20 No brand child

女の子「どうして泣いてるの?」

女性(泣いている?私が?)

女の子「どこか痛いの?苦しいの?誰か呼んできた方がいい?」

女性(こんなに小さな子に心配されるなんて、余計に情けなくなる。)

女の子「ねぇ?大丈夫?お姉さん」

女性「・・・。大丈夫よ。大丈夫だから、心配しないで」

女性(やっと絞り出した声で答える。こんな強がりこんな小さな子にすら通用しないだろう。)

女の子「あのね。良いものあげるね」

女性(そう言って、その子は私に小さな折り紙の鶴をくれた。)

女性「これは?」

女の子「お母さんが教えてくれたの!!元気が出るおまじないが入ってるの」

女性「おまじない?」

女の子「きっと、お姉さん元気になるよ!!」

女性「えっ?あの!!」

女の子「それじゃあね! バイバイ!!!」

女性(そう言って、その子は煙のように消えてしまった。

まるで、その場に誰もいなかったみたいに。

でも、ふと自分の右手を見るとそこにはしっかりと折られた鶴があった。)

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