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押し出される心地よさと心の静けさを、最近は感じています。(KOGADOの冒険ワークショップ vol.12 二年目で主砲となりつつあるフライデーの巻)

浪人:
 今日は期待のルーキーでギークな彼に話を聞いてくるよ。

編集長:
 ギーク? レイジングストーム?

浪人:
 それギース。


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金曜:
 お疲れ様です。よろしくお願いします。

浪人:
 えーと、ここでは本名ではなく、「金曜日」かな?

金曜:
 そうですね、AMAだと「金曜」で通してますね。

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今日のゲスト:金曜(本名は非公開)
ソフトウェア開発部の二年目。開発も営業も広報もイベントも、の、なんでも屋。ほんとなんでもできるのでやらされる。
趣味は格ゲー。というか、趣味ではない多分こっちが本体。BLEACHの巻頭歌は74巻全部ソラで言えるほどの心酔者。
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浪人:
 入社2年目だっけ?まだ2年?

金曜:
 そうですね、入社前にアルバイトとかはありましたけど、今年が2年目です。

浪人:
 まだそんなしか経ってないんだね。切れ目なく案件まかせているので、時間経過が分からないな。1年目は何してたんだっけ?

金曜:
 入社の前からアルバイトで業務に携わっていましたけど、その時は『ユメミドリーマー』の発売直前くらいの時期だったので、主にデバックに近い業務をしていたと思います。演出面での不備を見つけたりなどですかね。

浪人:
 ああ、やらされるよね新人て。「開発に慣れるため」とかいって。

金曜:
 入社してからはトリスティアの制作が始まっていて、グラフィック周りの制作進行をしていたかと。

浪人:
 印象に残ってる出来事とかある?

金曜:
 うーん……、色々ありますけど選ぶとなると難しいですね。
 やっぱり制作のスケジュールというのは中々思い通りにいかないんだなぁっていうのは凄い感じたのですが、そのあたりの話をここで掘り下げるのもまぁ良くない気がするので。

浪人:
 理解が早いw

金曜:
 記憶にあるので言えば、アルバイトの時はシナリオライターでスクリプトも書いてるうちの会社のシナリオライターの西川さんが自分へどういう風に動くべきかを指示してくれていたんですが、凄い優しく対応してくれたなっていう記憶があります。
 あとは初めて声優さんの収録現場に立ち会いに行ったときは結構テンション上がってた気はします。結構ミーハーな人間なので。

浪人:
 結構いろいろ行ってもらったもんね。一番最初の収録はなんの時だっけ?

金曜:
 確か、トリスティア(:リストア)本編の音声収録ですね。

浪人:
 収録自体はあまり華やかじゃなくて、淡々とだったでしょ?声優さんと和気あいあい、おしゃべりしながらって事もほぼないしね。

金曜:
 そうですね。事前に「ただ立ち会うだけだと凄い暇な時間が発生する」みたいな事は言われてました。

浪人:
 暇というかw

金曜:
 演技指導とかするポジションだったらやることは有るんですけど、トリスティアの時はシナリオライターの竹内さん(トリスティアシリーズの名物Dir.)がほとんど一人でそのあたりはしっかり対応してくださっていたので、それこそ役割はないなとか、「パソコンとか持ってきて片手間に作業できるな」と。

浪人:
 ネネ役の野川さくらさんの歌の収録、一緒に行ったよね、あれ楽しかったよね。すごくいいテンポで収録は進んだし、スタッフの皆さんが楽しい雰囲気を作ってくださってて。

金曜:
 歌収録などは休憩のタイミングが結構あるのでスタッフ間で話す機会が結構あるなと感じましたね。
 野川さんもですけど、現場にいたYOFFYさんは、流石の自分でも知ってるくらい業界でもご高名な方だったので、「すごい空間にいるなぁ」と思ってました。


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浪人:
 金曜は、プロマネか、制作か、どっちがいいんだろうなって考えてて、最初は決めずにいろいろやってもらっててさ、広報とかも。

金曜:
 そうですね。プロマネと制作と広報って完全に分けられている事もあると思うんですけど、自分はそこを跨って色んな事に挑戦させて頂いてました。
 各スタッフの距離感が遠ければ遠いほどどんどん企画段階から思っていたものと違う方向へ行ってしまうと思うので、それぞれの視点で制作の現場について学べているのは非常に有難いと思っています。

浪人:
 自身としてはどう?どんな仕事がしっくりきた?

金曜:
 しっくり。どれがやりやすかったかを強いて挙げると……、やっぱり企画を考えている時が一番楽しかったかなと。

浪人:
 へえそうなんだ。それは、何故だろうか?まっさらだから?

金曜:
 「情報を頭に入れる事」と「新しい筋道を考える事」が楽しいのだと思います。 割と文系の脳なので、ストーリーのあるものが好きなんです。
 私は趣味が格ゲーなんですけど、1対1の対戦ゲームなので、画面越しに対戦相手の物語がダイレクトに伝わってくるのが面白いと思いながらやっています。

浪人:
 なるほど。
 ASMRの企画とかは、立案から社内プレゼン、制作、リリースまで、ほぼ一人で全部やったけど、やっぱりきつかった?

金曜:
 どうですかね。勿論期間によっては忙しいタイミングもありましたけど、やはり制作に関わる人数が少なければ少ない程動かしやすくはあるので、「どうしようもない」みたいなキツい事態は発生し辛かったと思います。

浪人:
 まあ何とかできる範囲も決まってくるしね。

金曜:
 これはゲームの開発でも言える事なんだろうなと思うのですが、人手が増えるほどスピードは上がりますけどその分人件費もかかりますし、作業内容が不透明な人も出てきてしまうので、「余分に人手を増やさない」は大事な考え方だと思っています。
 勿論人手を増やしてでも期限を守る事は優先されるべきですし、プロジェクトの規模にもよるとは思いますが。

浪人:
 いろんな意味で管理コストってのが。

金曜:
 生放送とかリアルイベントみたいな場でも絶対にミスが発生しないようにするために、大量に人を雇っている結果、「一定の時間が経ったらボタンを押すだけの人」とかが居るっていう話があったり……とかですね。
 もちろんミスをしない事が最優先な場合もありますが、Do it yourselfの精神と言いますか、「だったら自分がやればいい」という考えは管理コストを抑える為に大事だなと。

浪人:
 そうだね、……ああそうだ、配信のエンジニアもやってもらってたw 今思い出した。

金曜:
 第二回以降のトリスティアの生放送は自分が担当してました。
 第二回の時、マイクのセッティングの不備があってワンオペでやってしまった故のミスも発生してしまったのですが、第三回には修正出来ましたし、今後こういう企画を行う為のノウハウが色々積めたのは良かったなと。

浪人:
 いやね、私の悪い癖だとされてるんだけど(自覚なし)、わりと丸投げの投げっぱなしにしちゃって、孤軍奮闘になっててしんどいかなーって思ったんだけど、じゃある意味、単独故のやりやすさもあると?

金曜:
 そうですね。
 ……いやまぁ大変かそうでないかで言えば、凄い大変だった記憶ではあるんですけどw

浪人:
 だよね、ごめんごめんw

金曜:
 でも誰かに分担する為にはまず正しく完成図のイメージの共有をする必要があって、それ自体がかなり大変な事であり、人手が増える程難易度も上がると思います。その辺りは、企画規模に合わせて柔軟に対応出来ればと思います。


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浪人:
 一般的には多分早いタイミングで、一本ゲームの企画を仕切ってもらってるけど、そいつをちょっとどんなものか、説明してください。

金曜:
 ええと、突然「こういうゲームを作ってみて」という話が自分に振られて、というのが発端ですが。
 そこから自分なりに「今、ユーザーから求められているものは何か」と言った考えを追加して企画書に纏め、動いている企画があります。
 先ほど言ったことにも則って、おそらくそこまで大きくはない規模で、良く言えば少数精鋭での開発になると思います。

浪人:
 なんか非常に人聞きが悪い。けどまあ事実だけどw

金曜:
 いやフォローをすると、自分からだと「こういう企画どうでしょう!」とは中々恐れ多くて言い辛いので、実際話を振られる方が有難いというスタッフは結構多いのではないかとは思っています!

浪人:
 最初は分析というか、分解からだったよね、とある作品の。

金曜:
 そうですね、ちょとボカした言い方をしますけど、元々「これからのゲーム開発はこうやって行うべきだ」みたいな考えが社内にあって、その考えを発展させて洗練させた様なゲームが丁度発売されてヒットしていたんですよね。で、これはしっかり分析しなければなと。
 ただ、何故売れたのかという作品の質を理解していない段階で進めるとただの劣化コピーというか二番煎じで終わってしまうので、分析をしっかりした上で「工画堂らしさ」といったテイストも大切にしよう、という流れで発生した企画ですね。

浪人:
 いい説明だ!!
 どんなものかを説明せずに言うのもあれだけど、こだわっている部分はどのへん?その、「工画堂らしさ」とは。

金曜:
 ビジュアルをパッと見て伝わるような分かりやすいものではなく、本編を読んでいくうちに少しずつ滲み出るようなものになるかと。
 自分も含め、弊社スタッフはやはり洗練された「コアなゲーマー」の方が多いので、「らしさ」を出そうとした結果、尖り過ぎたものにならないように、しっかりユーザーから見て面白いものになっているかどうかをチューニングするのも大切かなとは思っています。
 手には取りやすいけど、遊んでくれたユーザーさんはしっかりと工画堂らしさを感じ取ってファンになってくれる……といった流れが理想ではありますね。

浪人:
 今はどんなあたりを作っているところ?

金曜:
 企画が動いたのが本当に最近なので、まだ最初の最初、シナリオチームと相談している段階ですね。ただ勿論、大まかなコンセプトや話の流れはもうある程度決まっています。

浪人:
 最初はね、動かすのに力が必要だからね。ごろごろっと動き始めると、いろんな人も一緒に手伝ってくれるし。今が頑張り時だね。

金曜:
 そうですね、それこそ「完成図」のイメージをまずはしっかり作る、という段階なのだと思います。

浪人:
 鳥越さん(くろねこさんちーむDir.)が、「自分がいうことは何もないな」っていってたよ。むろん褒めている。

金曜:
 うぉぉお、そうなんですか?有難さもありつつ、逆に怖さもあったりです。

浪人:
 いやそのままの評価だと思うよw

金曜:
 社内の皆さんも忙しいとは思うのですけど、何かあれば忖度無しで率直に意見頂きたいですね。要所要所で相談の場はしっかり挟めればなと思っています。結局頂いた意見を取り入れないという事になっても、「聞いて検討した上で敢えて取り入れない事を選ぶ」というのが大事とおもっていますので。

浪人:
 あまり気を遣わずに取捨選択ができるといいね。
 これからだんだんとペンギンくんWARSみたいになってくるけど。楽しみだね。

金曜:
 ……、一応、自分がゲーセンに入り浸ってた人間なので名前だけは知ってますが凄い古いゲームで例えましたねw
 なるべく早く企画を進行して、皆様の手元に届けられればと思っています!

浪人:
 全貌がほぼ隠された状態なのでアレなんだけど、読者のみなさんに意気込みなどを、どうぞ。

金曜:
 現状「水面下で動いてます」としか言いようが無いので恐縮ですが、出来る限り早くお披露目出来るように尽力致します!
 その際は、この記事を読んだ人が「あ、このゲームの事を言ってたんだな」と思ってくれると嬉しいです!

浪人:
 どのくらいだっけ?2024年?

金曜:
 理想のスケジュールのまま動ければ、来年にはお披露目出来るかと。

浪人:
 テストプレイさせてもらうのが楽しみ。
 あと何気に、それ以外の案件でも金曜はマルチに、あちこち首を突っ込んでもらってるのでw
「作品の陰に金曜の影あり」って感じでイメージしてもらおう。

金曜:
 作品の制作進行とか、イベントスタッフとしての参加とか、色々やらせて頂いています。
 きちんと各現場で学んだ事を活かして今後の業務とも向きあえればと思います。

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 シンクタンクって言葉がありますね、なんか響きがとてもカッコ良くて好きなんですけど、金曜はまさに工画堂の「ひとりシンクタンク」です。
 その圧倒的な知識量と知識欲。とんでもない火力を貯め込んだタンクです。あれ?タンクって戦車の意味か?槽の意味か?まあどっちでもいいな。
 これからの工画堂の作品作りでは、持てる力を心置きなくぶちまけて、アルマゲドン・モードで臨んでもらいましょう(タンクが艦になった)。どんなものが出てくるのか、私も楽しみです。
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 今週はこの辺で。
 ではまた!

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