 私は会計ソフト連携用のツールを作成していますが、対応しているソフトが17種類もあります。非常に面倒くさい!
 せめて仕訳データの形式だけでも統一してもらえないかと願っています。その際には扱いやすい弥生会計形式がベストであることは、会計データを扱う人の衆目の一致するところではないかと思います。

 今回は市販会計ソフトだけに絞りましたが、ここに、TKC、JDL、MJS、ICS、EPSONといった会計事務所用会計ソフトを加えるとさらにカオスになります。


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