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回を重ねる毎に成長し続ける映画〜「キングダム運命の炎」映画感想文(ネタバレなし)〜

「キングダム 運命の炎」、IMAXで鑑賞してきた。

本当に、こんなにも回を重ねる毎に成長し続ける映画が、これまであっただろうか。
2019年公開の「キングダム」から毎回劇場で鑑賞しているが、見るたび毎に前作のハードルを確実に超えてきているのを実感する。こんな映画シリーズは珍しい。
キャスト・スタッフの本気が「これでもか!」と、スクリーンから強く訴えてくる。
こちらは「これ以上ない」と思っているのに、
ストーリーも、アクションも、映像も、劇伴も、
次を見たら更にその上を示してみせてしまう。
さながら、大将軍を目指す信(しん)が飛躍的に成長して力をつけていくように。
だから、「絶対にまた劇場で見たい」と思ってしまう。


キングダムの魅力の一つである、圧倒的なスケールで描かれる戦闘シーンはまさにハリウッド映画並み。
「これが邦画なのか」と思わずにはいられない。

その中のアクションの一つ一つも、非常に鬼気迫るものとなっている。
信を演じる山﨑賢人さんの身体能力が人間離れしているし、
羌瘣(きょうかい)を演じる清野菜名さんの巫舞(みぶ)は流れるように美しく、そして速く、敵を斬ってまわる。
信が百人将として率いる特殊部隊・飛信隊(ひしんたい)の面々は、前作で共に死地をくぐり抜けた仲間たち。
前作で信と仲間たちが築き上げた信頼関係が様々なシーンで伝わってくるし、飛信隊の面々もまた成長し続けている。
そして、王騎将軍を演じる大沢さんの圧倒的な存在感。
佇むだけで、一瞥するだけで、一言発言するだけで、場の空気が変わる。
まさに天下の大将軍にしか見えなかった。

キングダム出演者はまさに豪華キャスト陣だが、全員がもはや演じているというより、役そのものを生きているようだ。
IMAXで見ると余計に、自分も飛信隊の一員として戦闘に巻き込まれているような錯覚に陥る。思わず、手に汗握ってしまう。


そして、蛇甘平原(だかんへいげん)と馬陽(ばよう)の間に紫夏(しか)編が入ったことで、ストーリーに出る深み。
今まで描かれてこなかった若き大王・政の過去が描かれる。

なぜ戦うのか。
なぜ夢を追うのか。

戦という血みどろの世界の中でも、人との絆を通して、目指すべき希望が垣間見える。

人との出会いで、人は変われる。
そして、人の思いは決して死なない。
自分が忘れないでいる限り。

だから戦うのだ。
だから夢を追うのだ、と。

若き大王・政にそう思わせる、杏さん演じる紫夏が最高なのだ。
慈愛と凛々しさの両方を兼ね備えた、素晴らしい女傑ぶりだった・・・。


一映画ファンとして、2023年に鑑賞した映画の中で、ダントツの面白さと満足度だったと思う。
映画「キングダム」シリーズは日本映画史を塗り替えるシリーズになる、そんな予感がしてならない。
だって、キャスト・スタッフが本気で、一丸となって、映画シリーズを成長させ続けているのだから。


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