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【子どもと海外移住】一番の目的は英語ではなかった?

教育移住という言葉、
ここ数年よく聞くようになりましたよね。

教育移住とは、子供の将来のために
住む場所を移すこと。

我が家は家族4人でアメリカへ移住しました。

子供の未来に良い方向にはたらけば、という思いもあるので
我が家も教育移住者の一例です。

だけど、夫婦で移住について話し合っていた時
「子供の”英語力のために”移住したいね」という合意はありませんでした。

私たち夫婦は日本生まれ日本育ちです。
さらに、大学生になるまで海外に行ったことがありませんでした。

そんな私たちが子供の教育のために
海外移住を選んだ理由とは。

子供の英語教育に興味のある方や
海外移住に興味のある方のご参考になりましたら幸いです。

英語力のために移住?

移住を決めたことを友達に話した時
「子供たち、英語ペラペラになるね」
とよく言われました。

確かに、子供たちは現地の学校に通うし
英語は話せるようになるだろうとは思っていました。

実際に移住して半年経った今、
小1の息子は、簡単な会話は英語でできるようになり
学校で借りてくる本を
読んで聞かせてくれるようになりました。

新しい環境で、本当によくがんばっています。

だけど、子供の英語教育は、
我が家の移住の一番の目的ではありません。


高学歴親の感じる偏差値教育の先にある閉塞感

では、何が移住の目的なのか。

すこし、私と夫の話をさせてください。

私たち夫婦は、それなりに勉強のできる学生時代をすごしました。
国立大学を卒業し、日本の企業に就職しました。

大学時代には短期の海外留学を経験し
英語力も割と高いほうでした。

だけど、会社員として
私はあまり活躍できませんでした。

会社独自のお作法に適応できず
与えられた仕事にやりがいを見いだせず
かと言って、新しいものを切り開く勇気も独創性もありませんでした。

なんのためにこれまで勉強を頑張ってきたんだろう。

新卒で就職した会社を3年で辞めて
転職を繰り返しました。

その頃、日系航空会社のJALが財政破綻しました。

いい学校を出ていい会社に入れば安泰という考えが過去のものとなった
という世論が広まりました。

たとえ高学歴を得ても
自分のことを理解し、活躍できる場を持たなければ
幸福な人生は送れない。
と思うようになりました。

もちろん、学歴が意味がないと言うわけではなく。
友人にも、高学歴を得て社会で活躍し、
幸せに暮らしている人もたくさんいます。

少なくとも、私にとっては
偏差値教育で上位を取ることが
幸福にはつながらなかったということです。

自分たちと同じ日本の教育のレールを歩いた先にある閉塞感を
子供たちにも与えるのか?

「自分はこの教育の先で苦しい思いをしたんだけど
子供たちはきっと友人たちのように活躍してくれるはず」

と楽観的は思えませんでした。

両方知っているということが強みになる日

だからといって、「海外で教育を受けたら幸せになれる」というわけでもありません。

だけど、アメリカで夫の駐在に帯同し子育てをしたときに
国が変われば教育も違うんだと知りました。

ルールに縛られず、他人におおらかな環境での子育ては本当に心地がいい。

親の私がそう思うのだから、きっと子供もそうなんじゃないか。

これは、アメリカがいいとか、
日本が嫌だとかそういうことではないんです。

そうではなく、私の思う海外育ちの日本人の強みとは、
それは「外の世界を知っていること」
そして「日本も、日本以外も選べる状況にあること」なのです。

「子供にとっては、ほかを(日本以外を)知ってる。どっちも選べる。という状況がいいよね」

移住を検討している時に
この夫の言葉を聞いて、本当にそれ。と思いました。

夫は現在はアメリカにある会社で働いていますが、
転職活動の際、
「日本では知名度のある大学でも
アメリカ人からしたらどこ?という感じだし
日本の学歴は武器にならない。」とこぼしていました。

そして、単一文化・民族の日本で育った私たちには
今アメリカで暮らして出会う人や文化、慣習のすべてが初めての経験です。

暮らしのうえでは新鮮で楽しいのですが、
ビジネスパーソンとしてはやや支障があります。
物理的に支障はなくても
日本の社会しか知らない人間にとって
メンタル面でかなりタフだろうと想像されます。

夫を見ていて、私が思うことです。

幼少期から海外の人たちや文化と関わりを持つこと。
それを通じて子供たちには、
いま夫と私が感じている
こういったバリアを少しでもなくしてあげたい。
(あげたいというと、おこがましいですが。)

異文化かつ多様性のある環境で教育を受けたという経験を武器に
自分の人生の舞台に、日本以外の場所を選ぶことができると思うんです。

この、両方知っている。日本だけじゃないんだよ。
この選択肢を与えたかった。

これが、我が家の教育移住の目的です。

結局、親が住みたいから住む

あれこれと書きましたが、結局は親のエゴですよね。

こうやって移住の目的を子供に焦点をあてて書き始めると、
自分たちがもっているコンプレックスを
子供たちに投影していることは否めないなと実感します。(汗)

でも結局、今アメリカに住んでいる理由は
私も夫も日本以外の国に住んでみたかったから。

それに尽きるんです。

なので、冒頭に教育移住者の一例だとは書きましたが、そんな意識はなくて。
私は、”教育のため”とか、ましてや、”子供のために”
アメリカに住んでいるとも思っていません。

親が自分のやりたいことに正直に生きる姿を見せるということ

子供たちが将来、今のアメリカでの経験をどう捉えて
どんな道に進むかはわかりません。

だけど、自分のやりたいことを見つけて
満足できる人生を生きていってくれたらいい。
そのためには、時にはリスクをとって挑戦してほしい。

自分たち夫婦にとって”やりたいこと”だった海外移住。
日本での平穏な暮らしとは程遠く孤独な時もあるしリスクもある。
それでもこの選択をしたことを後悔することはないでしょう。

そういう我々の背中を見て、なにか感じ取ってくれたらいいなぁと
思ったりしています。

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