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菅野完さんに対する名誉毀損は止めましょう 2 ~菅野完さんの性的暴行事件の周辺状況(上)~

事件を知ったきっかけ

 菅野完さんに関するデマの中で、米国での暴行事件と並んでデマが流布しているのが、菅野完さんが社会運動に従事する中で知り合った女性への性的暴行事件です。前者においては、菅野完さんが山口貴士弁護士などに対応を依頼してすでに事件が解決しているにもかかわらず、菅野完さんが米国に旅行すれば拘束されるなどのデマが流れています。そして、後者においては、性的暴行の内容を盛った末に名誉毀損で確実に敗訴するほどのデマに成長したものが流布されています。
 私がこの事件を知ったのは、平成25年7月21日付けの週刊金曜日の報道でした。

http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/2017/07/21/antena-37/

『日本会議の研究』の著者・菅野完氏が2012年に起こした性的「暴行」事件についての裁判が7月4日、東京地裁で結審した。

裁判は、被害女性が15年末に200万円の損害賠償を求め起こした民事訴訟。結審に当たり菅野氏側が提出した書面には、事件を報じた小誌の記事が流布されたことで相当の社会的制裁を受けたなどとして、「本件で認定されるべき損害額は、5万円を超えることはない」と、被害を軽視する見解が記されていた。自らの性的「暴行」についての言及はなかった。

裁判資料によると、菅野氏は事件当日、女性の家に初対面であるにもかかわらず上がり込み、パソコン作業の後、突然女性に抱きつき、のしかかった。押し倒された恐怖で悲鳴を上げた女性の頬に菅野氏は顔を押しつけてキスをし(菅野氏側はキスしていないとの見解)、「抱っこして」と要求した。女性が菅野氏を抱きかかえ背中に数回両手を当てると体を離したが、その後も性的欲望を伝えてきた(詳細は小誌16年7月15日号)。

女性の行動は、〈力づくで犯されるのではないかという極度の恐怖〉によるものだが、菅野氏側は自らの行為について、〈一般的に、他人に対して性的行為を求めるとき、言語的説得によるのではなく、相手方の身体に接触することにより自らの性的行為をしたい意思を相手方に伝達する〉と、暴力的な“一般論”を展開している。

女性は結審当日の意見陳述で、「今も知らない男性と2人きりになったり、被告(菅野氏)に似た人を見かけると、体が硬直し、冷や汗をかき、呼吸が苦しくなります。私にとって、この被害は過去のことではなく、現在進行形です」と訴えた。被害を軽視するような言論があることに対しては、「被害者の口を封じることに繋がり、加害者を利することになる」と強調。ジャーナリスト・山口敬之氏からの準強かん被害を訴えた詩織さんと同様に、「黙らされている誰かに」勇気を与えられると信じて裁判を闘ったと述べた。

一方の菅野氏は、裁判に一度も出ず、書面の中で「反省」の意は示す一方、自らの加害を「比較的軽微」と主張してきた。結審の書面では、今年3月の和解協議が決裂した責任は女性にあるとの姿勢に転じた。判決は8月8日となる。

週刊金曜日「『日本会議の研究』菅野完氏の性的『暴行』事件が結審、被害軽視の姿勢」

 「『日本会議の研究』菅野完氏の性的『暴行』事件訴訟が結審、被害軽視の姿勢」と題したその記事の中では、菅野完さんの性的暴行が民事訴訟の場に持ち込まれて7月4日に東京地方裁判所で結審し、8月8日に判決が言い渡されることが報じられていました。この報道を知った私は、予定を調整して判決言渡を傍聴することを決めました。その理由は、抽選によって傍聴することができなかったとしても、開廷表により事件番号を把握することができるため今後の調査に非常に有益であることと、事件の性質からして今後の審理においても非公開の場で審理が進んでいくことが予想されるため、判決主文だけが読み上げられるであろう判決言渡であっても傍聴しておく価値があるというものでした。この傍聴によって事件番号を把握した上、現在は閲覧制限がかけられている原告の氏名を知ることができたので傍聴してよかったと思います。

山口敬之元TBSワシントン支局長と伊藤詩織さんの事件との類似性

 菅野完さんの性的暴行事件において私が感じるのは、山口敬之元TBSワシントン支局長と伊藤詩織さんとの間に発生した事件との類似性です。この事件は採用担当者であった山口敬之さんが就職志願者である伊藤詩織さんと性交したという言語道断の事件ですが、この事件を「強姦事件」にしたがっている方が少なからずいらっしゃいます。実際に山口敬之さんに対して逮捕状が発令され、後に警察庁長官になる中村格さんが逮捕状をストップさせるという顛末があったと報道されています。
 ただ、山口敬之さんに「強姦」されたというのは伊藤詩織さんの勘違いか思い込みによるもので、実際に東京地方裁判所で行われた伊藤詩織さんが原告として山口敬之さんに賠償などを求めた民事訴訟の当事者尋問において、伊藤詩織さんは看護師の友人にデート・レイプ・ドラッグというものがあって強姦に用いられるなどという話しを聞いて二軒目の寿司屋のトイレで意識を失ったのはそのために違いないと思い込んでいたわけです。ただ、その後の山口敬之さんの当事者尋問において山口敬之さんと訴訟代理人の弁護士、寿司屋の店主が一緒に記念撮影をした写真が示され、丁寧に寿司屋の店主に聴き取りを行ったことを示しながら、伊藤詩織さんが意識を失ったと思っていた時間帯に実は店内ではじけていたと主張していました。
 そして、伊藤詩織さんが山口敬之さんのデート・レイプ・ドラッグによる強姦の被害を受けたとする書籍や記者会見などでの表現が名誉毀損にあたるとして反訴が認容されることとなりました。つまり、山口敬之さんと伊藤詩織さんの性交は伊藤詩織さんの意に反するものであるから伊藤詩織さんの請求を認容する一方、その行為を薬物による強姦であると表現するのはやりすぎであるから山口敬之さんの反訴が認容されたというのが伊藤詩織さんと山口敬之さんの係争によって裁判所が下した判断ということになります。したがって、山口敬之さんを強姦罪で逮捕するようなこととなっていれば、警察は極めて著しい人権侵害を行ったとして世論の批判を甘受することとなっていたでしょうし、それを止めた中村格さんは後に安倍晋三元総理大臣の殺害事件でミソを付けたものの、この事件では警察の威信を守ったといえると思います。
 本題に戻りましょう。社会運動で知り合った女性に対して性的暴行を行ったとする菅野完さんの事件は、その気がまったくない女性に対して、その女性は自分に気があると思い込んだ菅野完さんが性行為に及ぼうとし、それが違法であるとして民事訴訟で賠償を命ぜられるとともに、女性がなした刑事告訴が受理された結果不起訴となったのが事実のすべてであるといえます。しかしながら、この事件で菅野完さんのなしたことを「強姦」や「強制わいせつ」と盛りすぎた表現をなす者が絶えません。その代表格が何度も党名を変更して訳が分からない国政政党であるNHKをなんちゃら党の代表で現在は解任された立花孝志さんであるといえます。この立花孝志さんは「レイプ犯」「レイプ常習者」とこの事件の加害者である菅野完さんを表現して裁判所から賠償を命ぜられています。

「NHKから国民を守る党」の党首・立花孝志氏(以下、立花被告)が、令和元年9月28日、Twitterにおいて、当方を「レイプ犯」「レイプ常習者」とする投稿を引用リツイートし、また、立花氏本人アカウントでも当方を「レイプ常習者」と形容する投稿を行なったことに対し、当方はかねてより立花氏を名誉毀損で訴えておりました。

 本日(令和2年12月7日)、東京地裁において、その判決言渡しがあり、裁判所は、立花被告に、22万円の損害賠償と当該Twitter投稿の削除を命じました。
 裁判のなかで立花被告は、当方を「レイプ犯」「レイプ常習者」と形容することの正当性を主張するため、数々の理屈を並べました。しかし裁判所は立花被告の主張を全て採用せず、当方を「レイプ犯」「レイプ常習者」と形容することに真実性は一切ないとし、当該ツイートおよび引用リツイートは名誉毀損にあたると認定。上記のとおり賠償と当該投稿の削除を命じるに至っています。 

菅野完note「名誉毀損訴訟の勝訴に関するコメント(相手側:N国・立花孝志代表の事案)」

 ただ、この事件については不思議な動きがあることも指摘しておかなければなりません。それは菅野界隈ともいえる菅野完さんと非常に関係性の深い人物たちとの間でなされた不思議な動きでした。