切ることが出来ない木
怖い話というか不思議な話です。
子供の頃、僕が住んでいたマンションの隣には寺がありました。
その寺には物凄く大きな木があって、その大きさからマンションの敷地を暗くするほど。
そして秋が過ぎれば、その木から大量の葉が車に落ちるため、そこにある車はカバーをして、葉を避けてました。
子供の頃、そのことが純粋に気になったので、僕は母親に聞いたことがありました。
母親によればずっと昔(多分今から50年くらい前)、マンションの住人たちによる管理組合たちは、寺の住職と話し合い、その木をきってもらうことになりました。
そして木を切る予定の日、いつになっても業者がやって来ず、住職が事務所に電話してもつながらず。結局、その日は業者が来なかったようです。
後日、その日のことについて住職から管理組合に説明がありました。
寺にある木を切る日、業者が寺に向かってバンを走らせていた時、交通事故に遭い、警察と救急車が駆けつけたときには、バンに乗っていた木こりの親子は亡くなっており、即死だったようです。
そこで警察が事務所に連絡をかけたのですが繋がらず。
後で分かったことですが、木こりの親子が交通事故に遭ったちょうどその頃、事務所が火事になり、留守番していた母親と息子の妻が焼死したようです。
この話を住職から聞いた管理組合は話し合いの結果、寺の木を切ることを諦めることにしました。
このような不思議な木のある寺に隣接していたせいか、僕が住んでいた頃はマンションで不思議な出来事が多くあり、それもこれも隣の寺によるものではないかと囁かれていました。
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