真夜中の高校生ヒッチハイク
時計を見ると、昼の1時だった。
ネットカフェに泊まっていたぼくは、
「...え。いくらだろう?」
そう思い、急いでレジへ向かった。
店員『お会計は、3000円です(ニコッ)』
ぼくは旅に疲れ、10時間以上の睡眠をとってしまった。高校生のぼくにとって、3000円は決して安くなかった。また、そのせいで、0円で福岡から広島まで来れたのに、初めて自分のお金を使った。
「だいぶ、落ち込むわ...」
目をこすりながら、次の目的地へ出発した。
次の目的地は「大阪」なのだが、天気は雨だから普通にヒッチハイクしてもダメだった。だから、目的地を書き換えて「岡山」にすることにした。屋根があって、車が多い場所あるかな...と探し歩き続けること3時間。
遂に、高速道路の下にたどり着いた。
24時間営業のマックもあって「ちょうどいいヒッチハイクスポット」だった。そんな場所で、「岡山」と書かれたスケッチブックを掲げる。
そして、1時間経過した。
「...車が捕まんない。」
2時間経過...。
「まだ...捕まんない。」
3時間経過...。
「場所...変えようかなぁ。」
3時間も車が止まってくれないのは珍しかった。だいたい30分〜1時間で止まってくれた。しかし、雨の影響もあってか、一台も止まる気配がなかった。
結局3時間半...スケッチブックを掲げただけ、で終わった。
ぼくは、マックで休憩することにした。
店員さんが中から見てたようで...
「ずっとヒッチハイクしてましたよね!?」と驚いた様子でぼくに話しかけた。「今日、宿にさせて頂くかもです...(笑)」と言うと、「寒いんで気をつけて下さい!」と。
優しすぎる(泣)
ぼくは、ビッグマックを頬張った。冬夜の広島は、気温は一桁だった気がする。
−−−
「さぁ!始めよう!」
そう自分に言い聞かせて、ヒッチハイクを再開する。しかし、当たりは真っ暗で、時間は22時台だった?気がする
(※はたから見たら、完全にヤバい奴だ)
寒さで頭がおかしくなりそうになりながら(※すでに頭おかしい)ヒッチハイクをしていた。
23時をまわり、寒さが増す。
静かになった広島の道を眺めながら...
「さみーーーー」
ひたすら、そうつぶやく。
夜中0時...
一台の車が信号で止まった。20代後半くらいの男性?くらだろうか。「じーーー」っとこっちを見ている。
暗闇だったから、正直少し怖かった。
信号が青になった...車はハザードをたいて、こっちに近づいてくる。
ぼくの目の前で止まって、助手席の窓があいた。
「岡山いくで!!」と男性が、ニッコリ一言
ぼくは「やべえええええええ。まじすか!?」と大声で雄叫びをあげた。
その男性は、弁当屋の店主でこれから岡山まで用事で帰るそうだ。「シャワー浴びてくるから、30分後にココに居て!」と言われ、白い息を吐きながら「はい!!」とぼくは微笑んだ。
それから、
30分後になって・・・
男性が戻ってきた。車に乗り...「マック食べる?」と言いながら、ドライブスルーへ。男性が、ご馳走してくれた。
ぼくは「ビッグマックで!」といい、本日2度目のビッグマックを頬張った。
「さっき食べたのより上手い...」
そう思うのであった。
その後、少し談笑したあと、男性が
「寝とき!」
...と一言。しかし、ヒッチハイク中に車で寝るのは、マックでスマイルだけを注文する行為に等しい。だから、
「いや。寝ないので、大丈夫です!」
そう言った。
男性は「俺も昔ヒッチハイクしよったけど、寝る場所なくてきつかったもんね。だから、気にせず寝ていいよ!」と言われ、「では...お言葉に甘えて。」早々と寝入った。(いや、寝るんかい)
男性が、「”食事”と”睡眠”を制す者はヒッチハイクを制すぜ!」って言ってたのを、今でも覚えてるし、そのとおりだと思ってる(笑)
歩き疲れたぼくは、ぐっすり寝てた。起こされた頃には、岡山のとあるジャンクションの近く着いていた。
「ありがとうございます!」
そう男性に告げ、またヒッチハイクを再開した。
次の行き先は・・・
どんな旅が待ってるのか、ワクワクする!
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