ポスト工業化社会を見据えた幼児教育とは??

21世紀幼児教育カンファレンスに出席するため名古屋より上京してきました。学生時代に機械学会で研究発表して以来の東大でした。

基調講演にて、落合陽一先生が、「これからどんどん少子高齢化が進みます。少子高齢化の本質は、『多様化した社会』が訪れると言うことです。」とお話していました。多様化した社会では、統一化・集権化といった工業化社会の価値観よりもではなく、個別化・分散化といったポスト工業化社会の価値観が重要になります。

既に、私たちが持っているスマホは見た目は同じでも、中身はみんなバラバラで、それぞれの趣味趣向が反映されています。これからもこの方向性は継続され、この方向性にそった教育サービスを提供する必要が出てくるでしょう。

このような流れの中で、私たちは子どもたちを規格に当てはめることはするべきではありません。子どもたちが多様な能力を発揮するために、私たちが幼児教育で最も取り組むべきは、やる気や集中力、粘り強さなどの非認知能力と呼ばれる能力を伸ばすことです。

7月頃からステラ幼児教室では、ある試みをしています。それは、「アクティブ・ラーニング」という手法を取り入れた授業を実施することです。この手法では、先生が用意した通りの内容で授業を進めるのでは無く、課題を複数用意して、その中からやりたいことを選び実践していきます。課題は、ブロック遊び、アート(塗り絵など)、ままごとなど大枠のみを決めてあります。子どもはやりたいことを選び、どういうことをするのかを決めて(目標を決めて)から活動を開始します。その中で、先生は子どもが想像力を発揮できるような声掛けをします。指示はしません。この手法を始めたばかりの子の中には、いきなり自由なふるまいを許可されて戸惑う子どももいます。しかし、慣れてくれば、徐々に創造性を発揮して、自由に、楽しく、笑顔で遊ぶようになります。時に、やりたいことがうまくいかないこともあります。そんな時は先生の出番です。適切な声掛けやプロンプト(援助)を行ない、彼らの目標達成を助けます。こういうことを通して、集中力、粘り強さを養っていきます(ちなみに、この実践は、9月にアメリカにて視察したハイスコープという教育プログラムを大いに参考にしました。下の写真は、その時に撮影したハイスコープ本部の建物です)。

自分の好きなことを選び、そして、創造的なことを実行する。このような主体的で創造的な時間はあっという間に過ぎていくと感じるものです。子どもだって同じで、いつももっとやりたいもっとやりたいという気持ちになります。また、楽しい雰囲気の中で、伸び伸びと成長していく様子を見ている親御様は本当に嬉しそうです。

ステラ幼児教室の授業のメインは、応用行動分析(ABA)などを利用した個別指導ですが、上記のような主体的で創造的な時間も大切にしています。子どもたちが生きていく未来の社会を意識して、その未来を生きていく子どもに今できることを考えて、カリキュラムを作っていくこともまた非常に大切なことと思っています。

株式会社GUTS(ステラ幼児教室・個別支援塾) 代表取締役 古賀浩嗣

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