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社会人1年目 面白かった本ども【下半期編】

今日は2023年10月~2024年3月に読んだ本の中で、面白かった本をまとめていきます。


読書メーター


上半期編



あなたを天才にするスマートノート


言語化の王様、岡田斗司夫先生が書いた本です。

概要
『レコーディング・ダイエット』の岡田斗司夫が伝授する新しいノート術!発想法から、「楽」に「面白くなる」ための方法まで。
岡田斗司夫が10年以上かけて作り上げたノート術、「スマートノート」のシステム・始め方・続け方を伝授!
簡単に始められ、続けられる。楽になる。面白い人になる。「わかる」瞬間が来る。
そしてあなたはいつしか「天才」に。

他にもノート術系の本は前田裕二さんの「メモの魔力」、phaさんの「知の整理術」などを読みましたが、この本がダントツで面白かったです。

論理的思考(左脳)・創造的思考(右脳)の2つを分離して考え、ページの役割を対応させることで知を整理する。
創造→論理→創造→論理…のように思考を振り子のように反復させ、無限にアイデアを膨らませていくという発想に、「す、すごすぎる・・・」と圧倒されました。

スマートノートは、右ページから書き出します。その理由は「左側に余白を作るため」です。
普通にノートを使っていると左ページから無駄なく書いてしまいます。
自分の書いたことに対して「なんでだろう?」という考察やツッコミが生まれません。
論理だけのノート術になってしまいます。

岡田斗司夫 FREEex. あなたを天才にするスマートノート・電子版プラス (p.126).


ノートを右ページから書いていくという狂気の使用法。
突拍子もないアイデアですが、「もったいない」という人間の意識を逆手に取っていて、妥当性がある所が面白いです。


ちなみにkindle unlimitedで読めます。
この本に限らず、ムチャクチャな発想に哲学が乗っている彼のアイデアは全部面白いので、YouTubeでも書籍でも触れてみてください。




TVディレクターの演出術:物事の魅力を引き出す方法


ひろゆき・成田悠輔を「Re:Hack」で共演させバズらせた、パンダのプロデューサー高橋弘樹さんの本です。


概要
「ジョージ・ポットマンの平成史」「世界ナセそこに? 日本人」「空から日本を見てみよう」「TVチャンピオン」など、
テレビ東京で規格外のバラエティ番組を作り続けたディレクターが、アイディアと工夫で「形」にする技術を披露する。
企画を考えるためのリサーチの仕方、新しいものを発見するための心構え、予算のなさを逆手にとる発想、魅力を最大限引き出す演出など、その技術はどんな仕事にも活かすことができるはず。しかも、番組作りで経験した意外なエピソード満載だから、すいすい読める。業界関係者はもちろん、クリエイター志向の人は必読の一冊。


炎上スレスレを渡り歩く高橋プロデューサーの本音が詰まった本です。

高橋さんはテレ東で何個も有名番組を作り、YouTubeの番組「Re:Hack」もバズらせたゴリゴリの現役プロデューサーなんですが、(成田さんが暴走したのもあって?)親会社の日本経済新聞に怒られ、Re:Hackは番組終了に。

彼はテレ東を退社することになりましたが、Abemaに転職し、個人でもチャンネル「ReHacQ」を立ち上げます(タダでは転ばないのが凄い)

彼の魅力は、本当は頭が良くて(早稲田政経卒…!)理解力があるのに、何も分かってないアホのフリをして出演者に様々な角度からボールを投げる所です。

専門家や学者が論理的な話題をひとしきり喋り終わった後に、
「で、結局何が言いたいんですか?」
「それって何の役に立つんですか?」

と挑発し、感情が乗った本音のコメントを引き出すんです。
まさに、プロデューサーらしい"演出"ですよね。

脇役に徹することで番組全体の構成を手作りしていく職人技に、奥ゆかしさを感じます。
何かを作り出す時のヒントが詰まっていますので、読んでみてください。



ハサミ男


1999年出版のミステリだが、現代でも色褪せない名作。


あらすじ
美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。
3番目の犠牲者を決め、綿密に調べ上げるが、自分の手口を真似て殺された彼女の死体を発見する羽目に陥る。
自分以外の人間に、何故彼女を殺す必要があるのか。
「ハサミ男」は調査をはじめる。
精緻にして大胆な長編ミステリの傑作!


久々にやられた…!
作者に脳みその熱い所を掴まれるような感覚、大好きなんですよね。

サイコキラーの視点で物語が進行していきます。
人間味を感じない日常が淡々と描かれ、たまに頭のおかしい思考回路が飛びだす所が面白いです。

あんまり書くとネタバレになってしまうので、ミステリ好きの方はぜひ読んでみてください。事前情報なしで。



天使の囀り(さえずり)


貴志祐介の描くホラー・SF。


概要
北島早苗は、終末期医療に携わる精神科医。
恋人の高梨は病的な死恐怖症(タナトフォビア)だったが、アマゾン調査隊に参加してからは人格が異様な変容を見せ、あれほど怖れていた『死』に魅せられたように自殺してしまう。
さらに、調査隊の他のメンバーも次々と異常な方法で自殺を遂げていることがわかる。
アマゾンでいったい何が起きたのか? 
高梨が死の直前に残した「天使の囀りが聞こえる」という言葉は、何を意味するのか? 
前人未踏の恐怖が、あなたを襲う。

なぜこの本に辿り着いたかというと、百田尚樹「風の中のマリア」が面白かったので、「生物学がテーマの本無いかな~」と探していたら出会いました。


「マリア」が儚いスズメバチの一生を綺麗に描いている一方で、

この本はグログログログログログログログログログログログログログログログログログログログログログログログロ、の後に面白いがトッピングされてる感じです。

食物連鎖や生存戦略によって物語の謎が解き明かされていくストーリーラインが見事です。勉強にもなる。
怖いけど先を呼んじゃう魅力があるんだよなぁ。




完全教祖マニュアル


タイトルがヤバすぎる。
友人が勧めてきたら間違いなく縁を切りたくなります。


概要
多くの人をハッピーにしながら、大きな尊敬を受ける-教祖ほどステキなビジネスはほかにありません。
キリスト教・イスラム・仏教などの大手伝統宗教から、現代日本の新興宗教まで、古今東西の宗教を徹底的に分析。
教義の作成、信者の獲得の仕方、金集め、組織づくり、さらには奇跡の起こし方-あらゆるシチュエーションを実践的に解説した本邦初の完全宗教マニュアル。

教祖のなり方を解説している…かに見えて、実は「宗教」というコミュニティが存続する為に必要なシステムを実例とともに解説している本。

なぜ宗教が外側から怪しく見えてしまうかを、皮肉とユーモアを交えて痛快に解説しています。


それほど真剣に悩まなくとも構いません。
なぜなら、神がいるかいないかなど、どうでも良いからです。

いやいやいやいや。身も蓋も無さすぎるだろ!!
「神」は手段であり、信者には必要だが教祖には必要ない、と言い切ってしまう所に可笑しさを感じます。



ヤバ過ぎチェックリスト



流浪の月


2020年の本屋大賞受賞作。

あらすじ
あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。
わたしを心配するからこそ、誰もがわたしの話に耳を傾けないだろう。
それでも文、わたしはあなたのそばにいたい――。

再会すべきではなかったかもしれない男女がもう一度出会ったとき、運命は周囲の人間を巻き込みながら疾走を始める。
新しい人間関係への旅立ちを描き、実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。

世界から認められない愛の形。
不器用な2人が傷つきながら障壁を乗り越えていく本です。

自分は社会の歪んだ残酷さをリアルに描く作品が好きで、特に東野圭吾の「手紙」がお気に入りです。
朝井リョウ「正欲」、村田沙耶香「コンビニ人間」なんかも良いですね。

このような鬱屈としたストーリーにおいて、主人公が自分なりの回答を見つけるエンディングは一番の見せ所だと思うんです。
「流浪の月」は、積み重なった感情が溢れ出し圧倒されるような終わり方でした。めっちゃくちゃに好み。

同作者の「汝、星のごとく」も気になっているので今度読みます。



おわりに

インプットをしていないとアウトプットもはかどらないため、1か月に10冊くらい読んで、文章を脳みそにぶち込みまくっています(しかし文章力は上がっている気がしない)

まあ本を読むのはそれ自体楽しいので、今後も無理なく続けていきます。
それではまた。

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