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気づくのはいつも 終わってから...


本づくりを30年も続けていますが、「まちがい」のなかった本はまだ無い! と胸を張って断言できます!!
ちなみに本のなかでの文字の「まちがい」は《誤植》と呼ばれるのですね。そのむかし(わたしが出版業界に入った30年前までは)鉛製の「活字」を職人さんが、ひと文字ひと文字、拾って「版」(木枠)のなかに植え込んで(組んで)いました。その工程で誤るので、《誤植》ですね。
その後、電算「写植」になって、ご承知のように今ではほとんどが、デジタルデータで版が組まれていきます。ですから「誤植」というより「誤入力」(職人さんではなくて書き手その人のミス)ですね。
その「まちがい」にもいろいろありまして...
●タイプA: 表されている「内容」(事実)がおかしい ●タイプB: 文法から逸れている ●タイプC:「言葉」や「文字」の使い方が正しくない ●タイプD: そうした誤り(おかしさ・逸れ・正しくなさ)を見落として修正できていない ●タイプE: 誤りとはいえないけれどアッチとコッチでばらばら(お見苦しい)... などなど です。
書籍だけでなく、新聞・雑誌でも、サイトでも映像でも、文字をあつかうメディアでは、そうした「まちがい」を探す作業を【校正】と呼びます。
―― このマガジンでは そうした【校正】場面での「ハラハラ話」を採り上げて、皆さんと「赤面」「猛省」ネタを笑い飛ばして慰めあえたら~と思っています。お付き合い下さいますでしょうか!


 こうしたことを思い立ったというのも、他でもない今日の「まちがい」体験からでした。

 本づくりのプロセスで【校正】は何度も何度も(原則的・良心的には「ホトケの顔」の3度まで/実際は低頭お詫びしながら5度も6度も)あるのですが、「痛恨」の誤りが見つかるのは、いつも、事が決したあと...。印刷が終わって(なん百なん千という冊数が)そのことが報告される〈刷り取り〉〈一部抜き〉が届いた、選りに選ってその瞬間! 眼に飛び込んで来る!! のです。

―― きょうの告解ネタは... 木立の文庫「2周年」記念で元気よくプロデュースしてきた

『バンヤンの木の下で』(11月はじめ店頭発売)です

本日は10月13日火曜日、先ほどこの〈刷取(すりとり)〉が届いて... 明日水曜から製本スタートという13時。眼に飛び込んで来たのはこの2ページ! ―― ストップをかける(刷り直す)かどうか? 悶々とした気持から逃避するかのように、こんなnote記事を書き始めて... 時間切れとなった... いま18時。


いかがでしょう? 皆さんなら... すぐに見つかりますよね!

バンヤン誤植

ヒント――【タイプE】です



(まだまだ「告解」話が出てきそうな嫌な予感...)

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