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たとえ校則が変わっても、わたしがズボンを履くことはありません。

わたしは北海道十勝に住む、中学3年生のこだまと言います。
5人家族の長女として生まれ、小さい頃から読書をして過ごしていました。

いまは性別に関係なく制服を選択できるようにするために校則を変える活動を1人でしています。

1, 議論好きの家族から学んだこと

ちょっと変わってるかもしれないけど…
わたしの家族はとにかくさまざまな社会問題をテーマについて話したり、議論したりすることが大好きです。

そのためわたしも幼い頃から社会問題についての話を聞きながら育ちました。話題は紛争について、環境問題についてなどとにかくさまざまです。

その中にはジェンダーフリーについての話題もありました。
ジェンダーフリーとは、性別による役割にとらわれずに、平等・公平に誰もが自らの能力を生かして自由に行動・生活できることを指します。

わたしの両親は夫婦別姓です。
わたしがそのことを不自然に感じたことはありません。それによって何か不利益になることもありませんでした。
むしろ自分が自分らしくいられる「姓」を選択している両親を誇りに思います。

それにジェンダーフリーは当たり前のことだと思っていましたし、素敵なことだと思っていました。

家族との日々の会話によって「本当におかしいことは変えることができる、権利を守るために行動することは大切なこと」ということを自然に学んでいたと思います。

2, 女の子の制服はスカート一択?

わたしは毎朝、憂鬱な時間を迎えるところから一日がスタートします。

「ふう、今日も制服を着るか…」

鏡の前に立ち、わたしはもう何年も嫌々履いているスカートを手に取り、
履いている自分を見ながら思うんです。

「どうしてスカートが嫌なのに着続けなきゃいけないんだろう」

わたしの身体的な性別は女性であり、心も女性で、
トランスジェンダーというわけではありません。
ただ「スカートを履く」ことに嫌悪感を感じてしまいます。

2-1, スカートを履かない選択によって自分らしさを手に入れた
わたしにとってスカートを履くということはできることならば避けたいことでした。
なぜなら、自分が今までの自分と変わってしまうような気がしたからです。

わたしは小学2年生の頃から野球をやっていました。
チームでは女の子はわたしだけ。周りの男の子たちは、どんどん仲良くなっていきますが、わたしはちょっと疎外感を感じていたんです。

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みんなから認められたい…!                  

と思うようになり、スカートを履かずに過ごすようになりました。

実はわたしはそれまでスカートが好きでした。
今でもおしゃれだと思いますし、素敵だなあと思うこともあります!

しかし、それ以上にわたしは、男の子たちのチームメイトとしてプレーできることを優先したかったんです。一緒にプレーし続けるためには「スカートを履かない」という選択は必要なことだと思っていました。

スカートだけではないのかもしれないけど、
ズボンを履いている自分は自分らしく、堂々とすることができ、男の子たちとも対等であることができました

スカートを履かないことは、女の子らしくしないことではなく
自分らしさを教えてくれたり、あるいはチームメイトの距離を縮めてくれたりしたきっかけでした。

2-2, 女性だからスカートを履かなくちゃいけないの?
ところが、中学に入学すると制服でスカートを履かなくてはなりません。
初めて制服を着てクラスメイトに会う時、相当恥ずかしかったです…。

友だちから「わあ、スカートだ、不思議な感じ」と言われて、悪気はないその言葉に対して「そんなことは誰よりもわたしが感じてるよ!!ああ、、ズボンが履けたらな…」と何度も思いました。

むやみに走ったり、飛び跳ねたりもできず、自転車に乗るときや強い風の日には、バフバフになる裾を気にしたりとスカート生活はとても窮屈なんです。

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読者のみなさんの中にも同じことを感じている方がきっとたくさんいるのではないでしょうか?

わたしは次第に校則を変えて性別に関係なく制服を選択できるようにしたいと思うようになりました。

3, 制服を選びたいのは自分のエゴなの?

すぐに制服が選べないことはおかしいことだと感じましたが、先生に意見をしてみても扱ってもらえず、「おかしいと感じてもきっと制服を選べるようにすることなんてできない、、、」そう思っていました。

しかし2つ下の妹が入学するとき「ズボンを履きたい」と言って校長先生や両親と相談し、特例として妹だけ認められることになったのです!!!

「え、、!そんなことできるんだ!」と驚いたと同時に、それならなぜ校則を変えることができないんだろう…と思い、わたしは行動してみることにしました。

3-1,  生徒会役員になって校則を変えてやる!!そのはずが…

まずは制服を選べるようにするという公約を掲げて生徒会に立候補しようと思いました!

わたしの学校では、立候補するためには公約に担任の許可が必要なため、
意気揚々と制服を選べるようにしたいと担任に話しました。

しかし、担任の先生の理解を得ることはできませんでした。
というのも制服を選べるようなれば、今までの中学校の伝統を変えることになるためだと思います。「そう簡単に許可なんてできないか…」と先生の気持ちも理解できました。

そこでわたしは生徒会役員になってから校則について考える場を設けよう!と思い至って別の公約を掲げ、生徒会役員になりました。

ところが生徒会役員は、自分たちから校則について考える場を設けることはできず、全校生徒から意見が上がってきて、初めてそのような場を設けることができる、ということでした。

さあ、大変です。笑

3-2, 困ったなあ、どうしよう、、、

そこでストレートに「校則を変えるにはどうしたら良いんですか?」と先生方に聞いてみると…「全校生徒からそのような意見が上がってくることを待つ」と言われました。

しかしもう少し詳しく聞いてみると…
「町内の他の学校が制服選択していないのに、うちだけ選択できるようにはできない」
という意見が。どうやらこれが本音のようでした。 

このような意見を知り、そもそも先生方とお話しするというだけでも声が震えて涙目になるほど緊張してしまうわたしが、1人でできるほどのプロジェクトではなさそうだな…と思うようになりました。

最後にわたしは目安箱を設置し、そこにみんなが制服や校則について意見の入れてくれることを願いましたが結果はゼロ。打つ手なしです、、、。

なかには「制服に関する校則は変えてもいいと思う」と言ってくれる友達いましたが、同時に「でも現実的に無理だよね」というようなことも言ってました、、、。きっと先生方も同じだと思います。「校則は変えてもいいと思うけれど、大変なんだよね」と思っている先生もいるはずです。

校則を変えたい生徒の意見、特に変えたいと思っていない生徒の意見、変えるためには町内の学校との調整をしなければいけない先生方の意見など、さまざまな立場の人の思いがあるんだなと思いました。

これからわたしがやろうとしていることは、
誰かにとっては必要で正しいことだけど、誰かにとっては伝統や関係性など大事なことを壊したりする可能性があるんだと学びました。

4, 多くの人の意見を聞いて納得解をつくっていきたい!

校則を見直すべきかどうかも含めて、
とにかく生徒・先生と話していき、さまざまな意見を聞くことが必要だと思いました。

わたしが話し方を工夫したり、わたしだけではなく他の人も校則について考えたいと思っていることがわかったりしたらきっと校則について見直してみようということになるはずです。

大切なことはお互いの立場を考慮した上で、まずは意見を伝え合うことです。
これからは(生徒会役員の任期が終われば)生徒にアンケートをとったり、学校だけではなく地域の人にもアンケートをとるなどしてもっと多くの人の意見を聞いていきたいと思っています。

また、一人で先生とお話しするのではなく何人かに協力してもらい、一緒にお話にいきたいと思います!一人で行くとどうしても緊張してしまい、意見が伝えられないので。笑

そして、校則を見直すということではなく校則について考えるということをまずは大切にしながら、立場に応じた様々な意見があることを理解し、どんな立場の人も納得できる道を探していきたいと思います。

たとえ校則が変わりズボンが履けるようになったとしても、わたしがズボンを履くことはありません。わたしはもう何ヶ月か経てば卒業してしまいます。

そんなわたしにとって妹やさらに下の代の生徒たちが堂々と自分の好きな制服を着ることができるようなることほど素敵で嬉しいことはありません!

誰もが自分らしく学校生活を送ることができる、それこそが未来の校則、未来の学校にふさわしい姿ではないでしょうか。そんな学校をつくるために精一杯活動していこうと、わたしは思います。

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