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小説「双校の剣、戦禍の盾、神託の命。」

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声プラが贈る、小説と音声ドラマによって紡がれていくファンタジー作品 ~あらすじ~ その国の名はシュバルトメイオンと呼ばれていた。  国内には東西に分かれた学園があり、互いに競い… もっと読む
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#声プラ曜日

146 極致への一歩

「クーリャ。すまんが事のついでにもう一つだけ頼みがある。いいかい?」  ひとしきり笑い終…

142 後夜祭の襲撃者

 静かに歌い終えたリリアは一度、大きく深呼吸をした。周りで拍手などが起きるというわけでも…

141 炎の音と鎮魂歌

 東部と時を同じくして、西部学園都市内でも双校祭は厳かに進んでいた。  東部学園都市コス…

137 遺却の約束

「サンダール!! 一体どういうつもりなの!? なぜこんな勝手なことを。リーリエさんが厳戒…

136 白日の下に

 双校祭の終わった翌日、東西の学園に派遣されていた九剣騎士をはじめとする国の騎士達が帰路…

134 夜空に昇る炎

 シュレイドを庇ったその瞬間、思い出したのは自分の母の最期。  まだ幼いながらも決して記…

133 幾つもの後ろ姿

「……」 「アンヘル、どうしたの?」  木々に囲まれた暗い場所で立ち止まり耳を澄ませるようにして目を閉じる男。突然の行動に傍にいた少女が問う。 「ああ、どうも龍脈に乱れが生じている」 「このぞわぞわした感じのこと? りゅうみゃくって?」 「ほう、肌身に感じられるとはお前もなかなか見どころがあるようだ」  僅かに思案した後、答える。 「……そうだな、わかりやすく言うなら大地に根差す血流のようなものだ」「血? 大地にも血があるの?」 「ああ、かつて我が父に聞いた話だが、世

131 迫る地鳴り

「トドメだぜェ!!!」  小さく鋭い拳が腹部へと突き刺さり、シルバは膝を折り地に伏せる。…

130 無邪気の風来

 スタートとゴールにもなっている校舎棟から少し進んだ先にある平原。  そこではメルティナ…

128 未確認班の上級生

 先頭集団が山岳エリアの障害物となる場所を越え、予選コースの最後となる最初にスタートした…

127 水流を越える術

 川の岸辺すぐそばにある杭の上へとふわりと一足飛びに器用に乗って一度、じーっと川上を見つ…

124 逆走の生徒会

 予選の開始位置には参加の生徒達が班で固まって並び立っている。    当初の予定よりも多い…

123 認知度ゼロの九剣騎士

 今回、双校祭の四日目のイベントのルールなどは事前に生徒達に通知されており、その上で参加…

120 三日目の神事

 双校祭は全五日間に渡り開催される。  今年は東西模擬戦闘訓練の中止の為、双校祭も従来とは大きく異なる内容が盛り沢山だった。  特にエナリアが独自にイベントの改革を事前に進めた事で、これまでにあった多くの生徒達から貴族の出身である生徒会への反発という要因が些細なことであると浸透し始めていた。  双校制度の歴史を自分たちの代が大きく塗り替えるのではないかという期待感へと徐々に変わりつつあった。    一日目が終わり、二日目が終わり、中日(なかび)ともなる三日目には生徒達の盛