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地方・個人飲食店視点でのキャッシュレス化について

2019年で一気に激化したキャッシュレス化の流れ


 2019年から本格的に始まった、キャッシュレス化の波。
 全都道府県キャッシュレス率・最下位の佐賀(らしいですよ!笑)
でも、かなり推進されてきています。

 当店は、小さい店らしくクレジットカード決済の手数料を嫌い、ずっと現金だけでやってきていました。
 それでも佐賀という地方だと、そんなに困ることもなく。
 たまに福岡やその他の県のお客さんから「カード使える?」と聞かれることがあるぐらいで、

「すいませーん、うちは現金のみなんですよ」

 と、特にそれが変とも思わずに、むしろ内心、
(こんな田舎の小規模店で、カード扱ってなくても普通じゃない?)

というのが本音でした。

 そんな当店も、去年2019年の4月頃からPayPay(QRコード決済)を導入したのです。


一応クレジットカード手数料の解説です


 ご存知の方にとっては当たり前すぎる話なのですが、意外と知らない方がいるのがこの手数料の話。

 カードをお店で使った場合は、カード会社がお店側に支払いを代行します。
 使う人は現金の心配が要らず、おまけにポイントが貯まったりお得があります。
 お店は、現金を持ってない人へも売ることが出来て、お得があります。

 これで終わりならいいのですが、カード会社も慈善事業ではないので、通常3~4%ほど、店側から手数料を持っていきます。

「たった3%ぐらいいいじゃん」

 という方は、ご自分の給料に置き換えるとイメージしやすいかもしれません。
 給料が銀行振り込みだと何故か3%引かれる、現金手渡しだと満額もらえる。

 どうします?

「じゃあ現金で!」となりますよね?
 そういうことです。笑


なぜ僕はキャッシュレスを受け入れたか


 手数料を嫌って、現金のみでやっていて。
 全国で一番キャッシュレス化が遅れている=現金を使う人が多い県で、なぜあっさりキャッシュレス化を導入を決めたのか。

 理由は、
2つの話から、国が本腰を入れるのがわかったから、です。

 1つ目は、2019年の10月の消費税増税のタイミングから9カ月間(2020年6月まで)、キャッシュレス決済に対して2%~5%の還元を国が予算を組んでやる、と発表があったこと。
 今まさにやっていますよね。
(当店は小規模店なので、国から5%還元+PayPayから数%還元です)

 2つ目は、国のキャッシュレス化の目標がめちゃくちゃ高かったから、です。
 経済産業省の掲げる目標が、「2025年までに、キャッシュレス決済の比率を40%!!」なんです。

 去年の前半の時点では確か18%とかそんなレベルだったので、倍以上です。(佐賀は確か8%とかそんなレベル。可愛い。笑)

 いくら田舎が時代の流れの変化が遅いと言えども、
「あ、こりゃ現金だけでは無理だ」
 あっさり白旗を揚げたのでした。


PayPayの怒涛(どとう)の力技戦略


 PayPay=QRコード決済事業者が行った主な戦略は

・消費者への多額のポイントバックキャンペーン
(100億円キャンペーンなど)
・事業者の導入費・全額無料
・初期の段階では、むしろ導入で事業者へ現金振り込み
(うちは15,000円もらいました。笑)
・一定期間、決済手数料が無料
(2021年の9月まで無料)
・これらの広告をテレビでもネットでも流しまくり

 1円も利益が出ない形で、消費者と事業者、どちらにもお金をかけまくりで、とにかく普及に全力です。

 最初にシェアを、一定以上取った会社が1人勝ち。
 という競争なのかもしれません。

 もちろん今後は、

・事業者からの手数料
・ビッグデータの収集
・自社提携の銀行への誘導

 などから、勝ち残った会社は莫大な利益を上げていくと思います。
(※例えばPayPayは、ソフトバンク提携のジャパンネット銀行以外を振込先にすると、常に手数料を取られるようになっていきます)


 余談ですが。
 店をしている人以外には、耳に入りにくい話かもしれませんが、去年の後半ぐらいに、
 PayPayは、佐賀という田舎でも、個人店を一件一件「導入しませんか?」と人を雇って営業させていたみたいです。

「まさかの大手のどぶ板営業!!」

 まあ、そりゃあ勝ちますわ。


追記:大手各社が直接営業ではなくて、フランチャイズ展開をしながら営業を頑張っているみたいです。
もちろん歩合制。


さて。PayPay導入で田舎の飲食店はどう変わったか


▽正直に言うと、2020年3月今の段階ではあまり変わっていません。笑
 自虐的に言っているつもりはないのですが、やはり地方は変化の流れが遅いのです。

▽当店が導入したのが2019年の4月頃。
 その頃、すでにPayPayをやっていたお客さんは、本当にごく僅か。

 一番お得なキャンぺーンがたくさんあっていたのもこの頃だったので、この時点からやっている方が一番恩恵を受けています。


▽消費税増税のタイミングの10月。
 実は当店、少しだけ値上げをしています。

 10月11月はPayPayで決済すると10%還元の時期でした。
 なので、この頃僕はよく、

「少し値上げをします!けどPayPayを使うと、むしろ今までよりもかなり安くなりますよ」

 と「値上げごめんなさい」の気持ちもあって、かなりPayPayのお得さを宣伝してました。
(ほぼ回し者状態。笑)

 けれど堅実で現金主義の方が多いので、その時点でもPayPayに入った方は一部の方だけでした。


▽とは言え、2020年に入ったぐらいから。
 少しずつ、少しずつ。

 1人、また1人、と増えてきている気はします。
 以前はキャッシュレス決済が0件の日も多かったのですが、最近では逆に現金だけの日が少なくなっています。

 売上全体の10~15%ぐらいがキャッシュレス決済、という割合です。


▽僕は現金信仰を止めたので。
 今後は、むしろ自分から積極的にキャッシュレス化へ向かいます。
 クレジットカードも導入するつもりです。

 カードも導入すれば、このキャッシュレス比率が上がる可能性は高いと思っています。
 とは言え、急に佐賀が全国的にキャッシュレス化が進んだ県になる可能性は低いでしょうから、今後も現金派が多数派かもしれません。


▽すべてキャッシュレスにならない限り、レジ締めの必要がなくなる、などの作業面が効率化することはないので。

 当店が得られるメリットは、

・ポイントを気にするお客さんから、選ばれる確率が上がる。
・現金を持ち歩かないお客さんからも、選ばれる対象になる。
・財布の残りを心配しなくて良いので、単価が上がる可能性がある。

とこの辺でしょうか。
 今後もこのキャッシュレス化の流れについて、変化の報告があれば改めてまとめていきたいと思います。

 以上、地方・個人飲食店(14席のbar)視点の、キャッシュレス化についての流れの話でした。


おまけ「あれ?手数料が惜しい、という話はどうなったの?」


 確かに。笑
 そんな話もしましたね

 PayPayは2021年の9月まで手数料無料ですが、それ以降はもちろん手数料が発生いたします。
(まだ何%か発表されていませんが、個人的な読みでは2.5~3%ぐらいじゃなかろうか、と考えています)
 クレジットカードを導入すれば、3~4%ぐらいは取られます。

 うちみたいに小さい店からすれば、もちろんそれは大きいです。
 が!
 時代の流れに逆らってもしょうがないので、そこはもう諦めてしまって、その手数料を支払ってもやっていけるような営業体制にしていこう。と切り替えました。

 僕個人も、最近では楽天カードかPayPayばっかり使って、現金をほとんど使わなくなってきているので。
 そうなってくると、やっぱり使える店で買い物したくなりますよね。笑

(とは言え、本当にオンリーワンで選ばれる店なら、どちらでも問題ないかもしれません)


 ではでは。
 本当に長々と読んでいただき、ありがとうございます!

 今後も

・小規模飲食店
・個人経営者
・地方(佐賀)

 視点からの記事を、投稿していきたいと思っています。
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 また次の投稿でお会いしましょう^^ありがとうございました。

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