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『タフティー•ザ•プリーステス』ヴィジム•ぜランド | SBクリエイティブ

 この手の「引き寄せの法則」を私のような中年男性が讀んでいると、或る種の恥ずかしさを感じるので、この本は珍しく電子書籍で購入し、表紙を隱した。購買理由は、表紙の赤面した女性に惹かれたのもあるが、マトリックスからの脱却には「身体性」が必要であろうという視点が書かれてあったからだ。久方ぶりに世間の流行本を確認しておきたかった。ちなみに、本書ではそびらの「三つ編」が願望を実現できると表現されている。

 三つ編の話をするまえに、「身体」を文字通り「身」と「体」に分けておく必要がある。「体」の方は、皆様よくご存じの鏡に映る外見のことで、いわゆる健康をよしとする世界觀であるのに対し、「身」の方は、日本文化の軸でありながら、すでに私たちが失った内觀を指す。躾(しつけ)というのは、文字通り「体」罰とは一切関係がない伝統的な教育觀であったが、もう現代人にこんなことを話しても、誰もわからなくなってしまった。

 というわけで、三つ編は「身」の領域の話になる。茶道等の伝統藝が扱う躾に近い。兎にも角にも、我が身における三つ編感覺が抱ければ、世界は「ほしいまま」なのだ。ちなみに「縦」や「恣」等、漢字一字で「ほしいまま」と讀ませるものは幾つかあるが、あなたはどれがお好みだろうか。それでは、私の身の上話をしていこう笑。私はことごとくこの方法で、願望というよりはあるべき現実を実現してきた。

 こちらも文字通り、眼前の「現実」を逆にすれば「実現」できるようになっている。

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