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「死者の幻影」 ー 葬送のフリーレンより

上でも書いたとおり、第2巻序盤の「死者の幻影」は特に好きなエピソードだ。

死んだ身内や知り合いの幽霊が生前の姿のまま出てきて、話しかけてくる。
怖いというよりは、懐かしい、という感じ。
そうして誘われて、そのまま魔物に食われてしまうのだ。
そんな恐ろしいトラップ。

フェルンにとってかけがえのない育ての親であるハイター。
その生前の姿が現れて話しかけてくる。
懐かしい声で。懐かしい言葉を。
理性では魔物の仕業とわかっていても、感情は納得できるわけがない。

正直、このエピソードにかなり自分の感情も揺さぶられた。

異人たちとの夏

かつての身内や愛した人が生前の姿で現れるのは、やはり人間の求めてやまない願望であり、いままでたくさんの映画や小説が生まれてきた。

「葬送のフリーレン」自体もそうだし「黄泉がえり」もそんな作品だった。そのなかで、個人的に思い入れが特に強いのは「異人たちとの夏」という映画。

少年時代の優しかった両親に生前の姿のまま再会し、かつての様な日常生活を送る。
あまりにもノスタルジックで、切なくて、哀しくて、映画を見て泣いたのは初めてだった。

オブリビオン

トムクルーズ主演の、とにかく美しいSF映画。
「忘却」を意味するタイトルが哀しい。

こちらは幽霊ものではないけど。失われた過去と再会するモチーフは共通する。
とてもノスタルジックたっぷりなシーンが多い。
湖畔の小屋で、アナログレコードからレッド・ツェッペリンの曲が流れるシーンは切ない。
涙腺を直撃するヤバい映画だ。

深夜の2時間DTMで曲作り

2年前の2月、深夜の2時間DTM:お題「幻想をイメージした曲」が出た。

当時、涙腺を大いに刺激されていたので「死者の幻影」エピソードをイメージして、「幻影鬼(アインザーム)」という曲を作った。

7/8の変拍子で反復するピアノに合わせて、幻想的なシーケンスを重ねる。
どんどん深みにはいっていくシンセサイザーパッド。
途中から緊迫を高めるドラムを入れ、最後は幻影を振り切るようなアレンジにした。

個人的には、自曲の中で10本の指に入るくらい好きな曲。

今回、「死者の幻影」エピソードのアニメ化を記念して、その曲をアレンジ・マスタリングしなおした。自信作。

よろしければ、こちらをお聴きください。

マスタリングに興味のある方は、こちらもご覧ください。

長文をお読みいただき、どうもありがとうございました。


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