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椎名林檎

友人と話していて、ユーミンの話になった。


かつてユーミンは
「美空ひばり復興の象徴。私は繁栄の象徴」
と言っていた。

然し、日本は衰退している。
そこで恐らく衰退の象徴は

『椎名林檎』

だろう、と。

ユーミンが繁栄と恋愛を歌い、恋愛至上主義となり、それがアッシー君とか、そう言うモノに変換されるのだけども、椎名林檎のデビューアルバムは99年なんだよな。

それから日本って衰退の一途を辿っている気がする。
それはユーミンが歌えなくなった時期とシンクロしている。

ユーミンの登場で、クリスマスと言うシーズンは変化したし、恋人がいないのは罪と同等になった。

で、椎名林檎は歌舞伎町をPOPソングに乗せて歌った。

ユーミンの影響が、それこそ10年の月日を必要としたように、椎名林檎にも月日は必要で、その影響と言うのは、言うなれば

『トー横キッズ』

に象徴されるモノなんじゃないか?と思う。

椎名林檎は歌舞伎町と言うundergroundな街をPOPソングにしたが、じゃあ、歌舞伎町はクリーンな街になったか?って言えば、そんなワケがない。
薬物や風俗店、売春にホストにキャバクラに色々。

そう言えば菊地 成孔が歌舞伎町の住民である事を公言していたが、あれは「そう言う方が受ける」
と言う元千葉県民の野生の感だったんだろう。

美空ひばりは復興の象徴
ユーミンは繁栄の象徴
椎名林檎は衰退の象徴


椎名林檎の登場って1999年なんだよな。
それこそノストラダムスの大予言の時期に登場。
その数年後には小泉政権が始まり、派遣切りが始まった。

椎名林檎のサウンド自体はOASYSのパクリだから、意外と元渋谷系とかも好んで聴いていた。

然し、歌舞伎町だった。

東京と言う街はユーミンが歌い上げ、そしてピチカートファイブでピークに達する。
そして椎名林檎で終焉を迎える。
ユーミンやピチカートファイブが歌った東京は渋谷区であり、中野区とか練馬じゃない。
実際、若者と言えば渋谷だったワケで、嘗てはチーマーとか黒ギャルの聖地だった。

今や歌舞伎町とかトー横キッズだもんな。

ユーミンやピチカートファイブの頃にも『援助交際』と言う売春があったが、トー横キッズだと

『たちんぼ』

だもんな。

女子校生が自ら『女子校生』を売るのと、純粋に性的に『たちんぼ』は違う気がする。

『女子校生』と言うブランドを売るのと、トー横での生活費の為に売春をするのは明らかに違う。

90年代女子校生は薬物とかやってなかったもんな。

あと、渋谷系と言うか渋谷に集うには東京都在住じゃないと厳しかったはずで。
それと消費の街だから、金銭的な余裕も。

椎名林檎が歌い上げた歌舞伎町だと、身体を(性病に感染しながらも)売る必要性がある。
切羽詰まった状況と言うか。

それは別に椎名林檎の責任ではない。
ただ、椎名林檎の登場は東京と言う街の衰退だった。
または渋谷と言う街の再開発と同時について衰退していった時期に重なる。

美空ひばりは復帰→繁栄を知って死んだ。
ユーミンは繁栄のなかで声が出なくなり、歌手として第一線から退いたら。
椎名林檎は衰退していく東京と共に。


10代の行動って世相を反映していて、トー横キッズが性病に感染しながらも売春を行い、薬物でODをする。
精神科ではなくホストクラブでメンタルケアを行う。

トー横キッズは特殊な気もするが、今の東京、または社会情勢と言うのはトー横キッズが反映している。

この街には未来がないんだ。
この国には未来がないんだ。
私達には未来がないんだ。



実際、20年とか30年後の日本のみならず、日本に未来を感じれるか?といえども誰も想像もつかないだろう。
間違いなく『最悪』しか残っていない。

この国は最早、これまで。

そう考えると、売春やって。ドラッグをやっている方が幸せなのかも知れない。

かつて、同じく未来を無くした国が阿片で滅んだように。

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