ピラーレスガラスケースの悩ましさ:XPG INVADER X と仲間たち
全世界3mm万人のご自宅が全面ガラス張りの皆様こんにちは。mってなんやと言われましても、正規表現で言うところの「◯月」に該当するアレなので、なんか適当に入れてあげてください。あなたの選択次第で、311万人なのか、3億1212万人なのかが決します。何いってんのって? 私が一番そう思ってます。香月です。
さて、今回は3製品まとめた内容で色々とご紹介。ケースと簡易水冷とファン変えましたよというお話です。
当たる時には当たるもんだ:プレゼントキャンペーン当選しました
そもそもなんでケース類をガバッと変えることになったかというと、XとかTwitterとか言われてるアレでプレゼントキャンペーンに当選したのがきっかけでした。いつものごとくTLに流れてくるキャンペーンのポストをbotの如くリツイートとかなんとかしてたのですが、ポロッとDMが到着、「黒モデルのPC BUILD賞当たったよ」との事で、3秒くらいアホの子みたいな顔をした後に色々と連絡。一月下旬に商品一式が到着したのでした。
今をときめく「ピラーレスケース」という事もあって、なかなか面白いものが当たったなぁとしみじみしながら、せっかくだしという事で組み替えながら色々と記事化の準備も進めていたのでした。
製品の紹介
今回は全部で3製品という事で、それぞれザックリと紹介。
XPG INVADER X:ピラーレスガラスパネルケース
まずは大物からでケース。前述の通り、前面と左側面がガラスパネル、かつ左角部分にフレームが入っていない「ピラーレス」タイプのケース。ここ最近のトレンドになっている製品群のひとつ、という事になります。ガラスは3mm厚、対応M/BサイズはATXサイズが最大。
M/B右端部からケース前面のガラスパネルまではそれなりに距離があるものの、ちょうどそこを埋めるように120mmファンが縦1列に3本乗っているもので、全体的には一般的なミドルクラスのサイズ感。似たような形状のケースでは、LianLiの「O11 Dynamic」を使用していたのですが、O11 Dynamicがデュアルチャンバー構造であったのに対し、本製品は底面に電源ユニットを搭載する、という意味でも「一般的なミドルタワー系」な製品です。
各パネルはネジが脱落しないタイプの手回しネジで固定するもので、シャシーのスリットにスライドさせてからネジ固定、というスタイル。ツールレスで脱着が行えるようになっていますが、他のパネルを外すにあたってはトップパネル・右パネルは必ず外す必要があります。「一応」フロントパネルは単体で脱着が可能なように組み立てられますが、その辺も踏まえて後述。
これまで使用していたFractalDesignのTorrentと比較すると、高さ・奥行きは小型化したものの、幅に関してはほぼ同じ具合。両者とも右パネル側に3.5インチHDDを搭載できるようになっている為に、どちらかと言えば右側を膨らませたような印象です。結果として「裏配線スペース」が深く取られているので、配線はそれなりに整理しやすい印象。
付属品としては、ケースに最初から取り付けられているファン5本(通常型1本、リバースファン4本)、別梱包でライザーケーブルとVGA縦置き用の背面ブラケット、あとはネジや結束バンド、ペーパー類とXPGキャラクターのステッカー。今回は使用しませんでしたが、下から支えるタイプのポール型VGAサポートも付属しています。
尚、今回当選したのは「ファン付属・ライザーケーブル付属」の製品でしたが、この2点をオプションとしてより安価なパッケージも販売されています。
XPG LEVANTE X 360:簡易水冷クーラー
続いて水冷クーラー。今回は「黒系パーツ」という枠でのキャンペーンだったので、こちらも各パーツは黒系。ラジエター用ファンは後述する「HURRICANE 120 ARGB」と同一のようです。
梱包の内容も一般的な360mm製品と同じで、開封時点では水冷ヘッドにIntel向けのブラケットが取り付けられています。今回はAMD、AM4環境での使用なので、ブラケットを交換しつつ、対応するネジ等を一通り確認。
ちょっと残念だったのがラジエター。開梱時点でフィンの一部が潰れていました。動作上支障がなさそうだったのでそのまま取り付けましたが、他社の水冷キットも含め、もう少しラジエターに優しい出荷をしてくれると嬉しいなと。今回の製品だけでなく、歴代私が使ってきた簡易水冷クーラー、たいていフィンが潰れてます。
本製品はAsetekのOEMのため、水冷ヘッドは丸形。ソケットへ固定するブラケットは溝をあわせて取り付けるタイプで、ラジエターへ繋がるホースの取り出し位置を柔軟に選択できるようになっています。水冷ヘッド部にはXPGロゴのLEDが埋まっているのですが、この部分にもちょっとした工夫があったので、これまた後述。
XPG HURRICANE 120 ARGB:ARGB対応ケースファン
3点目はケースファン。今回のケースには既にLED内蔵ファンが取り付けられた状態だったのですが、それを全部変えろ! とばかりにファンが5本も入っていました。
ドラム部のステッカーデザインに違いがありますが、それ以外の点は相違無いようで、以前レビューした同社製水冷キットにも採用されているタイプのファン。インペラが単純な1枚モノでは無く、かなり細かくスリットなどの造形が入っています。PWMにも対応しており回転数調整も可能、かつデイジーチェーンにも対応したケーブル周りなので、配線処理では助けられそうです。LEDに関してはARGB対応、インペラ部だけでなくフレーム部も円形に点灯します。
四の五の言わずに組み立て。フロントパネル外すなら気をつけろ
さて、そんなわけで早速組み立て開始。これまで使用していたケースから簡易水冷以外を全部解体した上で組み替えていきます。
とりあえずパネルを外すのですが、トップパネルを外した後、左パネルは背面のネジを緩めて、そのまま上に引き上げるだけで外すことが出来ます。右パネルも同様で、唯一違うのがフロント部。ここは右側上下がネジ留めされているのですが、これはプラスドライバーが必要になります。ネジ留めの他、パネルの上下にボールキャッチでも固定されており、ネジを外しても固定が可能なほか、その状態であれば手前に引っ張るだけで前面パネルの脱着も可能。ただし、フロントパネル脱着も含めてオススメはしません。というのも……
「ピラーレス」なケースなので、当然ケース左側の角にはフレームが無く、ガラスを遮らないデザインになっているのですが、コレが曲者。結構な長さのフレームが「ただ浮いてるだけ」の状態になるため、実質的に「フロントパネルで支えてる」ような状態。フロントパネルを外した状態でこの角に力をかけようものなら、あっさり曲がってしまうくらいの危うさがあります。実際にちょっとだけ偶然に荷重がかかった時に、極めて不安になる感触があったので本当にご注意。他社のピラーレスケースでも同様の事がありうるものと思うので、「ケース上部フレームはどこで支えられているか」をチェックしてから組み立てを行うのが安全でしょう。
電源ユニットのサイズは850W付近がターゲットか?
電源周りのケーブルを整理するのも兼ねて、PSUから作業開始。ここも一般的なミドルタワー同様、背面パネルをPSUに取り付けてからケース内に挿入し、ネジで固定。パネルとPSUはドライバーを使用してネジ留め、ケースに取り付ける側は手回しネジとなっています。いつもと同じように底面から吸気する方向で装着。
本製品では「PSUベイ」が箱のように固定されており、その中でケーブルをやりくりする必要があるのですが、1200Wの大型電源は入りこそすれ、ケーブル出口がかなり窮屈な印象。サイズ感からいうと850WクラスのPSUが最適な感じもあり、今回はちと苦しい組み合わせになったようです。ちなみにPSUベイの上部はメッシュ状になっている他、主にVGA電源向けに使われるであろうスルーホールもあります。
組付けそのものはスムース、電源ケーブルの引き回しはちょっと知恵の輪
ケースの構造が(見た目はともかく)一般的な形状なので、M/Bはじめパーツ類の取り付けに難儀する部分はありません。右パネル側に3本並んでいるファンとM/Bの間にも相応の隙間があるので、組み付け時にファンが干渉する、という事もなく、むしろピラーレスなおかげで広いスペースを確保して組み立てができます。
一方、難儀しそうなのは電源周り。写真では上向き・横向きそれぞれにスルーホールがありますが、ATXサイズのボードを入れる場合には「横向き」のスルーホールを使うことになります。上向きに関してはITX等の小型M/B、もしくは最近いくつか出てきている「バックパネル側に電源端子があるM/B」などの製品で使用するであろう部分で、一般的なATXボードでは横からケーブルを出して、ループさせるようにして端子に接続、という配線になります。こちらに関してはケーブルの硬さや取り回し次第で隣接するファンと接触する場合があるので、ケーブルに過度なテンションをかけず、かつファンと干渉しないように注意して配線する必要が出てきます。
一応確認ということで、手持ちで死蔵していたE-ATXボードを載せてみましたが、案の定スルーホールが完全に隠れました。強いて言えば右パネル側の3連ファンを撤去すれば、ケーブルの取り回し自体は可能ですが、本製品のように「魅せる系」のケースでそれやっちゃうと……というのが、まぁ。そんなわけなので、その点を開き直れるならE-ATXもイケるといえばイケるのですが、それなら素直にE-ATX対応ケースを選んでおいたほうがよろしかろう、と。
VGAを縦置きにしてみよう:ブラケット交換、ライザーケーブル設置
さて、今回の製品はVGA縦置きOK、かつ付属品で対応可能ということで、せっかくなのでやってみることにしました。ちなみに先に記しておくと、VGAを縦置きした場合には「他の拡張スロットは一切使えない」という構造です。スペース的にはたぶんロープロファイルもダメ。
順序が前後しますが、まずはブラケットの交換。4箇所の手回しネジで取り付けられており、こちらもツールフリーで付け替えが可能。縦置きブラケットは4段、また左ガラスパネルとのクリアランスはさらに2~3段分はあるので、冗談みたいにデカいVGAでも幅広く対応出来そう。今回はスロット4段分使うような弁当箱クラスのVGAの取り付けです。各スロットのブラケットは金属疲労を使った打ち抜きタイプで、ちょっとコストダウンを狙ったのかな、といった印象。予備のブラケットは同梱されていますが、ここは好みが分かれそうです。個人的にはできればネジ留めタイプが良かったなとか。
続いてライザーケーブルを取り付け、固定。さすが同梱品なだけあって、長さも向きもバッチリ。ケーブル自体はPCIe4.0対応のもので、x16に対して全結線のようなので、この記事執筆時点で流通しているVGAに関しては問題なく使用可能。ライザーケーブルを挟んだ影響が出るかどうかは後ほど。
横置きと比較して、ボードの重さにそこまで気をつける必要が無い縦置きはなかなか楽チンといえば楽チン。ネジ穴の精度も良いようで、ブラケットの固定に苦労することはありませんでした。私の使用しているTUFシリーズはギラギラ光るようなボードではないのですが、光り物としてVGAも目立たせたいという要求にはサクッと応えてくれそうな構造・同梱品です。
右パネル側はそこそこ余裕アリ
続いて右パネル側で配線やらなにやら色々やるわけですが、前述した通り本製品も右パネル内、裏配線スペースが深く取られており、配線整理がしやすいだけでなく、2.5インチ/3.5インチドライブを載せても多少の余裕があります。ドライブ自体は3台までで、ちょうどCPUバックプレートの裏に一枚モノのステーがあり、そこにドライブを固定、その後にケースにステーを固定といった具合。端子の向きさえ気をつければ、ここでつまづくような事はそうそう無いかと思います。強いて言えば、最近だとM.2タイプのSSDも2.5インチSSDと価格的に大差なくなってきたので、M/B環境が許すならM.2優先で増やして、2.5インチベイは使わない……という方向に持っていきたい今日このごろ。現状B550のM/Bなので、そう上手く行かないのです。
配線周りに関して言えば、これは設計した方はかなり頑張ったのだと思いますが、「ミドルタワー+ファン大量」という本製品でも、ケーブルマネジメントはかなり楽に行なえます。ちょうどファンとドライブステーの間、M/B向けの電源ケーブルが抜けるあたりで縦にバッサリとスペースが設けられており、「縦方向にケーブルを流す」ということだけ頭に入れておけば、少なくとも「フレームの端っこから変なケーブルがコンニチワしてる」なんて事は起こらないでしょう。面ファスナーのベルトでまとめながら整理してあげれば、頻繁なメンテナンスやケーブルの引き直しも楽に行なえます。また、本製品はフロント下部に電源ボタンやUSBポート等のフロントパネルがある為、フロントパネルからM/Bピンヘッダに伸びるケーブルも最小限、かつスマートに引き回されています。フロントパネルが上にあるケースだと、そのケーブルを引き回すのだけでも苦労する点なだけに、これは楽だったなと。机上に置いて「魅せる」前提のケースなので、上でも横でも無く、思い切って下に配置したのはなかなか。
ファン交換はいつもの「ゴムブッシュ」、底面ファンのみ交換せず
続いてはファン交換。前述の通り、簡易水冷の同梱品とは別に5本あるので、右サイド3本、フロント底面、リアパネルとまるまる交換出来そう……ではあるのですが、実際には4本交換、フロント底面はそのまま残してあります。
というのも、追加用のファンは全て「ロゴのある面が吸気、フレームがある面が排気」というタイプのもので、この状態で全てを交換してしまうと「ファンが全部排気、吸気ゼロ」という、流石にちょっとアレだよね的な事態に陥ってしまう為、苦肉の策的にフロント底面のリバースファンのみ残した次第。本来は右パネル側の3本もリバースファンで吸気方向になるので、ケース付属品を使った状態であれば「フロントで吸気、リアで排気、構成次第でトップパネルからも排気」という理想的なエアフローが組めるのですが、オプションや単体製品を使う時にはファンの向きや給排気でネックになります。
リバースファン、逆回転ファン自体は他社から単体製品として販売されているので、そういった製品を選択するのもアリですが、XPG製品で揃えたいという場合にはどこまで妥協するかで悩みそうです。「HURRICANEの逆回転とか出たら嬉しいなー、嬉しいなー」的な世論を作ったらXPGさんトコでも出してくれるかもしれません。お祈りお祈り。
ファンに関してオマケ。フレーム部には回転方向を示すローテーションマークが入っているのですが、リバースファンのフレーム刻印は実際の動作とは回転方向、エアフロー方向ともに逆になっていました。つまるところノーマルファンと「刻印だけ」同じになっているようで、フレームは流用しているのかな、といった感じでした。最近はローテーションマークそのものが無いファンも多いので、刻印があるだけでもよろしいかとは思うのですが、せっかく刻印打つならここも見てほしかったなぁと。
水冷ヘッドはキャップ式、ロゴの向き調整も可能
続いて簡易水冷クーラー取り付け。その取り付け方法自体に特殊な点は無く、AM4環境においてはM/B標準のバックプレートにボルトを立てて、上からネジ留め固定。今回はグリスも別の製品にするので、前述の通り最初から塗布されているグリスは拭き取ってから装着しました。水冷キットとしてはベーシックな設計で、このあたりはさほど難易度は高くありません。
ただし、何も考えずに取り付けを行うと、LEDの入ったヘッド部のロゴが横を向いたり斜めを向いたりします。いつも通りチューブをメモリ側に向けた所、しっかり90°傾きました。「これなんかやりようあるのかなぁ」と色々いじっていた所、キャップが外れる事が判明、ロゴが入っている中のパネルも取り外すことができ、かつ任意の角度に回転して固定が可能な仕組みでした。チューブを横に、あるいは上下に向けて固定しても、ロゴの向きを自由にあわせられるのは工夫されてるなといった感じ。インフィニティミラーの効果も綺麗に出ており、OEMメインな簡易水冷クーラーの「XPG側として」のオリジナル要素もしっかりしています。
組み上がって稼働開始:エアフローの悩ましさ
さて、そんなこんなで組み立て完了。全体通して特殊な構造などはあまり見られず、組み立てに苦労するような所はありません。ケーブルの取り回しもよく考えられており、ちょっと頑張ればかなり綺麗に仕上げられるものと思います。
というわけで実稼働となるわけですが、今回の環境に関しては不安点がふたつ。
ライザーケーブル経由のVGA性能低下はどの程度か?
吸気不足の環境でシステム温度はどうなるか?
という事で、まずはVGAテスト。3DMarkのTimeSpyを使用して、ライザーケーブル有無のスコアを比較。VGAはRadeonRX7900XTX、OCユーティリティ有効状態です。
TimeSpy:直挿し時25817(GraphicsScore31053)・ケーブル経由時24438(GraphicsScore29840)
TimeSpyExtreme:直挿し時13475(GraphicsScore15511)・ケーブル経由時13440(GraphicsScore15091)
重量級のExtremeではかなり近いスコアではあるものの、全体として2~5%ほどスコア低下が見られます。これを高いと見るか低いと見るか、環境や使い方次第なのでなんとも言えない微妙なラインではありますが、少なくとも高負荷時に映像が乱れる、そもそもフリーズする等の不具合は起きなかったので、ケーブル自体の品質は確保されているようです。以前、ノンブランド系のライザーケーブルを試した際にはちょっと負荷をかけるとボロボロだった経験があるだけに、今回のケーブルはある程度信頼しても良さそうな感じもします。
一方、CPU等も含めた全体的な高負荷時の挙動に関してですが、こちらは露骨に差が出てきました。CPU負荷が高く、発熱量が多くなると顕著で、自動OCを有効にしているにも関わらず変動幅が以前よりもかなり小さい状態。これに関しては数値がどうこう以前の話で、試しに左パネルを外して開放状態でテストすると、冗談みたいに元の性能値に戻りました。以前の環境では「フロントパネルにラジエター設置、吸気を直接ラジエターに当てて冷却」という環境だった為、今回の「吸気不足でケース内から排気でラジエター冷却」というエアフローの課題点が露わになった結果です。吸気ファンが少なくなって、なんやかんやでケース内温度が上昇した結果、その流れをモロに食らってCPU温度が抑えられなかったか、そもそもあっちもこっちも排気という状態がエアフローの悪化に繋がっているか、その両方か……といった雰囲気。
これに関して、現在トップパネルに設置しているラジエターの位置を右サイドに移設、かつリバースファンで「ラジエター越しに外気を吸い込む」という、少々トリッキーな配置にしてあげることである程度解消は見込めそうですが、こうなると問題になりそうなのがVGAの設置方法とボード長。今回のような縦置き時には制限はかからないのですが、ライザーケーブルを使わない直挿し、つまり横置き時には、ラジエター設置の為にボード長が270mmに制限されます。実際にクリアランスを確認しても、横置き状態で右サイドにラジエターを配置しようとすると、ファンの厚み分でVGAに接触してしまうような具合なので、ここもどの程度まで妥協するか難しい判断になりそうです。
これ以外の点に関しては今のところ性能面に関するネガティブは見当たらず、前述2点のスコア低下以外では安定稼働も出来るので、「絶望的にエアフローがキツい」という事はありません。ただ、ある程度以上のスペック、あるいは発熱量のパーツで組み合わせる際には、気になる点が出てくるかもしれない、そんな感じです。
「同一ブランドでガシガシ揃えられる」贅沢
そんなわけで、プレゼントキャンペーンに当選したですよゥィー的な流れで今回ズァッと組み立てながらレビューネタを用意してきましたよ、というお話でした。XPG製品としては今回の3点の他、電源ユニット、メモリ、SSD、果てはキーボードにマウスにヘッドセットにと、「CPUとM/BとVGA以外は全部揃う」といったブランドなだけに、「全部このブランドで組むぇ」という贅沢が許されるのは、凄い時代になったもんだなとしみじみ。私は基本的に「全パーツ統一する」のはあまりしておらず、今回のような機会でもなければパーツ単位でメーカー違いは当たり前にやってるのですが、たまにはこういったPCいじりも面白かったなぁと改めて。ついでに言えば久々のガラスパネルケースだったので、LEDいじりも楽しかったです。
一方で、冷却系やパーツサイズ制限等の部分はなかなかに惜しかったなと言わざるをえない所。いくら「魅せる系」で組んだとはいえ、PCとしての性能がスポイルされてしまうのは流石に本末転倒になってしまうだけに、その点をカバー出来るような単体販売のラインナップもぜひ展開して欲しいなと。ライザーケーブルに関しては「使えばほぼほぼスコア落ちする」というモノなので、今回のテスト結果としては上々だったものの、ファンを綺麗に見せつつ冷却効率も……と考えると、単体販売でリバースファンがあっても良さそうなものです。他社から販売されている製品があるとはいえ、そうなると「同一ブランドで揃える」事が出来なくなってしまったりと、色々と悩ましい点が見えてきます。
そうはいっても、これだけ一通り揃えているブランドもそう多くは無い事、個々の製品の品質は良好なだけに、組み合わせた時に様々な面での要求値を満たすような製品群を……あと一歩を願わずにいられません。ぜひとももうひと踏ん張りを!