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引き込まれ、夢中になる時間 

ー 2024/06/15 森と自然のこどもリトリート なおけったレポート ー


初回ということで、駅に集合した時の子どもたちの表情は、少し緊張している様子。
顔なじみの友達を見つけ嬉しくなってはしゃぐ姿もあれば、初めての場に硬い表情のまま電車に乗り込んだ子もいました。


集合の時から、私の手をぎゅっと握って片時も放すことなくいた男の子。
私の手も、男の子の手もしだいに汗ばみ、「ベタベタだよ~」と手汗を拭く間も、反対の手で握って放さないほどで、その緊張と不安が伝わってきました。

それでも、電車を降りて歩みを進めていくと、やがておしゃべりが止まらない程自分のことをたくさん話してくれるようになり、活動への期待が膨らんできているようでした。

そして、いたち川沿いに入るとすぐ、たくさんの実をつけたヤマモモの木が。
とたんにパッと手を放し荷物を投げ出すと、気づけばもう木の上に。
大きな声をあげながら満面の笑顔で、熟した木の実を探して手を伸ばしていました。

私の手を握って放せずにいた姿が噓のよう。
その後は、もう私の方を振り返ることもなく前へ前へ。
魅力的な遊びがきっかけになり一気に遊びに引き込まれて、不安や緊張もどこかへ行ってしまったようでした。


いたち川の入り口で見つけた1本のヤマモモの木。

熟して落ちた実が地面に広がっているのを見つけ、見上げると木にもたくさんの美味しそうな実がなっています。
子どもたちはあっという間に引き込まれ、高いところから手を伸ばしてみたり、ジャンプしたり、木に登ってみたりと、それぞれに木の実を取ろうと必死になり、試行錯誤が始まりました。

簡単には取れないところがさらに子どもたちを夢中にさせたよう。
あの手この手でどうにか取れた1粒を口に運ぶと、嬉しそうに味わいながらも、さらにもう一つ!とチャレンジを重ねていきます。

木登りが得意な子を応援して、「もうちょっと上!!」「そこそこ!もう少し!」と声が上がります。そして、いくつか同時に取れると、そばにいる子に分けてあげる姿も。


そんなふうに木の実に夢中になっている子がいる一方で、木の実にあまり興味がない子、そして木の実がなかなか取れずに飽きてしまった子もいました。

そんな時ふと見渡すと、足元に生えていたツユクサの花びらで遊びだしたおけまるの姿が。
近くに行ってみると、なんだか楽しそうなことをしています。

いつの間にか引き込まれ、きれいな青い花びらを手に取り、爪に乗せてみたり、着ていた洋服に乗せたりして、色が移るのを一緒になって楽しんでいました。


まだまだ川沿いの道に入ったばかり。先は長いのですが、大人も子どもも誰も急ぐことなく、たっぷり遊びこんだ時間。

ヤマモモの実に夢中になっている子が十分満足するまで、他の子もまた別の楽しみを見つけて夢中になっていました。

どちらかが合わせる、どちらかが我慢する。
そんなことしなくても、他に目を向けることでそれぞれが楽しみを見つけ、お互いを尊重しあって過ごせる空間が、とても心地よく、豊かで充実した時間に感じました。

この後も活動は続き、たくさんの寄り道をたっぷり満喫しながら、最終の上郷六反町公園を目指すのでした。

月に1回のプログラム。
ねらいを立てて活動場所を決め、こんなふうに過ごせるといいな、こんなことができたらいいな、と思いを巡らせていますが、何より大切にしたいのは、その日の子どもたちの姿です。

それぞれのペースやタイミングを保障し合いながら、子どもたち一人ひとりの心が動く瞬間、夢中になれる時間を大切に、参加している子どもも大人もみんなが心地よく過ごせる場を作っていけたらと思っています。




自己紹介


スタッフ なおけった
大学卒業以来、保育ひとすじ? やりきって保育を離れたと思ったら、またいつのまにか保育の道へ戻っている私。気づけばSORAを開園し、6年目となりました。
保育園を巣立った子どもたちのその後の育ちも、保護者のみなさんと一緒に見守っていけたら嬉しいです。

心地よい自然の中で、子どもたちと一緒に過ごすことが何よりも幸せです。
自然の持つ力、不思議さ、おもしろさを子どもたちと一緒に楽しみたいと思っています。

\活動への参加お申し込みは下記のPeatixスページより受付中/


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