落語家の名人が坐ると、折り目正しくされた脚が座布団と同化して視えるように、昼寝上手は床と軀の縁どりが曖昧になる。私が出逢った至極の昼寝名人は、実は人ではなかった。灼熱のなかのタイで、冷たい石のうえに睡られた神々しいお姿は今も忘れない。まるで石までもが昼寝をされているようであった。
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