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在宅収録をしようと思い立ったけど、何を買えば良いか全く分からずに悩んでいたら、通りすがりのミキシングエンジニアがざっくり教えてくれる話

どうも。久しぶりの更新です。ナレーター、ミキシングエンジニアの小枝シンヤです。

現在、宅録機材の需要がとてつもなく増えております。

となると、必然的にこの質問がよく来るようになりました。

「結局、機材って何を買えばいいのか良いんですか!?何かおすすめありますか!?あと、おすすめの編集ソフトも教えて下さい!」

というお問い合わせです。。。

個別にその都度返事をするのも割と大変なので、まとめました。

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Q.1 機材とかわかりません。編集もしたことないです。コンデンサ?ダイナミック?なんですかそれ?っていう人

A, 3万円以上ののUSBマイクを買いましょう。



「え!?マイクってそんなにお金かかるの!?」という人は、音質がどれくらい違うのかをテストした過去記事があるのでこちらをどうぞ。
全然違います。工夫次第で、格安マイクでもできないことはないですが、オススメはしません。ただ、5000円代のマイクはZOOMや配信用途には向いてるかと思いますので、持っておいても損はないかと。

USBマイクのメリットは、なんといっても省スペースであることと、収録が手軽であることです。すっごい利便性です。今後、グレードアップした製品が出てくることは、間違いないかと思います。


Q.2 予算はそこそこあります!

A, オーディオインターフェースセットを買ってください。各メーカーから出ている宅録初心者セットがおすすめです。

赤いデザインが格好いいスカーレット。高品質にまとまったシンプルなセットです。

DAWソフトのStudioOne、さらにスピーカーまでついている、まさにオールインワン。コスパ最強よくばりセット。

CUBASE LEと解説本がついているセットです。とりあえずやってみようの人はこちらですかね。

オーディオインターフェースを使用すると、音質のクオリティはUSBマイクより向上します。もちろんそれを判断するスピーカーや判断できる耳は必要です。ただし、今は機材が軒並み売り切れているためか、転売なども多いので、時期を見て、落ち着いた頃に買った方が良いかもしれません。ぶっちゃけていうと、この価格帯では、そこまでの性能差はないかと思います。(このセッティングで挫折する人が多い印象です)


Q.3  オーディオインターフェースもマイクも持ってるけど、ホコリ被ってます…。

A, もったいないです!型落ちだからといって、諦める必要はありません!編集を少し覚えれば練習の能率が上がりますよ!

買い換えるなら、マイクのおすすめを書いておきます。

もしくは

このメーカーの製品は、コスパ最強です。この値段でこのクオリティはほんとにありえないレベル。コンデンサは対策しないと、セルフノイズが乗っかりやすいですが、この子達はかなり抑えて収録できる優等生です。

もうちょっと安く!という人は、

とかもいいです。王道ド安定のSHURE、丈夫ですし、プレイヤーの技量をそのまま反映してくれる素直な子です。家ならこっちでよいかも。

よく、高いマイクを買えば音質が良くなるんでしょ!?と思ってる方がいらっしゃいますが、はっきり言ってマイクだけ高いのを買っても意味はないです。環境やマイクプリアンプ、スピーカーなどの平均水準を高くしておかないとその差は非常に分かりづらいと思います。大事なのは、むしろ収録環境だったりします。ノイズが薄く、綺麗な音で録音できるように意識してください。

あれ?ノイマンは?という人もいるでしょうが、個人的にあれを買うなら先にそこそこの値段のスピーカーを買った方がいいです。PCの内蔵スピーカーとかちゃちなヘッドホンで聴いても仕方ないという考えです。


Q.4 おすすめ編集ソフトも教えて!

A, macであればGarageBandで事足りますし、Windowsならaudacityでよいかと思います。どちらもYouTubeに使い方講座の動画がたくさんあるので、それらを参照しながら覚えると良いと思います。

というか、正直なところ、ProToolsとGarageBand、Audacityしか触ったことないので、他の編集ソフトがどうかっていうのはあまり知りません。

時折、「じゃあ、protoolsはどうなんですか?」という質問をされますが、個人的に初心者の人にはおすすめしません!たしかに、操作が簡単といえば簡単なのですが、PCスペックが足りない場合や、諸々のセッティングで99%躓きます!

有償であれば、最近ちらほら使用者を見かける、Adobe auditionなどが候補に上がってきます。ただ、僕は触ったことはないので、具体的な使用法は他の方にお聞きするのが良いと思います。他にも色々あるんですが、あまり選択肢を増やしても混乱させるだけなので、相談できる友達が持っている一緒のものを使うのが一番よいでしょう。


Q.5 ヘッドホンなんかも…あったりしますか!?

A, フラットな音質のものを買いましょう。低域の音が目立つ様なリスニング用に特化したものはオススメしません。

※<注意>最初に申し上げておくと、音質がどうのこうのという話になると、最終的に好みの問題に帰結します。その辺の話は宗教じみてくるので、自分は「コスパ」「利便性」でお話ししていきたいと思います


フラットな音質ってなんですか!?自分それも分からないんです!という人は、SONY 密閉型スタジオモニターヘッドホン MDR-CD900STを買いましょう。

もしくは、SONY ステレオヘッドホン MDR-7506

どこのスタジオにもある、ド定番ヘッドホン。

低域から高域まで、すべての音がまんべんなく一定に聞こえます。文章で説明するのは限界があるので、こればかりは身体で覚えるしかありません。

他にもフラットなヘッドホンはありますけど、本当に種類が多すぎて僕もおすすめしにくいんですよね。ただ一つ上げるなら、

これがおすすめです。理由としては、3000円でコスパ最強だから。私も使っていますが、雑に使えますし、なかなかに優秀な音質で気に入ってます。

追記:2020年/6月25日

ClassicPROさんからリリースされている、「CPH7000」を購入しました。

聴いて驚きました。音質がすごくいいです。前述したPHLIPSも3000円以下という点ではオススメ出来るのですが、+1000円出来るなら、こちらもオススメします。


スピーカーに関しても、なるべくフラットなものを買いましょう。

ただ、日本の住宅環境的に大きな音量で流すのはちょっと難しいです。場所もとりますので、この辺りはサイトのレビューを参照するべきです。一番いいのは、店頭での試聴です。とはいえ、最初から高性能のスピーカーを買うのも現実的ではないので、Amazonで一番売れてるようなスピーカーでもよいと思います。ちなみに音質は値段相応です。最初は安めの値段でから攻めていくという方法のひとつとしてお考えいただければと思います。コンパクトなので家に導入しやすいのもメリット。

一応、高価なスピーカーも書いておきますね。

業界でもはやスタンダードになっているモニターのシリーズでの最小モデルです。もはや完全にプロの領域です。

手のひらサイズの超コンパクトな見た目からは考えられない音量を出せるすごいやつ。Bluetooth接続も出来る上、マイクスタンドで支えられるほどの軽量で、持ち運びも楽に出来ます。

執筆中にやっぱ買おうと思ってさきほどポチりました。BT接続できるのはマジでいい。小型の中では大きいほうですが、必要十分な性能を兼ね備えてます。

ちなみに私は、ヘッドホンよりもスピーカー派です。長時間の作業で頭が痛くなったり耳が疲れたり、夏場だと特に蒸れてかゆくなったりと、集中力を欠くことになるからです。


ま と め

色々紹介しましたが、自分の経験からどうしてもお伝えしたいことがあります。

結論からいうと、宅録って簡単だけど簡単じゃないです。

スマホでボイスレコーダーを立ち上げて収録すれば、これも「宅録」です。

作曲家の人の自宅スタジオみたいな設備で収録することも「宅録」です。

予算、住宅環境、仕事の頻度など、いろんな要素があるかと思いますので、各々の判断で自分の必要なものを考えてみてください。

収録にいたっては、いかに高価な機材をそろえるにしても、

「ノイズが入りづらい部屋の環境、マイクとの適切な距離、適切なレベリング」

この3つがとても重要です。

そして何より、「機材をそろえたからといって仕事(リターン)がくるという保証はない」ということです。

既に仕事を何件か受け持っている場合や、自発的な興味があるのならともかく、もしあなたが「みんながやってるから自分もやったほうがいいのかな」というくらいの動機ならば、宅録よりもボイトレなどをして自己研鑽に励む方がよいかと思います。

理由としては、機材はこれから年単位でアップデートしていくことは間違いないからです。数年後、全く新しいハードが生み出されて、それがスタンダードになることも考えられます。なので、今買う必要があるかどうかは、最終的にご自身で決めてください。

結局のところ、自分自身が道具を使いこなせるようにならなければ、宝の持ち腐れになってしまいます。予算や環境、各々の用途に合った機材を選ぶことが大事です。もちろん、買わないこともひとつの選択肢だと、私は思います。

それでは、素敵な宅録ライフを!


次回は、スマホとアレで簡単に作る!速攻ボイスサンプル作り!を予定してます。

それでは。

小枝シンヤ

 <このnoteはあくまで個人的な意見です。また、誤情報などないように気をつけてはいますが、間違いなどがありましたらご指摘して頂けると幸いです>

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