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天蓋を開く鍵(短編)

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『天蓋』 その場所は、選ばれた『選人』とそれに関わる人間しか入れない特別な場所。 選人は天蓋の奥深くに封印され、わざわいをよぶものを封じる蓋の役割を担うことになる。 物語へと繋が…
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記事一覧

20 No brand child

女の子「どうして泣いてるの?」 女性(泣いている?私が?) 女の子「どこか痛いの?苦しい…

21 拡散する被害

女性「あら、久しぶり。元気だった?」 女性2「・・・・・」 女性「どうしたの?元気ないじ…

19 rainy days

ツヴァイ「雨だな」 男1「ですね」 ツヴァイ (もう、三日になるというのにこの大雨は止むこ…

18 小さな願い

女の子「あなたのお願いはなーに?」 青年 (幼い少女が私に声をかけてきた。) 青年「お願…

17 25℃のお茶会

ドライ「ちょっと聞いてるの!!」 アイン「聞いてるわよ」 ドライ (余裕ぶって、メガネを…

16 全ては筋肉によって出来ている

ツヴァイ (体調が優れない時、私は筋トレをする。) ツヴァイ (気分が優れない時、私は筋ト…

15 そこに漂う平穏

女性 (おはようという声が聞こえる。) 女性 (まだ、眠たい目を擦り起き上がる。) 女性 (目の前には、出来上がった朝ごはん。) 女性 (とりあえず、一口パンをかじる。まだ、暖かいからか風味が口の中に広がる。) 女性 (コーヒーを啜る。寝ぼけた頭にガツンと苦味が染み渡る。) 女性 (表情に出ていたのか、彼は笑っていた。幸せだななんて感じる。) 女性 (空は快晴。外で、鳥も鳴いていて。春を告げているみたいだ。) 女性 (そう、そんな日が広がっていた。笑う彼を愛おし

14 あの夏の日も、、、

男1 (どうしてこうなったのか・・・。) 男1 (俺は、ただ今の現状にため息をつく。) 男1 …

13 思いつきは突然に

女性「あー。もう!!!!」 女性 (スランプだ。 そろそろ新曲を出さなければならない時期だ…

12 はみみ

男1「あー。もう、どうにでもなりやがれ!!!」 男1 (誰に言うわけでもなく、ただ大きな声…

11 一番の宝物

青年 (失ってから気づく。もう遅いのだと。) 青年 (彼女が消えてしまってもう一週間が経と…

10 温かな日常

女性 (今日、あいつと喧嘩をした。原因は、本当に些細なこと。下らないこと。) 女性 (きの…

9 記し先の世界

女性 (私は、この目で見てしまった。天蓋の先の世界。) 女性 (信じられなかった。信じても…

8 あの日の先には

女性 (ようやく出れた。すごく長い時間眠っていたような気がした。) 女性 (早く、友達に、家族に・・・あの人に会いたい。) 女性 (一歩、足を踏み出した先の世界は私の知らないものになっていた。) 女性「えっ?」 女性 (見知らぬ景色。見知らぬ人たちが私を見て怯えているようだった。中には、敵意を向ける人もいる。) 女性「・・・・・」 女性 (声が出ない。喉の奥から、絞り出そうとするのにそれが私の耳に聞こえてくることはなかった。) 女性 (代わりに、聞こえてきたのは